赤いダイヤ 上 (集英社文庫)

  • 集英社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087481266

感想・レビュー・書評

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  • 小豆相場のお話。
    投資の世界がちょっとわかる

  • 如何にもマーケットらしい投資対象である商品先物「小豆」。この小豆を取り巻く面々の人間模様が細かく描写されている。妙に運のある者、金に目が眩み人を平気で裏切る者、リスクを取らず算盤だけを弾く者などなど。

    簡単に翻弄されそうな小豆を前にしても、一切揺らがず歩む森玄や押田のように生きたい。

  • 梶山季之って中学生時代には週間平凡や明星やその他大人向け週刊誌にイッパイ連載を載せてるエロ作家ぐらいにしか認識なかった。この本の連載テレビバージョンを小4のとき観てておもろかったので、何気に購買して読んだ。後で知ったのだけど同郷でしかも旧2中出身。私が旧一中なので親しみも持てた。読後は抱いていたイメージとはまったく違い、読みやすい文章。時代の風俗描写や愛欲シーンはガキにも変な気にならずスムースに読めた?
    何といっても小豆の相場の世界が面白く後の銭に関する欲望のトレーニング?になった。
    当時の大衆小説は株や相場の世界も単純でわかりやすく間違ってもPERがどうだCEOがこうだの横文字は無く全部日本語の業界用語で記述がヤサグレっぽくて渋い。
    ひねたガキには横文字より業界人が使う日本語のほうがカッコヨク感じた。
    指立てて買ったり売ったりいかにも相場の雰囲気がたまらなく好き。主人公のエネルギーは落ち込んだときにはバイブル。映画版は藤田まこと三田佳子だったが断然テレビ版。大辻伺郎と野際陽子最高。続編の青いサファイアも面白かったけど続編はおすすめしない。最後が無理がある。赤いダイヤ上下のみの閲覧おすすめ

  • 商品先物と言えば、小豆。
    昔の文豪の話とかで、子供の頃は金持ちだったけど、親父が小豆相場で失敗してから、貧乏になった、みたいな。
    でもこの頃は、時間がゆっくり流れてていいなぁ。
    北海道の早霜の情報が、東京に伝わるまで、2日かかるそうです。そりゃ玄人筋が圧倒的に有利ですね。

  • <作品紹介>
    小豆相場は天候によって左右される。体を張って気温変化を知ろうとする相場師“森玄”の調査を手伝った木塚慶太は、赤いダイヤ=小豆の魔力から逃れられなくなった。そして“森玄”に対して戦いを挑んできた松崎辰治の卑劣な手段。慶太を巻きこんで、「買い」と「売り」の壮絶な仕手戦がはじまる…。資料を駆使し相場のカラクリを暴く経済小説。

  • 昭和29年。「赤いダイヤ」と呼ばれる小豆の先物取引に群がる金の亡者を描く経済小説。昭和37年に書かれた小節なので読みにくいのかと思っていたら、無茶苦茶読みやすいし、テンポも良くてぐいぐい読ませる。キャラクターも際立ってるし、今時の小説だと言っても全く通用します。これはすごいぞ。

    • 酔仙亭さん
       遙か昔に、本作読みました。
       週刊文春のいわゆる「トップ屋」として活躍した作者、他にも色々と興味深い作品を書いていますね。
       「せどり...
       遙か昔に、本作読みました。
       週刊文春のいわゆる「トップ屋」として活躍した作者、他にも色々と興味深い作品を書いていますね。
       「せどり男爵の冒険」等々。
       コメの先物市場が少しだけ、世間を賑わせていますが、さて、本作読み返してみようかしらん。
      2011/08/26
  • 昭和の時代の商品先物取引の話。赤いダイヤとは「小豆」のこと。小豆相場をめぐって売り方と買い方の壮絶な戦いが描かれてます。FX、株式、商品先物など相場に興味のある人はぜひおすすめ。

  • 昭和の時代の商品先物取引の話。
    赤いダイヤとは「小豆」のこと。小豆相場をめぐって売り方と買い方の壮絶な戦いが描かれてます。FX、株式、商品先物など相場に興味のある人はぜひおすすめ。

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著者プロフィール

梶山 季之(かじやま・としゆき):1930-1975年。小説家、ジャーナリスト。現在のソウルに生まれる。広島高等師範学校(現・広島大学)卒業。53年上京、国語教師、喫茶店経営などを経ながら、「新思潮」の同人となり作品を発表。58年より「週刊明星」のトップ記事を担当。59年「週刊文春」の創刊に参画。71年月刊「噂」を創刊。作家としては62年「黒の試走車」を発表後、話題作を続々刊行する。75年取材先の香港で客死。産業スパイ小説、経済小説、時代小説、風俗小説など数多くの著作を発表した。ちくま文庫では『せどり男爵数奇譚』がロングセラーになっている。

「2024年 『犯罪日誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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