水無川 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 65
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477900

感想・レビュー・書評

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  • これも家族の絆を描いた作品。
    今回は児童虐待をテーマにした作品。
    面白かったけど、『絆』ほどの切れ味はなかった。

    終わり方には賛否両論があるかもしれないけれど、絆をテーマにしているからこの終わり方なんだろうなぁ〜。

  • 重いテーマの物語
    児童虐待、犯罪被害者と重いテーマを重く描いてます。

    ストーリとしては、担任した児童が親の虐待で死亡し、教師を辞めた主人公。そしてその恋人は娘への暴力を止められず、娘は児童保護施設でそれぞれ別れて暮らしています。
    そんな二人の関係に、現れたアパートの隣に住む謎の男。
    この翳のある男の正体は?
    その男の過去にあった事件とは?
    その秘密とは?
    といったところで、なぜか、主人公がずんずんその男の過去と秘密を突き止めていきます(笑)

    結局謎の男は、過去に奥さんと子供を未成年に殺された被害者。そして、癌に冒された自分の死期までに、犯人に復讐を果たすべく、犯人が出所するまでの9年もの間、その為だけに生きて来ました。
    そして、そんな過去と彼の決意を知ってしまった主人公とその恋人。

    いよいよ犯人が出所したそのとき、復讐を果たす事が出来るのか?主人公と恋人とその娘がとった行動は..

    正直、自分としては納得のいかない結末でした。
    どうせなら、そのまま救われない形で終わってしまってもよかったのでは、と思います。
    最後の最後で救われた物語となっています。
    どっちが主人公なのかわからない物語(笑)

    果たして、自分自身がこの男のような立場になったらどうするのでしょう?
    間違いなく、この男と同じ行動をとるでしょう。

    考えさせられる物語でした

  •  以前小学校の教諭をしていた真壁は自分の担任していた子供が家で親に虐待に合っているのを気づいていながら救うことができなかった。各方面から責められた真壁は教師を辞め、今はノンフィクションライターをしながら塾のアルバイトで食いつないでいた。川島夏美はそんな真壁に寄り添ってくれていたが、夏美もまた、自分の子供を虐待してしまった末に施設に預け、引き取りたいと思いながらもどうしてもイラついてしまう自分に困り果てていた。お互いの傷を舐めあうように生きてきた2人。しかし夏美は最近、隣に住む野口という底知れぬ闇を抱えていそうな雰囲気の男に惹かれていくようだった。気になった真壁は野口の過去を調べ始める。

     自分の愛する人が復讐を企てていると知ったらどうするか。しかも相手はどうしようもない悪で、愛する人はもう病気で先がなく、復讐するためだけに10年以上も生きてきた。もちろん止めなければいけないのだろうが、知らないふりをするだけならばそうしてしまいそうな気もする。考えさせられるものはあったが、物語自体はかなり古い2時間ドラマのよう。虐待していた子供との関係復活があまりにも安易なような。

  • 終わり方が気に入らない…

  • 光市母子殺人事件を思い出させる作品であった。自分が野口の立場であったら復讐をしているように思われる。

  • 少年犯罪によって妻子を殺された男の復讐と、男に関わる人々のそれぞれの苦悩を描いた話。
    男の隣人で、娘を虐待する夏美、その恋人で生徒の虐待死を止められなかった元教師の役どころが、
    今一つしっくりこなかった。
    最後はもう少し、少年犯罪や虐待への強いメッセージがあると良かったが、
    物足りない終わり方だったような気がします。

  • 以前、小杉健治の「父からの手紙」という小説を読んだ。
    娘の幸せを願う父親の深い愛情が著されており、他の作品も読みたくなって買ってみた。

    隣に住む謎の男:野口。彼の唯一の目的はただ一つ、復讐をすること。
    そのために何年もかけて自分を孤独に追い込むストイックさ・・。
    小説の設定でフィクションではあるが、この男の果て無き憎悪に少し背筋が寒い思いさえした。

    人間は過去に縛られる生き物なんだよなあ。

  • 虐待死した教え子を救えなかった真壁と
    娘への虐待をやめられない夏美。
    最初野口が不気味な存在だったのですが、
    とても興味深い人物に変わっていきました。

  • 最後でがっかり。
    妻と息子を殺されて、犯人出所後復讐しようと
    10年も待っていた男の気持ちが、一瞬で変わってしまうなんて・・・
    そんな終わり方あり?っていうあっけない結末。
    ぐいぐいひっぱって来たのに
    プツンと糸を切られたような終わり方だった。

  • 正直言って、結末にもストーリーにも、私はあんまりピンとこなかった。
    それは、まぁ、好みの問題。うん。

    でも、これ。
    ある特定の人が読むと、大受け。ホント爆笑。<おい
    あんまりにも素敵な出来具合で、友人に勧めました。
    (あぁ、不謹慎な読者だ…汗)

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著者プロフィール

小杉 健治(こすぎ けんじ)
1947年、東京生まれ。東京都立葛飾野高等学校、コンピュータ専門学校卒業を経て、プログラマーとして18年間勤務。1983年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、1987年『絆』で日本推理作家協会賞、1990年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。
社会派推理小説や、時代小説で活躍。著書に矢尋・知坂刑事シリーズ、「風烈廻り与力・青柳剣一郎」シリーズ、「三人佐平次捕物帳」シリーズ、「栄次郎江戸暦」シリーズ他、『父からの手紙』『残り火』『曳かれ者』などがある。
1993~1994年、日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門の選考委員を務めていた。

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