スペイン断章 (上) (集英社文庫)

  • 集英社 (1996年1月19日発売)
3.08
  • (0)
  • (1)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 50
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784087484205

作品紹介・あらすじ

歴史は読むものではなく見るものである―。スペインに魅せられ、彼の地に長く滞在した著者が、イベリア半島に今も残る数かずの遺跡を訪ね、人間とその歴史を深く見つめる。(解説・南條彰宏)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤを愛し、スペインに暮らすことをえらんだ著者が、スペインの各地をめぐりつつ、その歴史についての所感をつづったエッセイです。

    「歴史というものは読むものなのではなくて見るものなのであることをこの国で私は教えられ、経験させられた」と述べる著者は、歴史を知るためにスペインの各地に足を運び、その地から歴史の諸断面についての考察を展開していきます。

    ただし歴史を「見る」といっても、歴史的な事件の痕跡を示す文物が、当地において目にすることができるということを意味しません。たとえば、ラス・カサスが「新大陸」の先住民に対しておこなわれた残虐行為を告発する文章を引きながら、著者は「スペイン帝国主義、植民地主義の発祥の地」である広場の人びとをながめながら、歴史上の事件とのかかわりを示す痕跡の不在に直面して、両者にどのようなかかわりがあるか、「それは私自身にも説明がつかない」と率直に語ります。そして、こうした現場が、文学的想像力をたずさえた作家にとって歴史を「見る」ことのスタート地点になりうることを鮮明に示しています。

  • 堀田善衛、透徹という言葉がよく似合う。
    彼の意識のスタート地点には太平洋戦争にいたった<日本>への戸惑いが見え隠れする。個人をすりつぶす社会への猜疑の持ち主なのに、あまりネガティブなことは言わないし書かない。卓越したリアリストなのだろう。

全2件中 1 - 2件を表示

堀田善衛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×