源氏物語 1 円地文子の (わたしの古典シリーズ) (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087484311

作品紹介・あらすじ

紫式部の筆になる『源氏物語』は、光源氏の物語といってもいい。類いまれなる美貌と才能にめぐまれた光源氏は、古来、日本を代表する美男として、あまりにも有名である。帝の愛子として、誕生から成婚までの「桐壼」の巻から、空蝉に再会する「蓬生・関屋」の巻までを収録。起伏に富んだ光源氏の青春時代の明暗を描いて、現代語訳に生涯を賭けた著者の精髄ここに結実。

感想・レビュー・書評

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  • 11月14日 円地忌あるいは文子忌
    円地文子さんの源氏物語を読ませていただく。
    昭和42年から5年以上かけて、源氏物語口語訳に取り組み10巻の単行本としてまとめる。それを、若い人向けに3巻に凝縮。しかも前書きで知るところによると、先の口語訳で眼を患い、この完結版は口述でされたという。
    若い方が入りやすいというコンセプトなので、必要充分な内容でストーリーを追いやすい。多少テキスト的な雰囲気はありますが、忘却防止用にも活用できます。
    巻一は、桐壺から関谷までが収められています。各帖の表紙には要約が準備されていました。

    先月の歌舞伎座で「夕顔」を観覧してきました。源氏と夕顔の逢瀬の場が、煌びやかな清涼殿とされており、その華やかさに圧倒されましたが、やはり、夕顔には廃院の方がしっくりきます。
    久しぶりに通読を目指します。

  • 『源氏物語』の現代語訳をおこなった著者が、若い人に向けてあらためて『源氏』のストーリーを語りなおした本です。

    原作から当時の儀式・行事・宴などの情景描写を省いて読みやすくし、なおかつ全体のストーリーを味わえるように工夫がほどこされています。

    第1巻では、源氏の誕生する「桐壺」から、不遇な須磨・明石の生活を経て、京に返り咲き懐かしい人びとと再会する「関屋」までを収録しています。

  • 源氏物語は高校時代の古典と「あさきゆめみし」で読んだ程度の私。百人一首好きということもあり、和歌を読みたい気持ちから、ふと手にとってみました。
    原典をそのまま訳すのではなく、章(必ずしも原典の巻分けと一致してるわけではない)ごとに最初にあらすじをまとめてあり、本文では原典を訳しながらも物語として現代の私たちにも違和感ないように編集してある。
    一巻は、光源氏の両親の出合いから、源氏が明石から戻り、権力も戻り、秋好中宮を入内させ、末摘花・空蝉と再会したところまで。
    あさき〜の印象とは大きくは変わらないが、花散里の印象だけは、少しちがっていた。漫画では伝わらなかった部分が伝わってきた感じがする。
    原作は、ほとんど外出できず一生を終える姫達に向けて書かれたため、祭や歌合わせ等行事の記述がとても詳しく、分量があるそうだが、この本では割愛されて読みやすくなっていると解説にあった。なるほど。

  • 3冊全部読んだ。最高に読みやすい。

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著者プロフィール

円地文子

一九〇五(明治三十八)年東京生まれ。小説家、劇作家。国語学者・上田万年の次女。日本女子大附属高等女学校中退。豊かな古典の教養をもとに女性の執念や業を描いた。主な作品に『女坂』(野間文芸賞)、自伝的三部作『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』(谷崎潤一郎賞)、『なまみこ物語』(女流文学賞)、『遊魂』(日本文学大賞)など。また『源氏物語』の現代語訳でも知られる。八五(昭和六十)年文化勲章受章。八六年没。

「2022年 『食卓のない家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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