ハミザベス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.49
  • (32)
  • (58)
  • (115)
  • (13)
  • (1)
本棚登録 : 425
感想 : 87
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478402

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2つのお話。
    今回も、不思議なことを躊躇なくしちゃう、気持ちは普通の主人公のおはなし。
    あぁ、この、違和感のある自然さがくせになる。

  • 表題作のハミザベスはハムスターの名前。これはもうネーミング勝ちだな(笑)

    個人的には同時収録の「豆姉妹」のほうが面白かったです。突如、女王様になってしまう姉と、突如アフロにしてしまう妹。全体的にひょうひょうとしているのがいい。

    解説:いしいしんじ

  • いい意味で実にサバサバしている。
    スキッと簡潔な文体も、ストンストンとしたよどみのない空気感も。
    出てくる人々が、とても魅力的。
    会話部の掛け合いなどは、ちょっとしたコントのよう。

    主人公の、ひょうひょうと目の前にあることをそのまま受け入れる姿が、楽しく心地良い。
    軽快だけれど、軽々しいというのとは全く違う感じ。
    常にやさしさがある気がした。

    おもしろかった。
    私は好きだな。

  • 多くの人が言っているように表題作の『ハミザベス』より、同録の『豆姉妹』の方が楽しい作品です。突如成り行きと思い付きで巨大アフロヘアにしてしまった女子高生の主人公の様子が何とも笑えしまいます。
    この2週間ほど、栗田さんの作品を遡るように読んできました。
    過去に戻れば戻るほど、不思議な舞台設定は現実的になって行きます。栗田さんのデビュー作であるこの本では、確かに奇妙な設定もあるのですが(例えば巨大精子・卵子)、それは物語の片隅に追いやられています。ただ、どこか不思議な雰囲気をもつ登場人物は最初からあるようです。
    どんどん個性が際立ってきている作家さんのような気がします。

    =======================
    07-033 2007/04/05 ☆☆☆☆

    直前に読んだ絲山秋子さんの「イッツ・オンリー・トーク」のように、どこか淡々とした味わいのある作品です。
    ちょっと不思議な雰囲気を持つ花野さん。中学時代に恋愛関係になりかけたけど虚弱体質の私を気遣ううちに家族のようになってしまった彰。更年期障害に苦しむ母親。そんな人たちと、奇妙に素直な主人公たちの係わりが、少しユーモラスに描かれます。こうした人間関係が主題なのかな。
    それにしても、途中出てくる巨大精子・卵子の話は何でしょう?「豆姉妹」には巨大アフロヘアーが出てくるし。栗田さんは巨大物好き?

  • 面白かったー!
    会話のテンポが良かった。
    アフロが良かった。
    青年海外協力隊って一瞬だけど出てきた。
    ちょっとあり得ない感じのストーリーだったけど、なんかとても面白かった。
    締め方が好き。

  • 不信感を抱きつつ、ページをめくる。
    それを繰り返していたら、結局最後まで読まされてしまった。
    面白い。

    (2012.08.16読了)

  • ハミザベス・豆姉妹の2編が入っている。解説がいしいしんじだったので、購入。

    ハミザベスは話に登場する動物の名前。最初この題名を見て何か深刻な話かと思ったら、とても楽しい話だった。そして名前の由来も可愛い。でもどちらかというと豆姉妹の方が面白い。要所要所笑いがある。どちらの話も日常の淡々とした話のようで、そうでもなかったりする。作風的には川上弘美さんとか長嶋有さんとかに似ているような。読後感のさわやかさや満足度が似ているのかな。繰返し読めそう。豆姉妹・・。お勧め。

  • 栗田さんの小説は変な(いい意味で)中毒性があると思う。
    思いもよらない着地点。読み終えた後は、しばしぼうっとなります。脱力。。それが心地よいわけです。

  • ◇あらすじ◇
    一歳の時に別れ、母から死んだと聞かされていた父の遺産を、20歳の誕生日の前に相続することになった主人公、まちる。父が彼女に遺したものは、高層マンションの一室と、ハムスター1匹であった。
    遺産を相続した彼女”まちる”と、父と何やら複雑な関係であった更年期障害の母”梅子”、父の同居人で遺言執行者である”あかつき”、幼馴染で美容師の”彰”が繰り広げるユーモラスでどこか不思議な、非日常的日常の物語。


    ◇感想◇
    解説者”いしい しんじ”の『何が起きたのか分からないけれど、なんだかおもしろかったので、もう一周してみよう』というコメントは、まさにこの作品を表してるな、と思います。
    全体的にローテンションなのにどこかコミカルな会話、唐突で不可思議な展開なのにそれをナチュラルに受け入れる登場人物、そして最初は作品に反発しそうになるも夢中になって読んでいる読者、私。
    この本の読み方は、書かれている内容をあるがままに受け入れ、感じとることなんだと、最後の方になって気づきました。

    読み終わった直後に、「素直な気持ちで最初からもう一度読みたい」と思えた初めての本です。お勧めします、ぜひ読んでみてください。

  • 誰でもいいからデビュー作を読んでみたくて。

    おもしろかったです。
    ハミザベスかわいいし、まちると、そのまわりの人間関係の微妙さがいとおしい。
    会話がすごい多いです。ほんとはそういう小説苦手なんですが、この人のはいけるみたいです。流れるようで、笑えるという意味でおもしろい。

    あと、豆姉妹もよくわかんない感じがよかった。心地いい。


    解説がいしいしんじさんだったのが実は購入した決め手でした。

著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

栗田有起の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
川上 弘美
島本 理生
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×