あくむ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087485073

感想・レビュー・書評

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  • 「感覚」が裏テーマにあるような気がした。

    収録されている五編にまつわる五感は、順に
    1話目 聴覚
    2話目 視覚
    3話目 味覚
    4話目 触覚
    5話目 今イチぼかされている。「悪夢」の総集編とでもいったところか?

    と、「嗅覚」だけが欠如している。
    確かに夢の中で匂いを感じた覚えはない。
    匂いは、感覚の中で感じるのが一番早いらしい。
    主人公達は、「あくむ」に気づけないまま、迷いこんでしまったのだろう。

  • どれもブラックユーモアの溢れる5つの短編集。1話目は盗聴の話。読んでいるこちらまで盗聴していて悪いことをしている気持ちになり、そして結末は、この本のタイトル通り悪夢のような結末。2話目は気がつくと病院のベッド。何も見えず手も足も動かず。医師からは失明し、両腕も複雑骨折をしているという。これは本当のことか?3話目は吸血鬼。どこからが夢でどこからが現実か不思議な話。4話目は体の中を這い回る謎の虫との格闘。そして最後は、自分の見た夢が他人の運命を予言している話。どれも設定はユニークなのですが、結末はフワッとしていて後味の良くないものが多く、これもまた井上さんらしいなぁという作品でした。

  • 久しぶりにちょっと怖くてちょっと不思議な話が読みたくて購入。
    どの作品もなんとなく読んだような気がする。
    初版は1996年。うーん、たぶん読んだことあるんだな。

  • 古臭さとオチの弱さが自分には合わなかった。

  • ホラーと銘打たれているが、ほとんどの作品には一応合理的なオチがつく。発売当時ならともかく、今となっては目新しいネタは一つもないが、それでもしっかり嫌な気分を味わえるのは作者の筆力なのだろう。少し時代がかった一人称は90年代のオカルトブームを彷彿とさせてムード満点だ。現実から怪異へとシームレスに移行していくので、やり直しの起点が見つからないことも、不安と無力感を煽る。一番好きなのはやや変化球の「ゴールデン・ケージ」かな。◯◯◯妄想って実在するんだよね。

  • 岡嶋二人は読んだことあったけど、バラバラになってから初めて読みました。名前、変えるの反則だよねぇ、、、

    わからなくなるもんね。カッコ元岡嶋二人とか書いておいてほしいわぁ。笑笑

    そこで面白い面白くない、好き嫌いの判断結構でいるんだよなぁ。いや、岡嶋二人嫌いじゃないからいいんだけど、たまーにつまんない本読まされて、前回もつまんないやつだったー!!!!って思ったら名前変えたとか、そういうのやめてほしいなぁと、思う読者1です。

    さて、このあくむ。

    ホントに悪夢だったわ。

    私一番これヤダなぁ、ヤダなぁ、ホントヤダなぁって言うのが、皮膚の下に寄生された虫の話。

    卵を産み付けられて、皮膚の下で繁殖していって幼虫が、、、っていう。

    まさに、悪夢。

    人殺しとか、そういうこも怖いけど、このどうしようもない自体も結構怖いよね。

    皮膚の下の虫とか。卵とか。とってもとっても出てくるとか。

    あーーーーーー悪夢だわ。もう悪夢だわ。これは悪夢だわ。やだわ。ホントやだわ。やってくれるなぁ。ホント。

    っていう短編です。臨場感。いらないよ。ホントいらないよ。出るよ、夢に出るよ。

  • 一応分類としてはホラー短編集になるのでしょうか。まさしく「あくむ」という題名がぴったりの5つの話が入っています。さらさらっと読むつもりがどれもみんな濃くて、同じようなテイストになってもおかしくないはずなのにそれぞれが全く違った読後感を運んでくるのに驚きました。「ブラックライト」にガツンとやられたのですが、後半に行くにつれてさらにインパクトは強くなり、特に「ゴールデンゲージ」の救いのなさには愕然としました。「インビジブルドリーム」はこのあとどうなるんですか?嫌ー!って感じなのですが。

  • おかしな人の話。

    おかしな人ってのは、俯瞰している状態では、面白いけど、あまり近寄って見てしまうと、辛くなってしまうのかもしれません。

    元気があるときには、とても楽しく読めるかもしれませんが、疲れているときには、憂鬱になってしまう。そんなこともあるかもしれません。

  • 夢にまつわる短編集。“あくむ”というタイトルが付いたお話はありませんが
    いずれも夢うつつ、悪い夢を見ていたら現実のものだった、という感じか。
    暗い内容ですが読みやすかったです。

  • 2017年10月12日読了。
    2017年75冊目。

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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