地下街の雨 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (1998年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784087488647

作品紹介・あらすじ

都会の孤独。通り過ぎてしまう愛。でも希望は捨てない。きっとまた輝きの季節はくるのだから…。大都会の片隅で夢を信じて生きる人びとを描く、愛と幻想の作品集。(解説・室井 滋)

みんなの感想まとめ

都会の孤独や愛の儚さをテーマにした短編集は、読者に不思議でありながらも心に響く体験を提供します。25年ぶりの再読を通じて感じる懐かしさや、作品に潜む怖さや切なさが印象的です。特に「ムクロバラ」では、心...

感想・レビュー・書評

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  • 都会の孤独な人たちの人生模様をユーモラスに描いています。

    【地下街の雨】
    1/22 音読58分。淳史(あつし)は、好きな麻子を射止めるために策略をめぐらして、自然に麻子と結ばれる物語です。こんな手の込んだ方法を実際に行うのだろうか…?

    【決して見えない】
    1/22 音読30分。人を結びつける「赤い糸」と、人の死ぬ時を看取る「黒い糸」があるという不思議な物語です。黒い糸というのは本当にあるのだろうか…?

    【不文律】
    1/23 音読29分。夫婦と子供二人の一家四人を乗せた車が、埠頭から死のダイビングをした事件が起こります。関係者からの聞き取りが延々とつづられています。これは心中なのか、事故なのか…?

    【混線】
    1/23 音読1時間7分。大学生の武志は、なんども何度も違う番号に電話をして、女の人に電話が繋がったら卑猥な言葉で喋りつづけます。相手が電話を切っても十分おきに電話をします。とうとう電話の精がおこって武志を電話機のなかに取り込んでいくという恐ろしい物語です。

    【勝ち逃げ】
    1/24 音読1時間14分。謹厳実直で面白みのない人生を送ってきたと思っていた勝子伯母の葬儀の日に、郵便受けに入っていた不倫の手紙を見た姪の浩美は、伯母の人生にも激しいものがあったことを知る。

    【ムクロバラ】
    1/25 音読1時間20分。正当防衛で相手を死なせた橋場は、正当防衛とはいえ殺人犯であることに怯えた世間が、家族が、橋場から離れていき一人になった橋場が、狂っていくさま。そして担当刑事も少しずつ歯車が狂っていくさまを書いている。死なせた相手の苗字は、骸原。

    【さよなら、キリハラさん】
    1/26と27 音読1時間1分と54分。長いので二回に分けて音読しました。物語は、家族全員が家の中で音が聞こえなくなる現象が時々起きます。その数時間の連続を家族が恐慌状態になったり、諦めたりと様々な状況をユーモラスに描いています。この現象は、会社の新製品開発の実験でした。

    【読後】
    どうもスッキリしない物語です。なお、毎日1時間以上音読をしています。このところ物を食べた時に、むせぶことが無くなりました。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    【音読】
    2025年1月22日から27日まで、音読で宮部みゆきさんの「地下街の雨」を大活字本で読みました。この大活字本の底本は、1998年10月に集英社文庫から発行された「地下街の雨」です。本の登録は、集英社文庫で行います。埼玉福祉会発行の大活字本は、上下巻の2冊からなっています。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    「図書館」
    地下街の雨《大活字本》
    2024.05埼玉福祉会発行。字の大きさは…大活字。
    2025.01.22~27音読で読了。★★★☆☆
    図書館から借りてくる2024.12.24

  • 7つの短編集です。25年ぶりの再読です。不思議で、尚且つ、怖さも味わえます。1994年刊行なので、お話の背景は古いですが、私は懐かしさを感じました。

    一番好きなのは、「ムクロバラ」。追い詰められて、心が病んでいく主人公に、ドキドキしながら読みました。引き出しの多い作家さんだなぁと、改めて感じました。

  • ナツイチのしおり欲しさに購入。

    大分前に読み終えたので、内容がうろ覚え……。

    しかし、表紙のタイトルにもなっている「地下街の雨」は、かなり印象に残るストーリーでした。

    本当にあったら怖いし、勘弁してくれと思う。
    それなのに、ラストの種明かしではHAPPYな気持ちになれるという、短編ながら恐怖と幸福という真逆の感情を味わえる作品です。

    宮部みゆきさん、さすがとしか言えない。

    種明かしまでは、「椿柄のネクタイ」、突然現れた森井曜子、曜子の元勤務先の社長、同僚の石川と、次々に気になる人物や情報が登場します。

    一体、誰が主人公の味方で、誰が敵なのか。

    ずっと冷や冷やしながら読み進めることになり、狐につままれるとは、まさにこういうことを言うのではないか?

