若葉のころ (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478112

感想・レビュー・書評

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  • 4部作の完結編。

    凛一は大学2年生になり、同じく京都の大学へ進学した、
    ひとつ下の従弟、正午と暮らしている。

    嬉しかったのは、有沢さんが再び登場したこと。
    なんでこんなに、魅力的なんだろうこの人!狡いよ!

    3作目の「彼等」で千迅さんが凛一に言ってたけど、
    「なにがどういいのか。ただの男だろう、どうしてそう惚れるんだ」
    って、ほんとだよ・・・。氷川さんも確かに素敵だけどさ・・・。
    有沢さんのどこが不足なんだ、凛一~

    でもたぶんそういうことじゃないんだろうな。
    凛一はもともと無意識のうちに、自分を傷つける、酷い扱いをする人に寄っていくし、
    避けようと思えば避けられたのに結果的に自分が傷つく選択をするところがあるな~
    氷川さんは、将来的には女の人を選んで普通に結婚していく気がする。
    それでも、氷川さんと一緒にいることを選んだ。

    最後の凛一の台詞は、華道の家元を継ぐ者としては可笑しな台詞だけど
    凛一の無邪気で可愛らしい一面が見られて嬉しかったし、良い終わり方だと思った。

    人物、景色、時代背景、花や自然の描写などなど
    全てがほんとうに綺麗な作品。何度でも大事に読み返したい。

  • 割と時間かからずに全巻読めました。
    まあ、退屈ではないですけど・・・
    この人のお話は、目立った起伏が少ないような気もします。
    ちょっと物足りないような・・・
    漂ってる雰囲気はものすごく好きな場合が多いですが。

  • 氷川さんしっかりしてよ!な最終巻
    有沢が帰国
    正午は相変わらずツンデレ
    千迅や千尋はどうしたいのかわからないし
    マネージャーとラグビー部腹立つ

    個人的は有沢と幸せになってほしかったけど
    体の欠陥が2人に共感を生んでると思うし
    有沢の表層に対する執着も凛に関してだけは違うし
    何より氷川みたいな中途半端な真似しないし
    大体女と平気で付き合うくせに凛が他の男といるのは許せないって言うのが許せない
    凛が幸せならそれでいいけどさぁ

  • 長野先生の美しい風景描写が詰め込まれていて、シリーズ最初から読み返したくなる。

  • 希望が見えて終わってよかった…!
    2人はこれからどうなっていくかわからないけれど、とりあえず”今”を選んだんですね。
    それにしても有沢くん好きだわ…。
    凛一くんはもっと甘えたっていいと思うよ。自分をもっと大切にしていいよ。

  • 読んだのはずっと前やけど、長野まゆみの同性愛を扱った話の中でも、ほもが好きだった頃読んでも、結局完結するまでそんなに入り込めんかった気がする。

    今思ったけど、長野まゆみって成長する少年よりも時間止まった「少年象」の方が、らしさが出てるんじゃないのか。

  • 白昼堂々シリーズ四作目、完結編。

  • 凛一、氷川くんシリーズ最終巻。秘密の恋ってどれも切ないです。いろんな人の気持ちが、痛いです。でも、最後は少し救われました。いつまでも、この、本のなかにいたくて、全巻2度読みしてしまいました。

  • 【4】寂しい生い立ちとはいっても、周囲の誰も彼もが何だかんだと凛一を気に掛けて構ってくれてるじゃないか~。我が身の幸せに気付け!もっとありがたがれよ。家元からの手紙なんか、亡き母の愛にジーンと来るじゃないか。ここに来て千迅の過去がクローズアップ。正直、主人公と氷川より、周囲の面々の方が自分には魅力的だったな。ところで凛一にぶつかってくる自転車の件は一体どうなったの?犯人や深層は重要じゃないから明らかにされないのかな。

  • シリーズ最終巻。
    『彼等』から2年後、
    大学生になった凛一は京都に移り住み、1年遅れで進学してきた正午(まひる)とふたりで暮らしている。
    氷川とは距離が近くなっても相変わらず微妙な距離。
    しかも氷川との関係が周囲の知るところとなり、不穏な出来事が起こり始める。

    有沢の再登場は想像ほどのインパクトはなく、むしろ今回は凛一への家族の愛情を感じる物語だった。
    そして相変わらず見事な噛ませっぷりを発揮する有沢先輩。
    幸せになってほしいものである。
    他にも、千迅の過去の恋愛など、短い割に中身が濃かった。

    これで最後ながら、氷川との関係はやっぱり壊れやすく儚い印象。
    2人の未来は明るくはない気がするものの、そのときの精一杯の恋をしている凛一の姿は誰もが経験し、必ず手放さなくてはいけない青春性に溢れている。

    http://www.horizon-t.net/?p=977

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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