ソウルの練習問題 (集英社文庫)

  • 集英社 (2005年11月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087478839

作品紹介・あらすじ

異文化へ旅立つ若者たちに贈る永遠の青春の書。
1980年代、大手マスコミが韓国に関して紋切り型の報道を続けていた頃。隣国の素顔を知るために、一人のフリーライターがソウルへと旅立った。現代につながる韓流の源である歴史的名著が復活!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

異文化体験を通じて、韓国の魅力を深く掘り下げた作品であり、1980年代のソウルの様子を鮮やかに描写しています。著者は、当時の韓国を訪れ、ハングルの文字に圧倒されながらも、魅力的な女性との交流を通じて日...

感想・レビュー・書評

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  • 韓流ブームより前、ソウルオリンピック直前の韓国訪問と異文化体験。

    お隣の国、一見同じ外見の国。だが看板を埋めつくすハングルの文字に圧倒されるハングル酔い。

    スンジャという魅力的な女性との交際を通じた異文化体験。日韓の壁は乗り越えることはできない。

    四半世紀前の作品ではあるが決して色褪せていない。日韓関係は当時と異なる方向に向かってしまったように見えるが、実際の両国の関係は実は変わっていないように思える。

    今の日韓関係を語る際にあまり出てこないが、在日コリアンの微妙な位置も当時と変わっていないことだろう。

    嫌韓本が溢れる今こそ、摩擦の起こる前(当時も違ったカタチであっただろうが)の日韓について学ぶのに学ぶのにちょうど良い作品かと思います。

  • 80年代のソウルをチラッと訪れたことがあるので、懐かしく読んだ。昨今の韓流ブームなど、だれが予見できただろう。若者にもぜひ読んでほしいと思う。

  • 同じ著者の北朝鮮本「退屈な迷宮」は昔読んだが、こちらは存在は知っていたものの初めて読んだ。80年代初頭の韓国「体験記」だ。いちいち表現は冗長だし世代を反映してか男女関係の香りはするし(ただし周囲の日本人はともかく、著者自身は買春をしていない)。今読むと、韓国に対してそんなに構えなくてもいいんじゃないかとも思う。しかし、「友人たちを韓国の旅に誘うが、誰も心を動かされない」「韓国に深い興味を持っている日本人に時折会う・・・彼らの多数は韓国そのものよりも『韓国問題』に興味を持っていたりする」という時代に、不十分な韓国語で街を歩き回りソウル近郊にオートバイで行ってみたりということ自体、かなり画期的だったのだろう。その時代と現在の差に思いを馳せてみる。

  • 新装版初読。語学書と紀行・思索が混然一体となった一風変わった構成。日韓関係を扱った作品群の中では記念碑的存在。私が初めて韓国を訪れたのは04年夏のこと。その時、頭にあったのが本書旧版や、韓国プロ野球創成に参加した在日選手達の見た祖国『海峡を越えたホームラン』に描かれた80年初頭の韓国の姿。実際の韓国は88オリンピック、02ワールドカップを経て変貌を遂げていたにも関わらず、昔日のソウルの面影を求め、何故か釜山の路地裏を彷徨歩いた。80年代を背景にした韓国映画に、今も郷愁を感じるのも本書の影響大。偏愛的懐書。


    追記:上記『海峡を越えたホームラン』と同時期同傾向の作品としては、鄭仁和『いつの日か海峡を越えて』がある。又、10年ほど時代を溯るが、司馬遼太郎『韓のくに紀行』、長璋吉『私の朝鮮語小辞典―ソウル遊学記』も定番のお勧め品。

  •  韓流大ブームの今、あらためて読んでほしい本。戒厳令がしかれていた1980年代の始めに韓国を訪れたフリーライター、関川夏央さんが、「近くて遠い」と言われた国を旅したレポートで、ソウルの人たちの普通の生活の様子が活き活きと伝わってきます。韓国の芸能情報からソウルの穴場レストラン情報までテレビで溢れるようになった今から考えると隔世の感がありますが、韓国の文化や歴史、人情への理解を深める上で、とても役に立つ本です。

