分身 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087485196

作品紹介・あらすじ

函館市生まれの氏家鞠子は18歳。札幌の大学に通っている。最近、自分にそっくりな女性がテレビ出演していたと聞いた-。小林双葉は東京の女子大生で20歳。アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か?現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。

感想・レビュー・書評

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  • そっくりな2人の出生の秘密を知った時に、現実でありそうな奇妙さがあり、何とも言えない気持ちになった。

  • 鞠子の章、双葉の章で交互に話が進んでいくのが
    シーンの切り替わりが読んでて面白かった。

    1996年の本を2024年に初めて読んだが
    今の技術なら本当に実現出来るのでは?と思ってしまう。

    この本は今は亡き母が昔読んでた本を
    貰って読み終えたわけだが…
    最後のページに

    98.5.1(土)と手書きで書いてあり
    この日をなんとなく調べたところ

    98.5.1(金)なのだが…

    本編とは関係ないところに
    最後のミステリー

  • 愛されている人からの手紙やラストの初対面は感動したが、それまでに登場した人物たちとのその後が全くなくモヤモヤする…

  • この本は、鞠子の章と双葉の章が交互に書かれている。二、三の章で二人が何か関係があることに気づく。そこからハラハラの展開が続く。東野圭吾らしい読者を飽きさせない展開が次から次へと繋がっていく。
    二人の悲しくも本人たちにとって耐え難い誕生の秘密。二人はこれからどんな人生を歩むのだろうか。現実の世界ではないのに、応援したいと思うのは。

  • 『分身』(ぶんしん)は、東野圭吾の推理小説。1993年9月に集英社より刊行され、1996年9月に集英社文庫より文庫本が出版された。2012年にWOWOWでテレビドラマ化され放送された。
    (Wikipediaより引用)

    ★結末の先は読者に委ねるという作品だと感じた。
    鞠子と双葉はラベンダー畑で会うシーンは、自分の利益や名誉の為に、禁断の領域と知りながら足を踏み入れる人間(氏家清、藤村、助手等)に対する作者の静かな怒りが表現されていると考えられた。
    未知との出会いみたいな─
    (解説─物語の趣向についてより一部引用)

    ★アンが親友のダイアナから貰ったカードの詩を紹介するシーン
    『私があなたを愛するように
    あなたも私を愛するならば
    わたしら2人をひきさくものは
    死よりほかには何もない。』
    ・東野氏の『手紙』でもイマジンが小説の中の最重要キーワードである様に、『分身』でも〝赤毛のアン〟は鞠子にとって重要な役割を果たしていた。
    ・更に、そこに父であった氏家清の告白が書かれてあったのも感動

    ☆解説も含めて☆
    解説を読むと、理系出身であった東野氏の意思が強く現れている作品であることに変わりないと思った。
    20年以上前に書かれた作品でありながら、現代でも通じる様なストーリー_流石。

    私も理系学生として、何かを生み出す前にマイナス面をないがしろにせずどう向き合うかを考えていくのも〝作り出す側〟の責任だと思った。


  • もう何年も前に読んだ作品だけど、2人が出会うあのシーンの衝撃は今も忘れられない。

  • 鞠子と双葉はクローンであった。
    クローンは家畜などの面ではいい面もあるが、実際人間に適用するとどうなるかという一例が見れた物語だと思う。

    クローンを造られた側の人間、それによって生まれた人間。どちらも悲しみに暮れる。自分の生まれたルーツをなかったものにされることは誰だって、存在意義を否定されたも同然である。彼女らを育てた母親達も、全く血が繋がっていないが、ちゃんと愛情深く育てたことには敬意を払う。母性とはそういうものなのかなと思った。

    クローンは人の心をぐちゃぐちゃにしてしまうものだなと思った。

  • 双葉の母のが事件を起こしたその日、双葉を思い彼女自身が生かした事実が温かくもあり切ない気持ちになった

    今後は2人でどうか幸せに生きてほしい

  • 大人の都合に翻弄された2人の少女の物語でした。双葉が「ママを殺したのはみんななんだ」と言うシーンがあるが、ママを殺したのはママ自身ではないか?中絶することに同意したのにも関わらず妊娠が進むにつれてやっぱ産んで、あの態度じゃあ殺されても文句言えないのでは?あと、晶子が可哀想だった。不妊治療で摘出された卵子を氏家清や双葉ママとかいう奴が自分勝手な理由で使い、クローンを作ってそのクローンに「認知して」って感じで来られても知ったこっちゃないよね。可もなく不可ややありの物語でした。

  • 科学vs倫理
    2人の登場人物の主観で交互に語られ、徐々に謎が解けていく過程は当事者のようで読んでいて面白かった。
    また実際に人に対してクローン技術が使われたら、この物語のように苦しむ人が生まれてしまうのではないかと感じた。

    やはり血は繋がってなくも母親は母親なんだなと読み終わって感じた。

  • 2024/03/01
    東野圭吾作品を久々に。きっかけは知り合いの方が面白いから読んでみた方がいいと薦めてくれたからです。
    一見何の接点もない主人公の2人、小林双葉と氏家鞠子。
    小林双葉は大学の友人とバンドを組み、氏家鞠子はごくごく普通の家庭で生活を送ってたのだが、小林双葉のバンドがテレビ出演することになったことがきっかけで、さまざまなことが急激に動き出すようになる。
    また、氏家鞠子の方も、母親が挙動不審になり突然の焼身自殺を図るのだが、このことに関して父は何か事情を知っていながら隠しているようなそぶりを見せる。
    それぞれの2人が自分たちの知りたいことを求めていく過程で、2人の接点や、そこに絡むいろいろな思惑が明らかになっていくのが次の展開を読ませたくなるような構成になっています。

  • ちょっと古い内容だなあと思って読み進めると、結構前に出された小説なんだなあと

  • はじめね一節から面白い。ここからどんなドラマが巻き起こるのか期待大でした!色々予測しながら読んでしまいますが、よみとは違う部分もあったり当たりもあったりと楽しいひと時でした。ラストの締めも情景が目の前に…。やっぱ面白いよね東野圭吾作品!

