ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2334
レビュー : 202
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478891

感想・レビュー・書評

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  • 人が歴史に手を出すことが許されるのか?

    時間遡行ができるようになって、国連がしたことはある歴史上の人物の暗殺。それは歴史上の大きな悲劇を回避するための介入だったが、そのために人類に絶滅の危機が迫る。危機を救うために国連は、もう一度、過去を修復してやり直すため、過去の歴史的事件を「再生」し、そこで起きたことをなぞって歴史を「確定」するプロジェクトを始めた。今回選ばれたポイントは、「二・二六事件」。安藤大尉、栗原中尉、石原莞爾の3人が選ばれ、「確定」作業に取り組むがーー。

    れきしをかえては、なぜいけないの。ということで。介入しておかしくなった歴史を、「正しい歴史」に戻すために取り組む国連のメンバー。協力を求められ、連絡機を持って、再度その時を過ごす軍人たち。しかし、自然に修復するはずの歴史は、繰り返せば繰り返すほど「不一致」が起こって「再生」をやり直すことになる。

    SFなんてあまり読まないけれど、全然問題ない。難しい物理学なんてわからなくていい。歴史に詳しくなくてもいい。とにかく、登場人物と一緒にハラハラしながら、「黒幕」を想像し、歴史に介入する是非を考える。「正しい歴史」とは何か。それは誰かにとって都合のいい歴史では? どうしても考えてしまう。あの戦争に負けないために、悪化させないために、引き起こさないために、何か変えるならここではないか。あの時、ああしていれば。歴史にIFはないはずだった、でも、IFが生まれてしまったら。どうしても手を出したくなるだろう。だから、国連は『聖なる暗殺』(たぶんヒットラー)に手を付けた。そして世界には奇病が蔓延する。

  • 歴史&SF。
    二・二六事件にも興味を持った。

  • 2019.2.2(土)¥180(-15%引き)+税。
    2019.2.16(土)。

  • 1

  • 時間遡行を使ったSF小説。・・・と言っても難解な科学理論で頭が痛くなるようなものじゃない。読み進む中で時々思考が追いつかないような場面があったとしたら、それは物語の伏線を張るための巧妙なスモークのようなもの。本当にこの物語は多くの伏線が巧妙に張られ、知らず知らずにその1本1本が脳に付着して静かに息を潜めている。そしてクライマックスの合図の瞬間、1本の強く長いロープとなり私の脳を一気に縛り上げてしまう。快感、まさに快感。『近代日本史』『軍』は今の私のちょっとしたブームであり、その点も相俟ってとても快感な作品でした。何度も言うが伏線の張り方が本当に凄い。

  • 「正しい歴史の再生」という全貌が掴めない未来的プロジェクトと2.26事件の際の軍人らの生々しい感情を描きつつ、だんだんとんだんと内容が明らかになっていくという恩田さんお得意の手法。乗せられてよく分からないままどんどん読んでしまうが、どうやって落ちをつけるのか、相変わらずドキドキする。

  • ※感想はまとめて下巻へ

  • 下手にSFチックだから良くないのですね。SFというのは、もっと独自の世界を論理的に構築する必要があります。
    時間遡行を題材にしていますから、当然ながら多元宇宙論か一元宇宙論かの選択になるのですが、この作品は一元宇宙論です。しかしながら、その宇宙論が非常に多くの矛盾を含んでいます。というか、ロジックが見当たらないといった方が正しいでしょう。他にも、ハッカーの追跡で(どのシステムかではなく)場所だけが特定されたり、とてもサイエンスではないのです。
    ファンタジーなら許せます。しかし、あくまでSFの形態をとっているので、何がなんだか判らなくなってしまうのです。
    最後は流し読みで読了。
    それにしても何故この表題?(「ねじの回転」はヘンリー・ジェイムズの世界的名作ですよね)

  • もちろん小説だけど、青年将校は真っ直ぐで信念があって2.26はきっとそうだったに違いない。と思える。過去ってやり直したいと思っても後悔しても、何度やっても結局なるようにしかならなかったんだ、と。

  • 上下巻読了。
    高校生の時に一回読んだな。
    ほとんど話を忘れていて、新鮮な気持ちで読めた。
    なぜかこれで石原莞爾が好きになった。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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