    読者の「?」が積み重なったところでの種明かし。

    最高過ぎる。

    この小説の第1刷は1998年。

    スマホが出てこないところにも時代を感じます。

    でも、この小説、スマホのある時代では出せない味があるんですよね。
    不便だからこそ成り立つ驚きがあるというか。

    それでも今読んで、不自然さを感じさせないのがすごい。

    それは私自身が1998年を生きてきたからなのでしょうか??

    ミステリのどんでん返しというと、真実を知ってゾッとする作品も多いですが、こういう幸せが待っているどんでん返しもいいものですね。

  • 本棚の整理をしていたら、奥からひょっこり出てきた宮部さん。読んだ記憶ないかも、と思ってたらやっぱり初読。宮部さんは久しぶり。

    昔の本と言う事もあり色んなシーンで前提条件が違って新鮮。携帯もってなかったり、ずいぶん男社会だったりと。
    この本のジャンルは何なんだろうか。総じてフワフワしてた印象、初期の宮部さんワールドを思い出しました。

    以下各章感想
    ・地下街の雨:表題作。一番面白かったかな。怖い女きたなーと思ったら。まさかのお芝居とはね。幸せになるといいね。
    ・決してみえない:主人公がタクシー乗り場で死神役と出会い死んでしまう?話。懐いてしまうあたりのくだりは、伏線あってなるほどと。最後はループ的な終わり方。どう解釈すればいいだろう。
    ・不文律:心中した家族について第三者のインタビュー視点の話。特にひねりもなくこの作品はそんなにしっくりこなかったかなぁ。
    ・混線:一番怖い話。あの女の子が、ここに繋がるってのはなるほどと。固定電話ってのが時代を感じて懐かしい。
    ・勝ち逃げ:亡くなった叔母のお葬式。登場人物が過去で繋がってた話だけど、まあ偶然が重なりすぎる気もするけども。終わり方はスッキリ。
    ・ムクロバラ:精神異常をきたした犯罪歴のある人と警官の話。ラストも含め怖さはあるけど、メッセージ性など何を伝えたいのかが、ピンとこなかった。。。
    ・さよなら、キリハラさん:家族が家で耳が聞こえなくなる話。途中までのくだりはよかった、ドンドン不思議な事がおきて、それに振り回される家族達。落ちが、ただの実験とはちょっと拍子抜けかなぁ。

  • 怖さもあり切なさもあり。

    昔の作品だけど宮部先生が描く「世にも奇妙な物語」みたいな短編集でした。

  • 宮部さんの短編集。おや?と思ったりゾッとしたりの不思議な世界。「ヴァージニアスリム」とか「筋肉少女隊」とか少し時代を感じた。最後の“さよなら、キリハラさん“に一票かな。

  • 宮部みゆきだあ!という期待が悪かったのか、あまり面白くなかった。

    第1話 麻子は結婚直前に婚約破棄された。職場恋愛だったので、職はやめた。その後ウェイトレスの仕事をしている。麻子はバイト先の喫茶店で森井曜子という思い込みの激しい女と出会う。

    第2話 深夜、終バスは行ってしまったのでタクシー待ちをしているが、まったくこない。後ろに人が並ぶ。雨も降っている。

    第3話 一家心中のあとの聞き込み話。

    第4話 きっかり2時半に妹に電話がかかってくるのに、兄が出たら、また怒ってどうして男が出るんだと電話がある。

    第5話 母の10歳年上の伯母が亡くなる。昔のラブレターがみつかる。

    第6話 デカ長は職場でも家でもデカ長と呼ばれている。

    第7話 我が家はもともとだいぶうるさい家だが、みんな耳が聞こえなくなる。

  • 宮部みゆきさんの短編集です。中でも標題の「地下街の雨」のどんでん返しには驚きました。やられたという感じです。確かにあり得る展開ではあります。どんでん返しの好きな方にはお薦めします。

  • ----------------------------------
    大都会の片隅に
    渦巻く
    愛と夢と幻想。

    稀代のストーリーテラーが紡ぐ、
    驚きに満ちた全7編
    ----------------------------------
    ナツイチのフェアで手に取りました。

    どれもミステリーというより、
    どこか不思議で怖い。

    生涯独り身を通した伯母の勝子の秘密を描く「勝ち逃げ」
    ムクロバラの連続殺人という妄想に取り憑かれた男とそれを対応するデカ長の「ムクロバラ」
    が印象的でした。

    どれも読みやすいし、
    じわじわくる嫌な感じも良くて、
    夏にぴったりでした。

  • 地下街を歩いていると地上の雨には気づかない。地上には大雨に濡れてしまっている人がいることにも気づかない、地下街の雨

    これぞ宮部みゆきの傑作短編集という本でした。どこかSFチックなところも宮部風。どの短編も短編とは思えない大満足な読後感です

  • 表題と同じ「地下街の雨」のお話がいちばん心に残った。
    まさに一つのドラマを観たみたい。ビジュアルが目に浮かぶ。
    真人間のヤバさ、ドキドキした。

