ねじの回転 下 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1949
レビュー : 156
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478907

感想・レビュー・書評

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  • 「正しい歴史」を作り出せ。

    上巻のラストで、HIDSをこの時代に持ち込んでしまったことが発覚。調子の悪い『シンデレラの靴』やHIDSへの対応だけでなく、3人の軍人たちの思惑が絡んで、国連メンバーはとても歴史を「確定」させるどころではない。疑心暗鬼に陥りかけたところ、ジョンがマツモトに明かした秘密とはーー。

    もしかして、ラストシーンの2人が出会ったことで、時間遡行の技術が生まれたのでは。それならば、マツモトの選択が時間遡行装置を生んだことになってしまう。そんなパラドックスも含めて、読み応えのある物語。誰だって、やり直せるなら、やり直したいと思ってしまう。どれだけ正義にまぶしていても、一部の利益につながる行動。もしくは、何もかもを超えた、ただの好奇心。

  • なんだかんだ言いながらもアメリカを主体とした国連の真の目的は、偏見かもしれませんが頷けるところがあります。
    また日本の将来を憂う昭和初期の若き将校達の情熱と焦燥、あくまでも職務として取り組み、ある意味ではゲーム感覚の未来の科学者達など、非常に上手く描かれていました。それらをこんな大作に仕上げた恩田氏はやっぱりスゴイ!

  • 再読。設定も伏線も複雑で、すべて整合性があって回収しきれているのかは不明だが、面白いからそんなことはまあいっかと思った。日本に完全なる敗北をさせ、アメリカに罪の意識の抑止力を持たせようとするあたりは現代的な視点も入っていて興味深い。どこかで誰かが絶えず歴史をやり直していたとしたら・・・、なんて空想してしまった。

  • 面白かった。

    恩田陸の著作の中でもなかなか手が伸びなかった1冊。ようやく読めてほっとしてもいる。

    恥ずかしながら、私は二二六事件の顛末を知らずに生きてきた。
    知らんとまずかろうと思いながらもそのままにしてきた。

    こうした史実を足がかりにした小説を読むと、俄然興味が沸いてくる。
    年号と文字だけの歴史が血の通った物語として感じられるから不思議だ。

  • アメリカって恐ろしいわね~(違

  • 再読5回目。
    最後までSF。しかも、すごい。敷居の高くない、分かりやすいSF仕立て、というのが正しいかな。面白かった。

  • 面白い。

  • 上下巻とも読み終わりました。

  • 時間遡行という技術が発達した近未来の国連のとある機関が世界にとっての「より良い歴史」を築き上げるために過去に戻って要所要所を軌道修正していく、というSFモノ

    作中では日本の二・二六事件にスポットを当てて実際に実在した歴史上の人物3人が未来の国連の人らと協力して軌道修正作業をしているわけなんだけど

    過去と未来の時間軸変わるタイミングが結構目まぐるしいので話に馴染むまでちょっと時間かかったし途中ちょっとだらけたりもしたんだけどそういう部分も含めて面白かったし下巻は夢中で読みふけった

    でもまぁたぶんこれは好き嫌い分かれるだろうと思う。私は好き

  • なかなか面白かったと思う。二・二六事件にあまり詳しくなかったので、勉強し直す必要があった。
    ただ、タイムパラドックスとしての仕掛けには最後まで理解出来ない部分が多くあって、釈然としないものが残った。曖昧な独自のSF用語ではなく、もっとストレートに表すべきだったように思う。
    だが、ラストにアルベルトとマツモトの孫が出会うシーンは、思わず鳥肌がたってしまった。作者は暗にこの二人を、時間遡行技術を開発した二人の天才とを重ね合わせたのであろうか。それとも、この二人こそがその張本人であるというパラレルワールドの話なのだろうか。その答えはいくら考えても見つからなかった。この出会いが、再び世界を悪夢に陥れる技術を生むのか、 はたまた幸福をもたらす技術を生むのか。それは誰にも分からない。ただ彼らは好奇心を満たしたいだけなのだ。

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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