ベルサイユのばら 5 (集英社文庫(コミック版))

著者 :
  • 集英社 (1994年12月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087482249

感想・レビュー・書評

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  • バスティーユの陥落の元に、願い続けてきた
    自由、平等、友愛が人類に永遠にもたらされることを
    祈りながらアンドレの元へ旅立つオスカル。

    天真爛漫で、無邪気にして人を魅了しながらも
    学ぶことを怠り、いつまでも無知でいることの
    罪に気づくのが遅かったマリーの悲しい末路。

    栄華の元に集まっていた心なき人たちは
    波のようにマリーの元から去り、哀しみと失意の中
    本当の愛に巡り合う。
    本当の姉妹のようだったエリザベスとマリー
    との間に流れた穏やかで優しい時間が
    もっと知りたいと再読で更に興味が。
    知らずのうちに周りに与えた苦しみを悔い、
    断頭に消えていったマリーの人生。

    教養さえあれば、優しさがいろいろな面を
    カバーできただろうと思われるだけに
    マリーの環境の不運もとても切ない。

  • た…
    隊長!
    バスティーユの上に
    し…白旗が…!!

    これを見て死ぬ漫画版は、しっかりと自分の意思で行動する人。
    アニメ版は最後の出撃の決定を夫であるアンドレに任せたり(非貴族にまかせたかったのかも)、とやや「女」が強調される。

    しかしこんなに胸の痛い最終コマがあるだろうか。


    外伝。黒衣の伯爵夫人。
    エリザベート・バートリっぽいレズ。

  • こんなにあっけなく5巻の初めの方でオスカルが死んでしまうとは思わなかった。
    バスチーユ陥落と共に。

    テュイルリー宮殿からの逃亡(ヴァレンヌ逃亡)の6〜7ページ分だけ急に絵の描き方や雰囲気が変わっているような印象を受けた。
    そこだけは、まるで別の人が描いたかのように。
    私は人生で漫画はあまり読んでこなかった方なので的外れな感想なのかもしれないけれど、逆に漫画のど素人だからこそ抱く違和感かもしれない。

    怖い番外編…なんとなくこんなお話も載っていたことを思い出す。

  • 2015年3月18日読了。革命の中、国軍の銃弾に倒れたアンドレとオスカル。愛するマリー・アントワネットを助けようとするフェルゼンの奮闘の結果は。史実なので物語はこの結末になるしかないのだが、それでもとても寂しい気がしてしまう…。「平民による、腐敗した政府の打倒」とはその通りではあるのだが、平民側にも階層はあるし革命によって利益を受けるもの・失うもの色々ある、王族・貴族にも家族や守るべきものがあったのだよなあ…。巻末の外伝ストーリーは甚だ蛇足な気もするのだが、ファンにとってはありし日のオスカルやアンドレの勇姿を見られるだけでもうれしいものか?

  • 「フランス人民は自由、平等、友愛を旗印に雄々しく立ち上がり、革命の焔は全土に燃え広がっていく。オスカルは衛兵隊を民衆側につけ、国王軍と闘う決心をする。激しい戦闘のさなか、アンドレが、次いでオスカルが銃弾に倒れた。1789年7月14日。バスティーユ陥落。民衆の勝利の歓声のなかでオスカルは静かに息絶えた。革命軍は、ベルサイユから国王一家をパリに移し監禁した。幽閉された王妃アントワネットの前にフェルゼンが現れた。革命の嵐の中で一瞬の生を悔いなく生きた恋人たちの物語。」

  • どこかの巻での解説で、「オスカル様が死んでからのベルサイユのばらは見れない」というようなエピソードがあったように思いますが、それも納得するほどの喪失感がありました。
    オスカルというヒーローかつヒロインの死というのはなんとも言葉に尽くしがたい存在だったんだなぁと改めて思います。
    オスカルの死が美しいのは最期の最期に想い願ったのは最愛の夫であるアンドレのことと祖国であるフランスのことであり、どちらもオスカルにとってとても大切で誇りに思っていたことを胸に抱きながら死んでいったというところだと思います。
    もちろん私の涙腺は崩壊していました。
    その後のマリーアントワネットの部分は正直あまり読む気力がなかったのですが、それでもギロチンの前に立つマリーアントワネットの表情のすごみ、少女から凛とした女王としての女性の顔になっていて、やっぱり漫画家さんはプロだなぁと思わされます。
    もちろん今の漫画の方が画力的には発達していると思います。
    後半はそうでもありませんでしたが、第一巻に出てくる登場人物が着ている服にほとんどしわが描かれていなく、なんとなくのっぺりとした印象がぬぐいきれていませんでした。
    しかし、表情という一点突破においては愛らしい表情、苦悩する表情、涙、そして覚悟の表情と多彩な表現が見られました。
    その表情に私たちは感情移入し、そして同時に歴史をも学んでいくという素晴らしい漫画でした。

  • 今まで物語はオスカルにとっての革命でしたが、ここからアントワネットにとっての革命も描かれます。
    アントワネットやルイ16世、フェルゼンの覚悟や決意を目の当たりにし、その魅力を再確認できるようなお話です。
    読み終えたあとには、そうかこれは愛の物語だったのだと気が付きました

  • 読み始めてからだいぶ時間がかかってしまったけど、ようやく読了。フランス革命の様子が手軽に味わえて、世界史のお勉強的観点ではそれなりに有用かも。でも漫画そのものとしては、多数のファンがいることも十分承知の上で、個人的な印象として古臭さが強かったです。あと、こういうキラキラの世界観も苦手で… 読み返すことは恐らくないと思います。

  •  

  •  死せるアンドレはオスカルに死に場所を探させる。この本巻初っ端の描写から見ると、前巻ラストで彼女の人生は終幕していたのだろう。儚さ一杯ながら、オスカルは死を諾々と受容している感が強い。正面切って幸せだったとまで言わないが、彼女は満足していたのではないだろうか。◇一方、アントワネット。いくら綺麗な部分を見せられても、また、女性、あるいは女王としての矜持を見せられても、結局は、母マリア・テレジアとは違い、全力で政治をしなかった故に、民衆の離反を招いた。そういう人物に感情移入することは難しい。が、歴史の描写。
    その変転流転する中で、アントワネットが果たした意味(特にアントワネットの政治が革命の実行要因だった可能性、革命の帰結としての共和制概念と現実の共和政成立)を考えると、現代日本の各種制度の淵源としてのフランス革命への感慨を深くする。

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著者プロフィール

1947年12月18日大阪市生まれ。
東京教育大学(現・筑波大学)文学部哲学科在学中より漫画を描き始め、1972年から連載を始めた代表作『ベルサイユのばら』は空前のヒットを記録し、宝塚歌劇団の舞台でも上演されるなど、漫画の枠を超え幅広い層に永く愛される。
現在は活動の幅を広げ、劇画家、声楽家としても活躍の幅を広げている。

主な作品
『ベルサイユのばら』
『オルフェイスの窓』
『女帝エカテリーナ』
『天の涯まで-ポーランド秘話-』
『栄光のナポレオン-エロイカ-』
『おにいさまへ…』

「2013年 『聖徳太子(7) <完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池田理代子の作品

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