西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087481815

感想・レビュー・書評

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  • 奇妙でエタイノシレナイ(と思われている)「カンサイ」を中島らも独特の面白視点で鋭く分析・紹介するエッセイ。その風変わりな(?)文化は、読む者の「カンサイ」理解をより深めてくれます。(笑)
    学生時代に関西出身の後輩(あれっ!会社の後輩から進呈されたのだったかな?どちらかの人、忘れてゴメンナサイ。笑)からとってもオモロイから是非!と薦められて読んだのですが、田舎者の自分には実はいまひとつ・・・。笑うとか、どうこう言う前に、ほぉ~と思うことしきりの話ばかりでした。(笑)

  • なんやしらん
    気持が「むーーっ」としてしまう時に
    中島らもさんの本に
    つい手が出ることがある

    よくありますが
    どこからでも読み始めてください
    の代表の一冊が
    私にとっては中島らもさんです

    家のどこかしこに
    読みかけの「一冊」を置く
    という癖があるのですが

    それらのうちの一冊が
    中島らもさんである確率は
    かなり高いものがあります

    この一冊には
    「ザッツ・オバカンサイ」という
    写真のページがあります
    ほんとうに
    どうでもいい被写体たちなのですが
    その どうでもよさ
    に 癒されます

  • 浪速がよく分かる一冊です。「アイデアはそれ自体では決して金を産まない。営業力と広告力と持続力の三本足で支えてやらなければ立っていかない。そして何より大事なのは、そのアイデアが利便を産む、すなわち”人の助け”になる、ということだろう。」(P74)は参考になります。最終話の「十年目の約束」は、小学校の先生と生徒達の約束を描いたもので、胸が熱くなる内容です。

  • 最初に読んだらもの本!図書館で見つけて15年以上ぶりに再読。
    私の思ってるらもよりもずっとクリアでスマートでクレバーで驚いた。
    年取るほどにテキトーでわがままで空想的に進化していったんだな、と実に感慨深かった。
    泣いちゃそう。

  • 1994年7月第1刷。「カンサイ」にまつわる、中島らものエッセイ。「ナゾのババア喫茶」、続く「古怪」。解説はチチ松村さん。

  • twitterでちょくちょく繰り返される、関西の文化や関西人の特殊性を(何故かコテコテの)関西弁で世界に発信する関西人が沢山現れてトレンド入りする現象を見ては毎度苦々しい羞恥心に苛まれている関西人です。例えば「○○(地名)はホンマの関西人なら○○と略すで」みたいなヤツです。
    そんな気持ちに寄り添ってくれるんじゃないかと期待してこの本を読みましたが、まあ時代が違いました。

    いろんな感想を持ちながら読んでいたのですが、最後のネーポンですべて吹っ飛びました。
    幼い頃の思い出、ビートたけしの番組で面白おかしく紹介されていたお店の初出はこの本だったのですね…
    ネットで検索するとその後の紆余曲折が知れて、なんとも凄い話になったもんだなぁと思いました。
    しかし、ひっそりとやってた町の喫茶店にテレビカメラを持って行って全国に面白おかしく公開することは、病気の人に図々しく話しかける関西人と「土足で踏み込み」具合では全然負けてないと思うのは令和になってからの感覚なんでしょうかね?

    その他

    私は関西の都市部の状態はほぼ震災後しか知らないので、ここに書かれている神戸は今の神戸と同じなんだろうかとか、梅田駅地下の空洞はもう地下街に組み込まれてしまったのだろうかとか考えながら読みました。

    マキビシのタコ焼きとか「踏みお好み焼き」などは『翔んで埼玉』を思い出しました。この本から映画まで何十年も経ってるのに。

    特殊な風俗店の羅列にはウヘェとなりましたが、そのほかは総じては面白かったです。
    蛇足ですが中島らもさんの本は初めて読みました。

  • 休憩書籍。

    らも氏の作品はまだ二作目。「今夜、すべてのバーで」を読んだのはいつだったのだろう…とレビューを掘ると2009年1月まで遡ることになった。

    関西を適度の嫌悪感をもって描きつつ、決して憎めないヤツとして取り扱ってくれている。うん、その気持ちは分かるし、自らもこうしたうまい表現ができる大人になりたい。

    なんて、ええおっさんになってから真面目に考えさせらてるのが変(笑)


    早世した才能に、あらためて合掌。

  •  古い図書室で、おもしろそうな本だなと思って、借りてきました。今は珍しい読書カードが巻末に挿されてあったので「どんな人が読んだのかな?」と思って抜き取って見てみると、若いころのワタシでした。1994年1刷の文庫です。少なくとも読書カードが利用されていた間はこの本を読んだのはワタシだけでした。ほんの好みはそうそう変わらないもののようです。
     中島らもさん、阿刀田さん、星さん。みんな大好きな作家です。らもさんは、ずいぶん前に亡くなってしまいましたが、ぜひもっと読みたい作家さんでした。

  • ほんと、日本て他民族、多文化国家だなと思う。

  • ヒマ潰しには最適だけれど、絶対に車中では読めないムズカシイ本。ヨソモンとして関西に暮らす人間としては、もう、徹頭徹尾「あるある、これ!」で笑いまくってしまうから。

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著者プロフィール

1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞を、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年、転落事故による脳挫傷などのため逝去。享年52。

「2021年 『中島らも曼荼羅コレクション#1 白いメリーさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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