風に訊け (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087491128

感想・レビュー・書評

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  • 若い女性が読むような本じゃないかもしれないけど、内容が内容なだけに素直に面白いと言いづらいだけで、これは誰が読んでも面白いんじゃないかな
    大体は下の話だけど、開高氏の解答に含蓄があって、勉強になる
    どんな質問にも真面目に答えているし、まあキミ頑張りたまえ、とか、そんなに気にすることないんじゃないかナ、とか、読者との距離感が近くて純粋な思いやりも垣間見える
    まあそれにしてもあらゆる質問に答えられるからには、開高健は相当モテたんだろうし、いろいろな経験を積んだんだろうな

  • 作者の本はたぶん初めて読んだ。POPEYEに紹介されてたので読んでみた。本当にたくさんのテーマについて答えていたが、テキトーな答えもあったけど、面白いものも多かった。かなり前の本だけど、今にも通じることもあって、だらけられる時はだらけて、がんばる時はがんばって、恐れずになにごともやることが大切かなと思った。

  • 今の10代、20代の若者諸君は、開高健先生のことを知っているのだろうか。小生が、帽子にメガネに、ツイードのジャケットを着るようになったのは、なにを隠そうこの開高健先生の物まねである。飲めないドライマティーニをサントリーバーで飲み始めたのも、ライターの原稿を書くようになったのもそう、この御大のおかげである。まぁ、小生の話はどうでもよい。
    開高健は、洋酒のPR誌『洋酒天国』の編集やウイスキーのキャッチコピー(トリスウイスキーの「人間らしくやりたいナ」が有名)を手がけた広告マンであり、芥川賞作家であり、ベトナム戦争の生き残りであり、オーパであり、世界を渡り歩く釣り人でありグルメである。この本は、週刊プレイボーイでの連載をまとめたもので、ファンであり熱心な読者のハガキの質問に答える形式でやりとりがされている。今なら、リリー・フランキーさんが同じく週刊プレイボーイで連載している人生相談の先駆のコーナーかもしれない。まだ行っていない茅ヶ崎にある開高健記念館に行こう。

    開高氏のマグナカルタ九章という名言があるので記しておく。

    1、読め
    2、耳をたてろ
    3、目を開いたまま眠れ
    4、右足で一歩一歩歩きつつ、左足で跳べ
    5、トラブルを歓迎しろ
    6.遊べ
    7、飲め
    8、抱け、抱かれろ
    9、森羅万象に多情多恨たれ
    補遺一つ。女に泣かされろ

    (日本ブックツーリズム協会 テリー植田)

  • 読者からの難問奇問珍問の嵐。開高さんらしい名回答の連発。21歳学生男Q:小説家とは、なるものか、あるものか?A:あるものであり、あるものだけではなれないから、なるものである。あるものであり、あるものでなければならないが、そのままであるとあるものにすぎないから、なるものにならなければならない。ミュージシャンQ:スペースシャトル打ち上げ。先生は何か感じるところがありますか。行ったこともない空間に対して。A:ない。何も感ずるところがない。すべて小松左京にまかせてある。ディープな質問もある。馬鹿げた質問もある。切実な悩み相談室でもある。真摯な回答もする。質問者の年齢も様々だ。ずいぶん昔に買った。ボクはこの本を今でも3年おきぐらいに読んでみる。おわかりか。(似)

  • 開高健の「人生相談」。週刊プレイボーイに載ったものらしく、質問も回答もシモネタ満載。「一気に読まないでください」と自分で言っているけど、このひとのアブラギッシュな文体といい、文章に押し込まれたバイタリティといい、博覧強記といい、物理的な持ち重りを感じるほどで、一気に読むと胸焼けがする(そういうつもりで一気に読むなと言っているわけではないと思うが)。ちょっとずつ読むのがよい。個人的には「オーパ」みたいに写真と半々ぐらいがちょうどいいと思う。
    初版が1984年。セクハラもパワハラも概念そのものがなく、くわえタバコで仕事して、宴会ではイッキ飲みで盛り上がるという、今考えば無茶な時代だったなあと読みながらなんとなく思い出す。開高健がそういうのを推奨しているわけではないので念の為。

  • 開高健の生き方、考え方。自分との相違点を知ることで、自分のことを知る。エッセイを読む醍醐味。

  • 開高健は、夏の闇や、ベトナムの本などを読んでいた。生き死にを見てきた人が、人生相談?にどのように答えるのか、どういう視点があるのか、また、どんな質問があるのか…ということに興味がわいて購入。
    質問に対し、回答という形式で進んでいく。開高健だが読みやすい、分かりやすい(笑)知識量に圧倒されるが、何分プレイボーイに連載されていたものだから、下ネタ?が多い。電車で読んでいて隣の人に覗かれると恥ずかしいような文字が大きく太文字になっていたりして慌てた。

    風に訊け、答えは自分の中にある。
    私はそんな風に思った。

  • 小気味良い、それでいて暖かい回答が良かった。うじうじしている時間があればなんでもやってみようと思った。

  • 「読者から寄せられた難問、奇問、珍問に人生の達人・開高健が名回答」 文庫本の裏表紙より。若い頃、この「風に訊け」が読みたくて、毎週「週刊プレーボーイ」を買ってたなぁ。その博識、ユーモア、辛辣、ジョーク、エロ、たっぷりで軽妙洒脱な回答ぶりに、感心したり、唸ったり、笑ったり・・・とにかく面白く、何度も読み返してしまう一冊です。

  • 気軽に読める開高さんの相談受け答え本。
    雑誌『プレイボーイ』に掲載されていたらしく、エロが多いけど読み物として普通におもしろい。
    挿絵に独特の魅力があって楽しみながら読めた。

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著者プロフィール

1930年大阪市生まれ。大阪市立大卒。58年に「裸の王様」で芥川賞受賞。60年代からしばしばヴェトナムの戦地に赴く。「輝ける闇」「夏の闇」など発表。78年「玉、砕ける」で川端康成賞受賞など、受賞多数。

「2022年 『魚心あれば 釣りエッセイ傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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