怪笑小説 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 6979
感想 : 573
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087488463

作品紹介・あらすじ

年金暮らしの老女が芸能人の"おっかけ"にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、"タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である"という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。

感想・レビュー・書評

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  •  多ジャンルで幅広い作風の東野圭吾さん。多くの未読作から、裏シリーズ(?)的『◯笑小説』第一弾である本書を手にしました。
     『怪笑小説』から始まり、『毒』『黒』『歪』と4作品あるようで、本作は1995年刊行です。

     9編からなる短編集ですが、東野圭吾さん、力一杯笑わせにかかってますね。それも、普通の笑いでなくブラックな笑いを誘ってきます。ちょっとニヤッとし、後からコワッとなる感じです。
     「あの東野圭吾が?」と戸惑う方もいるかもしれませんが、逆に懐の深さを感じさせます。執筆しながら、ご自分で楽しんでいるんじゃないでしょうか?(多分)

     9編いずれも、身近な処から題材を探し、テンポよく読め、登場人物の内面(個性的で共感得られる)もよく描かれています。そこにきて、最後のひねりの効いた結末は、独特の雰囲気があって、不気味で怪しい笑いが後を引きます。
    
 隙間時間でも読める短編集という他に、東野圭吾さんの別の魅力(コメディタッチ、シュールさ、ブラックさ)を体験したい方にピッタリです。
     巻末に9編全てのあとがきが書かれていて、着想のきっかけや思い入れなど、その丁寧な内容がとても興味深かったです。

  • 東野圭吾さんの短編集。
    ミステリーではなくどちらかというと「世にも奇妙な物語」を彷彿とさせるような物語で一つ一つが短いのでサクッと読むことができます。
    人間の醜さや悲しさ、可笑しさなど読んでいると今にも通ずるような事が書かれていて古臭くない作品です。
    一番のお勧めは「おっかけバアさん」かなぁ。
    今の「推し」に嵌っていく人たちが自分の生活を犠牲にしながら破滅していく所がとても生々しく描かれていく所がとても面白かったです。
    この「◯笑小説」シリーズはまだまだあるのでこの連休中に読んでしまいたいです。

  • タイトル通りユーモアを交えたブラック短編集。
    最初の「鬱積電車」からもうやられたって感じ。
    「おっかけバアさん」は確かにこういう人いそうとも。
    ほとんど最後はブラックな終わり方で。
    最後の「動物家族」は色々やべぇ。
    東野圭吾さんの多様性を改めて感じた1冊でした。
    本当に面白かったので次作も読もう。

  • 最近読んだ本が、どうも重たくて気持ちが沈みがちだった。

    明るい本で気持ちを切り替えよう。と読んだけど、案の定楽しく笑いながら読めた。

  • 凄〜く気軽に読めて、
    クスッと笑えて、
    ◯笑シリーズは箸休め的な感じで
    好きです。

    あるジーサンに線香をがオススメです!

  • はははは。
    小説を読みながら声を出して笑ったのは初めて。
    私には爆笑小説でした。
    長編の合間にも良いですよ。

  • ひょんな事から「名探偵の掟」を読み(今頃)ここへ辿り着いた。というのは違う。そこには「毒笑小説」についての記載があり、なぜか積読になっていたこの本を思い出したのだ。私の読んできた著者とは違う著者が居た。サイコーだ。大好きな筒井康隆を彷彿とさせるテイストを感じ、めちゃくちゃ気に入ってしまった。特に「動物家族」。家庭なんてみんな仮面被って本心晒したりしない集合体。と、思うに至っている私にはこれこそリアルなんじゃ?と思えた。哀しいコトだが。しかし…心底こっち系の方が好きかも…と思うほど大爆発している人気小説とは違う感じがあり、これは「毒笑小説」も読まねばならない。

  • どれも不思議なお話。世にも奇妙な物語みたいな。
    あり得ないけど、人間のブラックな部分や心情が妙にリアリティでじわじわくる。

  • どの話も気楽に読める感じ。
    あるジーサンに線香を、が1番好きかな。
    鬱積電車、おっかけバアさんもなかなか面白かった(^ ^)

  • クスクス笑えました。おっかけばあさん、無人島の話、しかばね分譲住宅が特に良かったです。どれも難しい設定ながら、書き出しで引き込まれ、状況がスッと入ってきます。テンポもオチもいい感じでサクッと読めます。大好き度❤️❤️

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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