- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087480665
感想・レビュー・書評
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高倉健さんの、エッセイ集。
読書会で紹介していただいて、
その後、とある本屋の平積みでフラッと。
なんとも人となりが偲ばれる内容で、
何事にも真摯だったのだなぁと、あらためて。
個人的には「鉄道員」や「南極物語」、
「ブラックレイン」が、印象に残っています。
久々に何か借りてこようかな、なんて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2014年11月に亡くなった名優・高倉健によるエッセイ集。飾り気のない文体で読者に語りかけるように綴られる23の小品は、時にいじらしく、時に寂しげに、時に嬉しげに、時にいじわるに、時に優しく、著者の人間味を浮かび上がらせる。本書のタイトル「あなたに褒められたくて」は亡き母への思いを綴った最終章の小品から。
とにかく高倉健が素敵すぎる。こんな俳優さん、これからの時代には出てこないと思う。飾り立てることなく、言葉に誠実で自分に正直。それほど高倉健の映画を観たことがあるわけではないが、名優として陰影に富んだ演技をされるの理解できる。同じ男として憧れてしまう程。
素敵な生き方をする人のもとには素敵な人が集まる。それを高倉健の眼で見て、高倉健の心で感じ、高倉健の言葉で綴る。そんなエッセイが素敵じゃないわけがない。 -
以前から読んでみようと思っていた高倉健さんのエッセイ集。亡くなったのを機に手に取った。
「兆治さんへの花」は、如何にも健さんらしい。
「お姫様の腰かけ」なんて、ほほえましくもある。
「あなたに褒められたくて」は、健さんの心の奥が心がのぞけるようで、こちらの心もホッと温かくなる。 -
「十二支のコンパス」
スタッフ達の頬がげっそりと削れて行く頃、撮影が終わる。
みんなと別れる淋しさがやって来て、また群れを離れてさすらう日々のしんどさを思うと、仕事はうまくいったのに、なぜか沈んでしまう日が待っている。
次の仕事からは、気持ちなんか入れずに鼻歌まじりで口笛吹いてやるぞ、と思いながら、また次の仕事も、きっとクランクアップがつらくなるような人達との出会いを求めてるんでしょうね。
「お心入れ」
思いが入ってないのにやろうとするから具合が悪いので、本当に思いが入ってるのに、入ってないそぶりするところが格好いいかもわかんないですね。
その他にも、、、
ウサギのお守りはチエミさんからのプレゼントだったのかな、とか、大スターであってもお母様にとっては健さんははいつまでたっても踵のあかぎれを心配させる息子であったんだな。とか。
訥々と緩やかに語られる中に滲む、周囲の人々との熱い温度。
私もじんわりと、ぬるく装いながらも心では熱い愛情で相手を思いやるそんな人間でありたいと思った。 -
ドキュメンタリー「健さん」を観たら読みたくなって30年ぶりに再読。健さんの温かいお人柄と、独特のめんどくささが味わえる。文章もおそらくご本人が書かれていると思われるモノローグ風の文章で味が出まくってます。
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高倉健の魅力を本人の自筆で書いたエッセイ集。映画スターの魅力とシャイな一面を書いている。高倉健の評論は何冊か読んでいるが本人が書いた高倉健のエッセンスがちりばめられている。
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おこがましいのは十も百も承知なのだが、まるで健さんが私に語りかけてくれているような、ずっとそんな錯覚に陥って読んでいた。心に染み入るようなエッセイで、素敵な読書タイムでした。
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高倉健の、飾らない感性の表現が素敵。