  • 随分以前に新潮文庫版で読んだ本だけれども、7月の初旬に帰国した際に、集英社文庫の新装版が発行されているのを見つけて購入。
    この本が単行本として最初に発行されたのは、1984年のことなので、今からだいたい4半世紀前のことである。2004年から2006年くらいにかけて、仕事で、あるいは、まれにプライベートでソウルによく出かけていた。平均すると月に1回くらいは行っていたような気がするし、それ以前とそれ以後も合わせると、ソウルには50回くらいは行ったことがあると思う。
    この本を改めて読んで驚いたのは、その4半世紀弱の間のソウルの変わりようである。この間に、韓国はオリンピックを開催し、万国博覧会を開催し、2002年には日本と共催の形でW杯サッカーのホスト国となった。1路線しかなかった地下鉄は、今ではソウル中を縦横無尽に走っているし、作品中に出てくる、韓国製のオートバイの性能がとんでもなく悪いというエピソードも、笑い話のようにしか思えない。韓国という国、ソウルという街は、経済的に当時よりもはるかに発展し、あるいは、都市機能が充実した。
    関川夏央が、エピローグで解説しているところによると、この本の発行当時の韓国についての本は、
    ・韓国で日本人がいかに過度に謙虚になれるかという方向
    ・逆にいかに尊大になれるかという方向
    ・韓国の政治経済的内幕を知り、眉間のしわと片側の頬の皮肉な笑いを同時に浮かべたい方向
    の3種類しかなかったということである。
    第二次大戦前、あるいは、大戦中の日本と韓国の関係が、現在の日本と韓国の関係に未だに影を落としていることは確かだと思うが、1984年当時に、関川夏央がやや緊張しながら歩かなければならなかったソウルという街に対する、あるいは、韓国という国に対する現在の日本人のイメージはかなり変化していると思う。経済的な側面、端的に言えば豊かさ、また、その国に対する日本人の一般的なイメージが、4半世紀の間にこれほど劇的に変化している国は他にはないように思う。
    都会が好きな私にとって、ソウルは快適な街だ。そんなに頻繁に使ったわけではないけれども、発達した地下鉄網を使えば、街歩きも問題ない。過ごしていて、あまり違和感や東京と大きな相違点を感じる街ではない。50回も行けば、プライベートで飲みに行ったりするくらいの友人は何人か出来る。彼ら、彼女らと話をしていると、でも、やっぱり異国は異国だな、と感じる機会も多かった。そういう風に感じるのは、具体的に何に対してなのかを、深く、鋭く掘り下げて考えてみると、この本のような優れたルポになるのだろう。

  • まだよんでいるところ。

  • どうしてこの本を知ったのか忘れたけど、マーケットプレイスでたったの4円だったのでついカートに入れてちゃった。
    今冷静に考えれば、ブックオフで100円で見つかったかもなw

    異文化への透視ノート。
    そう題されたこの本では、関川氏が韓国文化に触れ困惑し、孤独感を感じ、苦笑し、恋をするわけです。そんな様子がユーモアとアイロニーに溢れた文章でテンポ良く描かれている。文化人類学の実践ルポ。

    1981年〜1983年にかけて何度か日韓を往復して記されたこの本の内容には当然古さもあるんだけど、四半世紀近く経った今読んでも色は褪せ切ってない。すっげえ面白いよ。
    ちょうど1987年に俺も韓国に行ってるんすよね。その4年余りの間にオリンピック前の急激な変化があったと思うわけで、全てが本書の通りではなかった。けど、自身の思い出に照らすと思わずニヤリとしてしまうような内容も沢山あって楽しめた。

    こんな事も書かれていた。
    「外国語はカタコトなら愛嬌。カタコトにある程度の語彙と誠実な態度が加われば、相手は推理を駆使し理解しようと努力する。時に「愛」や「愛に似たもの」が生まれることもある。その先では相手は時折怒り出す。言葉は誤解による愛と憎しみを生み出す道具だ。」
    これは真理だ。すっごく実感。
    それでも俺たちは理解し合おうとせずにはいられないんだけど。中途半端に言葉を駆使するなら沈黙の方が優れている事があるって事だ。これは外国語だけじゃないね。

    今まで漫画原作者としての関川氏しか知らなかった。かなり若さの目立つ文章ではあるけれど、本書を読んで彼がいっぺんに好きになったよ。

  • 80年代の韓国が書かれている。エッセイというより、ひとつの冒険本かな。韓国への興味を一段と大きいものにした本です

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著者プロフィール

1949年、新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。
1985年『海峡を越えたホームラン』で講談社ノンフィクション賞、1998年『「坊ちゃん」の時代』(共著)で手塚治虫文化賞、2001年『二葉亭四迷の明治四十一年』など明治以来の日本人の思想と行動原理を掘り下げた業績により司馬遼太郎賞、2003年『昭和が明るかった頃』で講談社エッセイ賞受賞。『ソウルの練習問題』『「ただの人」の人生』『中年シングル生活』『白樺たちの大正』『おじさんはなぜ時代小説が好きか』『汽車旅放浪記』『家族の昭和』『「解説」する文学』など著書多数。

「2015年 『子規、最後の八年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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