ベルサイユのばら 1 (集英社文庫(コミック版))

著者 :
  • 集英社 (1994年12月1日発売)
3.94
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本棚登録 : 1894
感想 : 295
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087482201

感想・レビュー・書評

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  • 中学の時に「命の次に大切」と言って、友達がそんなにも大事な「ベルばら」を貸してくれて読んだ。
    それ以来だからウン十年ぶり。

    最近、自分の中で中世ヨーロッパ王室のブームが来ているので、マリーアントワネットについてもだいぶ色々読んでいる。
    その一環として図書館で借りた。
    (表紙はこれ↑とは違い、シンプルに白地に薔薇の絵で、私はその方が好き)
    基本的にマンガは蔵書として持たない図書館が所蔵してくれているのだから、お墨付きなマンガといったところか。

    そもそも何巻(の構成)だったのかも、詳しい内容も忘れていたのだが、それでもルイ16世が錠前作りが趣味だとか、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンだけフルネームで言えるとか、その他結構いろんなことを、ウン十年前に読んだ時以来ずーっと覚えていたくらいだから、ベルばらがあの頃の中学生に与えたインパクトがいかに大きかったことか。

    読んでみると、「ザ・昭和」感が満載なことには驚いたが、それでもやっぱり楽しい。

  • 藤本ひとみさんを読むとベルばらも読みたくなる
    フランスどっぷりの大好きな流れ♡

    ベルサイユ宮殿、ハプスブルク家、ブルボン家。
    史実と重なり合いながら展開していく話は
    何度読んでもぐいぐい惹き込まれる。

    モデルがいるぐらいではなく、オスカルは
    本当にいたんじゃないかと思うほど生き生きと魅力的♡

    肖像画の中で一番ぐらいに大好きな
    ポリニャック婦人。でも悪女すぎる[´iωi`]

  • ベルばらがマーガレットに連載されたのは72年、当時池田理代子は20代半ば。60年代後半に水野英子が少女漫画の水準を飛躍的に高め、70年代に入ると24年組が傑作を続々と発表。本作もそこらへんの表現技法を継いでいるが、これだけ骨太の歴史漫画があっと言う間に登場したのが驚きだ。

    文庫版の第一巻は、マリー・アントワネットがマリア・テレジアの下を離れてパリに送られ、ルイ15世の死によって王妃に戴冠、放蕩の限りを尽くす、というあたりまで。

    この漫画のメインの読者層はアントワネットに感情移入しただろう。王族の気高さと同時に天真爛漫さで周囲の人々を引き付ける魅力の持ち主。国家予算を傾かせてしまうほどの贅を享受しながら、フェルゼンのようなイケメンからも愛されてしまう。この子の目線に合わせれば、世界は思うがまま。

    しかしここには様々な伏線も張られている。アントワネットに取り入ろうとする者たち、下層階級で虐げられるものたち。義に忠実であろうとするがゆえに煙たがられる者たち。彼らもまた少女漫画の枠には入りきらないリアリティで描かれている。

    特に街角で盗みを働いた子供が貴族に銃で撃たれる場面の飛び散る血しぶきなどは少女漫画の表現水準を超えている。ここらへんから、若き池田が並みならぬ決意で本作に取り組んでいたことがうかがえる。

    マリー・アントワネットは処刑されるはずだが、感情移入していた主人公が無残に殺されるなどという話は、当時の少女漫画の読者には前代未聞であったに違いない。後続巻でそこらへんがどう描かれるか。

  •  言わずと知れた仏革命を題材にした宮廷絵巻少女漫画。

     のっけから王太子妃たる少女アントワネットと現国王の愛人デュ・バリー夫人との苛めに擬せられような確執を描き、少女マンガらしいスタートである。
     ところが、ベルサイユでの孤独に苛まれるアントワネットの心の隙間に、同年の貴公子フェルゼン伯、狡猾なポリニャック伯夫人が入り込んでいく。それが無知無垢な少女を、悪政敷く女王に変貌させていく展開は実に心憎い。