  • 設定が面白い
    すき

  • 自分と全く同じ人間が何処かに存在していることを認知した女子大学生2人が出生の真相に迫る物語。
    育ちも住んでるところも違い、お互いを知らない鞠子と双葉それぞれの視点での章が交互に細かく繰り返されていく構成が印象的。助っ人がかなり強い。

    北海道(函館札幌旭川富良野)と東京を何度も行き来するので、北海道民にとってはハッキリとそれぞれの場所の想像がつくという面白さもありました。

    医学や権力などに翻弄された主人公2人が、真実とともに家族の愛を求める描写とラストシーンの情景が何とも切なかったです。

  • 函館市生まれの氏家鞠子、東京生まれの小林双葉、それぞれ生い立ちも性格も違う二人だが、姿形は瓜二つだった。全く違った地で別々に育ったこの二人に隠された出生の秘密とは一体何なのか?
    あまりこれまで読んだ事の無い設定でとても興味深く読みました。今後科学が発達していくとこういう事態も起こるのでしょうか。
    二人に、迫り来る危険に最後まではらはらしながら読んでいました。

  • 1990年代にここまでの最先端医療をテーマにする東野圭吾さんってほんとどんなこと考えて日々を過ごしているのか聞いてみたい。
    親子の形が多様化してきた現代において、遺伝子か出産か育児か、何が親子たらしめるのかは一意ではない。

    むしろ愛されていたのか、この一点が子どもにとって親に必要なことであり、長年母親に愛されていなかったと思っていた鞠子が最後に気付けた瞬間は救われたんだと思う。

  • 自分とまったく同じ容姿をした人がいる!?
    2人の主人公の双葉と鞠子はお互いの存在が近づくにつれ大きな事件に巻き込まれていく。
    オモロイ!

  • 1日で読破した
    結構しんどめなお話。2人にはどうか幸せな日々を送ってほしい、

  • だいぶ前に読んでいたのを忘れ、改めて読了。

    出版当時はまだクローン技術や体外受精などはあまり世の中に出ていなかったので、より新鮮味があったんだろうなぁ。

    天空の蜂でもそうだったが、東野圭吾の先見の明は凄い。

  • 久し振りに著者の本を読んだ。ある意味、ちょっと醒めた動機と覚悟の上で。
    というのも、ぼくはかつてかなりの著者のファンだった。ひと頃は、新作が文庫化される度に必ず買い求めて読み漁った時期もあった。大好きな作者の一人だったわけだ。
    ところが、そのうちに熱が醒めた。飽きた、と云っても大差ない。特にここ4-5年の新作は、読み始めて間もなくすぐに後悔が始まり、読み終えるころには軽い失望も味わうほどに。
    約30年前に書かれた本作も、残念ながら例外に非ず。
    期待通り、次のページを捲る手は止まらない。相変わらず読ませる力はある。その意味で、ある一定時間「読書に耽る」ことを託す点では必ず期待に応えてくれる。そしてそれこそが、今回久しぶりに彼の本を手にした動機のひとつなのだ。
    そしてもう一つ。
    読みながら徐々に確信へと変わる落胆、失望。それを味わう覚悟を以て読んだのだ。
    これは何と譬えれば良いのだろう?
    もし料理や食事に譬えるのであれば、著者の本は、ぼくにとってはもはや、斬新な発想や意外な展開で驚きや感動を与えてくれる、独創的な創意工夫に満ちたコース料理ではあり得ない。でも、奇抜さや特別な印象は無い代わりに、無難に美味しく栄養バランスの取れた定番の定食のようなもの。
    そう。2₋3時間を無難に過ごす定食のような読書にこそ相応しい。そんな感じ。

  • 圭吾やっぱおもろいよね

  • 長編なのにするする読めたけど気味が悪かった

  • 自分がもう一人いる。タブー視されているクローン技術の発展。複雑な構成でありながらどんどん読ませる手法はさすが東野さん。面白かった。

  • 長編ヒューマンミステリー。内容の割に長すぎて読み疲れた。結末は意外性がなく少し期待はずれだった。クローンや体外受精など専門的な題材を扱っているがわかりやすく読み易さを感じるのは東野圭吾作品の特徴だろう。

  • ナミヤ雑貨店がハマらなくて、暫くぶりに東野圭吾を読んだが、これは最高に好みの作品だった。
    終わり方も綺麗だし、テンポも良くてページをめくる手が止まらなかった。

  • 互いに引き離され別々の世界で生きていても、導かれるように引き合っていく2人の主人公。その過程で見えていく、自分と分身とを繋ぐ秘密。

    面白くて読むてが止まらなかったです。

  • 面白かった。
    幸せになってほしい。

  • 自分がクローンであり、血の繋がらない育ての母から最後は愛されたのは予想できた。
    ただ、クローンのもととなる人は本当の母のようなものなのに愛されず自分の若い戻れない分身を見たことで老いを感じるから愛されないという考えは予想出来なかった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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