MOMENT (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 7253
レビュー : 898
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478594

感想・レビュー・書評

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  • 死を目前にした入院患者の願いを叶えてくれる青年の物語、とのことで
    天使のような心優しい青年を主人公にしたハートウォーミングな作品なのね♪と
    勝手に思い込んでいたら。。。

    いい意味で、裏切られました!

    死にゆく人のお願い事のほとんどは、温かく美しいものなんかじゃなくて
    どうしようもない業を孕んでいたり、
    親友の死を招いた相手への小さな復讐と八つ当たりだったり、
    ひとかけらでもいいから自分を誰かの記憶に留めたいだけだったり
    家族に迷惑をかけないよう、一刻も早く死ぬことだったり、
    思いがけなく苦くて、重くて。

    またその経緯を綴るのが、とてつもなく端正でスタイリッシュな文章!
    主人公の神田も、心優しい天使の面影は全くなくて
    どちらかというと理路整然としたクールでそつのない大学生であることが
    「願いを叶える必殺仕事人」という虚構を、かえってリアルに支えています。

    長期入院患者の間で、噂がさわさわと拡がっていく様子が目に浮かぶようで
    最初は「黒衣の必殺仕事人」であったのが、
    神田がバイトに来てからいつのまにか「掃除夫の必殺仕事人」となり、
    さらには「黒衣」と「掃除夫」が入り乱れるに至る構成も秀逸。

    心憎い台詞もさらっと言ってしまうあたりがちょっと信用できない感じだった神田が
    死を切望する有馬を生かそうと、手間暇かけて決行する最後の作戦が微笑ましく
    男性よりも男らしい言葉づかいの森野が神田に寄せる純情もけなげで

    続編『WILL』が気になってしまう、初☆本多孝好作品でした。

    • まっき~♪さん
      まろんさんへ

      いつもありがとうございます(*・▽・*)

      私も本多孝好さん、いつも気になっていて…でもまだ読んだことないんです。
      まろん...
      まろんさんへ

      いつもありがとうございます(*・▽・*)

      私も本多孝好さん、いつも気になっていて…でもまだ読んだことないんです。
      まろんさんのレビューを見て、近いうちに読んでみよう~と思いました。

      気になる作家さんが多すぎてどうしましょ!って思います(*´ー`)
      2012/11/07
    • まろんさん
      まっき~♪さん、こちらこそ~(*^_^*)

      本多孝好さん、私もずっと気になっていて積読状態だったのですが
      勝手に抱いていた印象とはぜんぜん...
      まっき~♪さん、こちらこそ~(*^_^*)

      本多孝好さん、私もずっと気になっていて積読状態だったのですが
      勝手に抱いていた印象とはぜんぜん違っていて
      甘すぎず、かといって突き放しすぎてもいなくて
      上手いなあ、と感心してしまいました。
      葬儀屋さんの森野が、言葉は荒っぽくて男性的なのに
      心のうちはかなり純情乙女なのが可愛くて、
      森野を主人公にした『WILL』が楽しみです♪
      気になる作家さんが多すぎる。。。本読みにとっては最高の幸せですね(*'-')フフ♪
      2012/11/08
  • 大学生の「僕」は病院で清掃員のアルバイトをしている。入院患者の間でひっそりと囁かれる「必殺仕事人」の噂…それは死を前にした患者の前に現れ、願いをひとつだけ叶えてくれると言う…

    その姿は「黒衣の男」とも「清掃員」とも言われ…

    うーん。必殺仕事人ならやっぱり藤田まことさんの方がいいなぁ。この必殺仕事人は優しすぎる。

    古本屋さんで購入したこの本、何気なく開いてみたら本多さんのサインつきでした。

    以前にも買った漫画がサインつきだったり、たまにこんなハプニングがあります。嬉しいけど…サインしてもらった本をブックオフに売るのってどうなのよ(笑)

  • 死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望…。静かに胸を打つ物語。

  • 死を前にしたときの最後の願い。そしてそれを叶えたいと思う病院でアルバイトする掃除夫の大学生神田。
    それはささやかな復讐だったり、未練だったり、神田君が噂の必殺仕事人の振りをして叶えてあげられる事柄はある意味納得ができたのだけど、この病院には本物の仕事人が暗躍していたことを彼は知ってしまった。許されるべきではない行為が行われていると。う~ん、考えさせられました。