     かつ、貴族の庶民への重圧の挿話を其処彼処で挟みつつ、斬首への道程をそれと知らず歩むアントワネットの姿が哀れにも滑稽にも見える。

     そう、本作は実はアントワネットの物語なのだろうと感じさせる序盤だ。オスカルを軸に展開させようとするアニメーション版とは一味違う物語を楽しめそうである。

     なお、庶民に身をやつしている貴族の子弟ジャンヌとロザリーの姉妹の造形が秀逸だ。
     1994年(底本1976年)刊行。

  • 2015年3月17日読了。フランス皇太子ルイ16世のもとに14歳で嫁いだオーストリア王女のマリー・アントワネット、その近衛兵隊長の男装の麗人・オスカルや、その
    馬丁アンドレ、スウェーデンの伯爵フェルゼンらの運命が、革命前のフランスで交錯する。漠然と「宝塚のイメージ」しか持っておらず筋もよく知らなかった漫画だが、現代にいたるまで愛される物語だけあり歴史ドラマとしても、激動のシチュエーションの中で愛憎をいだく男女のドラマとしても読み応えがあり、面白い。林真理子の解説もさすが。

  • 超有名な作品を今更ながら、初めて読んでみている。
    マリーアントワネットがウィーンを出発するところから、
    王妃になっていく過程までを描いてあって、
    ハプスブルクとブルボンの歴史を振り返りながら
    読んでみると、とても面白い。
    なぜ、マリーアントワネットがマリーアントワネットに
    なったのか、1巻を読んでいるだけでもどんどんと
    はまってしまいそうでもある。

  •  いわずと知れた名作。
     今さら説明もいらないと思いますが、私は初めて読んだので、ちょっと感想を書き留めておきたいと思います。

     この話は、マリー・アントワネットが十四歳でフランスに嫁ぐ直前から、嫁いでからの話。
     アントワネットがフランスに嫁ぐと、あっという間にフランスの国王が亡くなって、アントワネットの旦那が国王になってしまう。
     すると、アントワネットのやりたい放題が始まって、フランスは革命への道を転がり落ち始める……

     というのが、私のこの物語に対する認識でした。
     でもよく考えたら、アントワネットが嫁いだのって十四歳なんですよねって思ったら、この話が急にラブロマンスじゃなくて、胸の痛い話になってしまいました。
     だって、十四歳って今でいう中学生なんですよね。
     もちろん、今とは平均寿命が全然違うと思うので、感覚的には中学生よりももうちょっと上の感覚だと思うんですけど。
     それでもまだまだ十分に「子ども」と言ってもおかしくない年齢だと思うし、そんな子供が誰にでもいうことを聞いてもらえる地位に急についちゃって、しかも叱ってくれる人が誰もいない環境になっちゃったらついつい勘違いもしたくなるよね。
     自分が十四歳の時を思い返してみても、そう思わない保証はどこにもないです。

     そう思ったらちょっとアントワネットがかわいそうになってしまいました。

  • あまりにも有名なので説明不要ですね。
    私は子供の頃は表面的な華やかさに目が行ってしまったのですが、社会人になると、権威的な上司と反抗的な部下に挟まれる中間管理職の女性としての苦悩と掴みとったものが凄いです。いや、私は絶対ムリ、半日で逃げ出すわ ´△`)


    歴史的下調べもばっちりで、これを読んだ後は史実が知りたくなり調べまくったものでした。

  • 「1770年春。オーストリア帝国・ハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネットは14歳でフランスのブルボン家に嫁いできた。王太子妃を護衛するのは近衛士官オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。彼女は由緒ある将軍家の末娘でありながら、後継ぎとして剣も学問も修め、軍人として育てられた男装の麗人だった。異国の宮廷で孤独をつのらせるアントワネットはパリ・オペラ座の仮面舞踏会でスウェーデンの貴公子フェルゼン伯爵と知り合い恋におちる。3人は共に18歳。運命の出会いの夜だった。」

  • 記録

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著者プロフィール

1947年12月18日大阪市生まれ。
東京教育大学(現・筑波大学)文学部哲学科在学中より漫画を描き始め、1972年から連載を始めた代表作『ベルサイユのばら』は空前のヒットを記録し、宝塚歌劇団の舞台でも上演されるなど、漫画の枠を超え幅広い層に永く愛される。
現在は活動の幅を広げ、劇画家、声楽家としても活躍の幅を広げている。

主な作品
『ベルサイユのばら』
『オルフェイスの窓』
『女帝エカテリーナ』
『天の涯まで-ポーランド秘話-』
『栄光のナポレオン-エロイカ-』
『おにいさまへ…』

「2013年 『聖徳太子(7) <完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池田理代子の作品

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