パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り (集英社文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087481631

感想・レビュー・書評

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  • 椎名ファンの私としてはアルゼンチンに暮らす前に是非読んどかなくっちゃ、と思い買ったが結局帰国後読んだ。
    風とタンポポ。

  • 椎名本マイベスト

  • あとがきにある、『旅の本ではなく夫婦の物語である』 置いて来てはいけない状態ながら、残して来た妻。 地球の果てパタゴニアの自然の厳しさと、心の葛藤の嵐が、綯交ぜの様な切なさが全編に漂う。 「行ってきます」と気持ちよく出発できる旅ばかりではない。その切なさを思い起こさせる稀有な紀行録

  • 世界の果て、パタゴニア。
    氷河と風とでっかい空の国を巡る旅。

    それは大きな不安を抱えながらの旅だった。

    これまで読んだガハハハ旅とは違い、静かで哀愁の漂う内容だった。これは作家としても夫としてもシーナさんにとってターニングポイントになった作品らしい。

    シーナさんのことを自由に生きてて羨ましいなと思っていたが、やっぱりこういう葛藤はあったんだな。
    何にも悩まず生きれるわけないよな。
    読んでよかった。

  • 写真の椎名誠が若くて驚く。
    読んでみるとちょうど『岳物語』の頃で、岳に出てくるチャンピオンベルトを作る場面がある。
    他の椎名誠の旅行記と違うのは、やはり心配事を残したまま日本から一番遠いパタゴニアに行かねばならない思いが反映されているからだろう。
    当時の夫婦としては当然かもしれないが、サラリーマンを辞めて作家になりすごく売れた歪みが妻に行ってしまうのは、今の目で見るとひどいと思う。妻は仕事、家事育児の上に夫のマネジメントまで行い、それだけでも心身ともに疲弊するのに、変なマスコミやストーカーじみた読者の対応までしたんだから。
    ある意味、この危機にあってもパタゴニアに行ってしまう夫を見て、妻も諦めがついたのかも。この人に頼っても仕方ない、という。それで家庭が崩壊しなかったんだから、余程愛が合ったのか。思いやりは互いに感じたんでしょうね。
    色んな人にであったり、現地の食べ物を食べたりする描写はいつも通り面白いが、他は暗いトーンで、椎名作品で愉快になりたい人には向かないかもしれない。でも人生いいことばかりじゃないから、私はこれも悪くないと思う。

  • 妻がテーマでも妻の内面を勝手に予想して語らないのがいい。わかるところだけ、書く。
    タンポポの光景が、見事。それまで氷河と空と、モノクロだった世界が、後半で鮮やかに色を取り戻す。

  • 初めての椎名さん。
    チャトウィンのパタゴニアがいまいちしっくりこなくて、他にパタゴニアのエッセイを探していてたどり着きました。
    まず出だしが気になる!
    これは読まねば!と書店でぱらっと見て即決。
    長いパタゴニアへの出発直前に奥様のノイローゼなのかうつなのか発症。
    椎名さんの旅の行方も気になるけど、やっぱり奥様が気になって。
    だけど、決行するのもまた決断が大変そう。
    自分だったら行くかな。それともいない方が楽になるのかな。
    パタゴニアの情景がよく描写されていてわくわくしますし、写真もとじ込みにあります。
    今よりもっともっと秘境だったパタゴニア。
    いつか行ってみたい。

  • 椎名さんの著作によく回想されるパタゴニアの風景、それを刻みつけた旅の記録である。しかし、パタゴニアの「でっかい空」の下、筆者の気持ちは精神的危機に陥った東京の妻、渡辺一枝さんの元へ飛びがちだ。サラリーマン生活から一転、34歳から全力疾走を続けてきた来し方、半ば意図的にほったらかしてきた家庭との距離など、不安な内省。ゴリゴリの力押しでバクハツするパタゴニアの自然、気のいいチリの人びととのやり取り、内心の重し、対比がよい。
    椎名さんが「風」のように自由になる、と独立を心に決めたのは27歳のとき、実現して会社を辞めたのは34歳のときだという。

  • 相も変わらずシーナさんの作品を読んだら旅に出たくなりますなあ
    随所に見られる奥さんへの愛に心動かされますなあ

  • 椎名さんってほんとに不思議な人だ。文系的であり、かつ体育会系であり、豪快でありながら繊細であり、極めつきの行動派なのに、不安定な心の持ち主でもある。奥さんを心から愛しているようなのに、おそらく実際のことであろう女性との関わりを本に書いたりする。

    久しぶりにこれを読んだら、あらためてそんなことを思ってしまった。新刊の「ぼくは眠れない」、読もうかな、やめとこうかな…。読むのがつらい内容のような気がするんだけど。

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著者プロフィール

椎名誠(しいな まこと)
1944年、東京生まれの作家。「本の雑誌」初代編集長で、写真家、映画監督としても活躍。『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞を、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。近著に『あやしい探検隊 台湾ニワトリ島乱入』『あやしい探検隊 済州島乱入』『そらをみてますないてます』『国境越え』『にっぽん全国 百年食堂』『三匹のかいじゅう』『ぼくがいま、死について思うこと』『おれたちを笑え! わしらは怪しい雑魚釣り隊』『雨の匂いのする夜に』『おなかがすいたハラペコだ』など多数。
映画監督としては、映画『あひるのうたがきこえてくるよ』で第10回山路ふみ子映画文化賞受賞。映画『白い馬』で日本映画批評家大賞最優秀監督賞、95年度JRA賞馬事文化賞、フランス・ボーヴェ映画祭グランプリ受賞、ポーランド子ども映画祭特別賞をそれぞれ受賞している。

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