怪しい隣人 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087487671

感想・レビュー・書評

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  • 短編集なんですが、どれも人間の黒い部分を見せられたような気分になります。一見弱い立場にある人が実は一番怖かったっていうパターンが多いかな。あっという間に読み終えました。

    「隣の他人」っていうのも良かったですね。
    不倫相手が乗ってきたベンツのトランクに死体が入っていて、逃げたいのに今度は妻まで乗り込んできて…。

    昔死体をバラバラにするのはかえって冷静な判断をしているからなんだと聞いた事がありますが、それと同じくらい冷やかに物語を読みました。

    あー、こんな話とは全く縁のない穏やかな人生を送りたいものです。

  • どこにでもいるような人々の悪意がちりばめられた本です。

    亡くなった親友の奥さんに同情し、彼女の面倒をみる男性。
    それが明らかに過剰な親切に変わった時に起こる恐怖。(妻と未亡人)

    厳しい言い方だけど、これは自業自得と言える話。
    合理的で、しっかりした女性だからと言って、夫の浮気に何も思わない人はいないから・・・。

    家鳴りして崩れてゆく家。
    夫の恩人を通して紹介された地元業者に改築を頼むも、いつまでもその業者はやってこない。
    そこには過去のある出来事が関係して-。(家鳴り)

    何気なく言った事が、言われた方には終生忘れられない言葉だったりして・・・。
    その事に全く関係のない嫁が被害に合うというのが可哀相だと思いました。

    家にいるのが好きな一人暮らしの老女が主人公。
    ある日、彼女は外交的な親友ととげぬき地蔵を見に行き、一人のお金持ちの老人と出会う。
    親友は主人公と老人をくっつけようとするが、主人公は乗り気でない。
    そこに主人公が信用している介護婦の独りよがりな思いが暴走して-。(終の道づれ)

    この話、老女二人の思い出の品のお守りが最後にふっと文中に出た時、胸がつまるような思いになりました。

    両親を亡くし、結婚に失敗して一人になった女性は、嫁不足の田舎の男性と結婚しようとお見合パーティーに参加する。
    そこで素敵な若者と出会い結婚する事になった彼女。
    彼は過去に結婚した過去があり、前の奥さんは結婚後すぐに亡くなっていた。
    田舎で暮らす前に、東京で3ケ月の都会暮らしを楽しむ二人だったが-。(寺田家の花嫁)

    これは怖い!
    正に寄生虫!

    全6話の恐いお話。
    さまざまな悪意の形を見られます。

  • ★購入済み★
    読了日不明

  • 面白い。イヤミス。本当に嫌な気持ち!本当に読後感最悪!救いない。でもそれがいい。読んだあと数日、色んなこと考える……

  • 最近小池真理子さんの本にハマってて、これも一気読みした。
    「寺田家の花嫁」が一番面白かったかも。
    え?そう来る???ってなって衝撃的な展開だった。

  • 妻と未亡人は主人公が散々。
    なんとなく展開は読めるが最後妻が子どもを殺してしまうのは読めなくて、ゾッとした。

    どの話も浮気や裏切り
    終の道づれと寺田家の花嫁は少し違うが、どの話も面白かった

  • 他人を信じてもいいことはない。
    ラストに小さくぞわっとする話ばかりだった。

  • いくつか他の短編集で既読の作品もあったが面白いかった。特に、「妻と未亡人」が良かった。勘のいい読者はおそらく最初からこの未亡人が相当に強かだと気づくのだが、本当に「女は怖い」と思わせるのは実は、理知的で冷静なはずの妻の方、というオチ。

  • 短編集。
    『終の道づれ』を読んで、なんか読んだことある気が…昔の読書ノートをパラパラとめくってみたら、2003年9月に読んでいた。あは、最近こんなことが多いよ。
    『妻と未亡人』友人が亡くなり、その若い未亡人が困っていたら手を貸したくなるものなのだろうか? それが男というもの? いやー、未亡人の方がうわてだったよね。
    『家鳴り』ちゃんと仕事としてお願いしているのに、これはいただけない。人との付き合いもあるかもしれないが、こんな具合だとよそへ頼みます。
    『終の道づれ』おせっかいな従姉妹も考えもの。やはり、いやなことはいやと言えないと。
    『寺田家の花嫁』えー、田舎暮らしにあこがれてお見合いで相手を見つけたのに、相手側(母親、本人、妹)の3人が東京にあこがれていたなんて。これはいくらなんでも見抜けないよ。
    『本当のこと』本当のことだから、言って構わない、知るべきだということじゃないよね。
    『隣の他人』いい気になっているとしっぺ返しをくらうのか。女は強いね。

  • 再読。
    「妻と未亡人」「家鳴り」「終の道づれ」「寺田家の花嫁」「本当のこと」「隣の他人」を収録。

    勧善懲悪を望むわけではないが、落ち度のない人が不幸になる結末が多く哀しかった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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