    もし自分の命があと僅かだと知ったら、私はどっちの仕事人に何をお願いするんだろう……

  • 2014-2
    設定自体は面白いんだけど、なんか物足りない。
    不完全燃焼な感じ。
    死を前にして人は何を考えるんだろう。。。
    そして、看護師はそんな簡単に患者さんの情報を流さないぞとか思ったり。

  • 舞台は病院。
    死が間近に迫った患者たちに伝わるとある噂。

    それは、死に際に一つだけ願いを叶えてくれるというものだった。

    人は死に直面したときに最後に何を願うのか。


    「病人の願いを叶えて、心温まる」系かと思ったら、意外とゾワっとするところも。

    死に際だからといって、みんながみんな優しくなれるなんて、そっちの方が珍しいんじゃないかなと思う節があったので、これはリアルな感じが良かった。

    それでも綺麗な話は良いな。3編目が好きだ。

    ファミレスの場面とか、なんか素敵だった。

  • あそこで走るやつと走らないやつがいる。向こうに渡るって目的は同じでもな
    いつかは辿り着く。それが早いか遅いかだけで。神田のことをきちんとみてる森野は素敵な女性だな。

  • 死を前にして、何を思い誰を想うか。どうしても為し遂げたかったことはあるか。
    ちくちくと胸にささるものがありました。死ぬ前に何を考えるかなんて、死ぬときになれば嫌でもわかるでしょう。
    「僕」と同じように、考えたこともありませんでしたが悟りきった微笑みを浮かべ過ごすなんて、きっとあり得ない。復讐する気持ちも分かる。
    悲しくも優しいだけの物語じゃない。小さな毒気、小さな棘があるところが良かったです。

  • オムニバス作品「I LOVE YOU」「LOVE or LIKE」で著者の作品を知り、文体や作風が気に入って手にとってみたが、安定した力量のある作家と感じた。プロットだけで表現すると、よくある美談に終始しそうだが、「最後の願い」を叶えるプロセスに捻りが効いているのと、語り口が淡々としていて感情過多なところがないので、飽きずに楽しんで読める。主人公や各ショートストーリーで「最後の願い」を申し出る主要人物以外の脇役も魅力的に描かれていて物語の魅力を高めている。個人的には主人公の幼馴染の葬儀屋が気になった。

  • 神田くんと森野さんのシリーズ。これが一作目だけど、入手の都合により読んだのは一番最後という(笑)。

    さびれた商店街の文具店の息子である大学生の神田は、病院で清掃のアルバイトをしている。その病院には「死ぬ前に願いをかなえてくれる仕事人」がいるという噂があった。
    その仕事人だと勘違いされた神田は、なんだかんだと患者たちの願いを聞くことになる。
    ただのエンタメ謎解きものにもなりえる筋書きだけど、死に臨む患者たちの抱える背景は重く、また神田に全てを話さないままでいたりするので、謎を解いてすっきりというオチではなかった。
    「WISH」で、キスもしないまま早世する自分の運命を受け入れようとしながらも怖いと泣く美子に心打たれた。彼女が「友達を救いたい」という綺麗なだけの理由で依頼したのではなく生きられるのに自死したことを責めているような感情も書かれているのが良い。

    仕事人の正体が、安楽死請負人という結末も良かった。
    神田の同僚のおばちゃんをずっと疑ってたわw
    既に「WILL」を読んでるけど、WILLの森野に比べて、この本の森野はすごく男っぽい。ちょっと時間が違うというのもあるけど、神田の目を通すと殺し屋みたいにみえている感じ。

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著者プロフィール

本多 孝好(ほんだ たかよし)
1971年、東京都生まれ。弁護士になるため慶應義塾大学法学部に入学したが、大学4年生の時、同じ学部の金城一紀に小説執筆を依頼されたことがきっかけで、作家を選択肢に入れる。弁護士になるか迷っているさなかの1994年、「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、作家となることを決心。
以降、1999年『MISSING』で単行本デビュー。
2008年短編集『FINE DAYS』に収録された『イエスタデイズ』が映画化されたのを皮切りに、『真夜中の五分前』、『ストレイヤーズ・クロニクル』、『at Home』など映画化された作品多数。その他代表作として、『MOMENT』など。

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