  • 宮部みゆきさんの短編は初めて読んだけど、どの話も早い段階からグッと引き込まれる。

  • 表題作の「地下街の雨」が予想外に爽やかなお話だったため正直、おや?これはもしかして後味の悪い話が好きな私にはハズレだったか?と一瞬思ってしまったけど、その後に好みのモヤっとした話やジトッとした話、それだけでなく痛快な話や温かさを感じる話もあり、宮部先生の短編バラエティセットな一冊だと思いました。
    特に、「混線」は、なぜこれが表題作でなかったのだろうと思うほどに傑作でした。
    宮部みゆきが書く平成の怪談話、学生時代に読んだ宮部先生の「あやし」を読んだ時と同様の恐怖感と中毒性を覚えました。
    個人的には「混線」を読むためにこの本に出会ったと思っています。

  • 目次
    ・地下街の雨
    ・決して見えない
    ・不文律
    ・混線
    ・勝ち逃げ
    ・ムクロバラ
    ・さよなら、キリハラさん

    宮部みゆきの初期の短編集。
    これは、わたし的には当たりはずれがいつもあるんだよなあ。
    好き嫌いというか、合う合わないというか。

    今一つだったのは、「決して見えない」と「混線」。
    理由は簡単。
    ホラーだから。
    「決して見えない」は怖くはなかったけれど、理不尽が哀しい。
    でも、仕掛ける側が哀しがっていてはダメだと思うのだ。
    だってそういうものだもの。
    その点「混線」は気持ち悪いし怖いしで、絶対無理。

    もやもやしたのは「ムクロバラ」と「さよなら、キリハラさん」。
    どちらもその先に幸せが待っているようには思えなくて。
    謎が解けたから、すっきりとはならないことを痛感させられた。
    巧いなあ。

    バッドエンドから始まる「不文律」。
    これはのちの宮部みゆきの長編でよくみられる、悪意とも言えない些細な「嫌な感じ」が重なって、最悪の結果に導かれてしまう。
    でも、結構誰にも共感できないくらいには全体的に「嫌な感じ」で、読後はどんより。

  • Amazonの紹介より
    麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。麻子は会社を辞め、ウエイトレスとして再び勤めはじめた。その店に「あの女」がやって来た…。この表題作「地下街の雨」はじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇。どの作品も都会の片隅で夢を信じて生きる人たちを描く、愛と幻想のストーリー。


    ミステリーやホラー、ファンタジーなど様々な「不思議」を体験した感覚があり、まるで「世にも奇妙な物語」を読んでいるようでした。

    相手の知らない一面を垣間見ているようで、背筋がゾワっとしたり、謎が解けたようなスッキリ感を感じたりと、色々楽しめました。

  • 宮部みゆきさんの短編集。

    7作品あって
    どれも不思議と引き込まれる話で
    ちょっとよく分からん話もあったけど
    宮部みゆき作品て感じ。

    勝ち逃げが良かったかな
    女兄弟たちと浩美4人の
    「勝負はもうついてる 勝子叔母さんの勝ち!」
    ってセリフが好き(^^)

    どの作品もオススメです

  • 短編小説。題名の地下街の雨が、本当に良かった。心が温まった。全体的にちょっと不思議な異世界の話やけどジーンとくるような感覚になった。

  • 地下街の雨(宮部 みゆき (著))読了。
    以下ネタバレ含みます。

    都会の孤独。通り過ぎてしまう愛。でも希望は捨てない。
    きっとまた輝きの季節はくるのだから…。
    大都会の片隅で夢を信じて生きる人びとを描く、愛と幻想の作品集。

    7つの短編集を2回目の読破です。
    前回読んだのが2008年ですから17年前ですか、全部のお話をすっかり忘れていました。
    タイトルになった地下街の雨が一番面白かったです。
    中にはもう一ひねりすればいいのにと思うものもありました。
    このころから伏線を丁寧に回収する作家さんだったのですね。
    著者の過去の作品、他にも読んでみたくなりました。

  • 濃厚な密度で語られる文章、さすがだと思った

  • 短編で

    半分くらいまで読みましたがモヤモヤがづついて残念ながら読み終われなかった。
    個人的感想

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ・みゆき):一九六〇年東京都生まれ。八七年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『火車』で山本周五郎賞、『理由』で直木三十五賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。『霊験お初捕物控』『ぼんくら』『三島屋変調百物語』シリーズ、『きたきた捕物帖』シリーズなど著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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