鉄道旅行のたのしみ (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087491173

感想・レビュー・書評

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  • 2018/01/19 22:39:53

  • 小学館が発行した鉄道ガイドシリーズの、各巻に寄稿した文章を1冊にまとめた単行本。本の前半と後半でテーマが全く違うのは、前後半別々のシリーズに収録された文章だという大人の事情によります。

    ガイド本の巻頭(巻末だったのか?)にちょこっと掲載された文章の寄せ集めのため、さすがの宮脇俊三先生でも正直この作品単体ではちょっと…という印象は拭えません。特に前半では収録全路線を紹介せねばならぬという制約でもあったのか、総花的な文章が延々と続き、苦しいものがあります。

    いっぽう後半の駅ルポでは、多少の"らしさ"も。取材駅の選定自体がいかにも宮脇氏好みですし、既にだいぶ過去の時代となってしまった昭和の息吹が生き生きと伝わってきます。駅だけで1冊の分量があればそれなりに面白かったのでしょうが、あまり仕事を厳選する訳にもいきませんし…うーん、世知辛いですね。

  • おおよそ28年前に書かれた本。柳原良平さんの表紙。
    文中には現在使われていない路線や用語、情報がある。
    また車窓から見える景色もかなり変貌しただろう。

    なんだか旅に出たくなった。出かける前に歴史や地形を頭に入れておこう。

  • 1983年10月24日

    当時はまだ、宇高連絡船が行き来していた。


    『鉄道旅行のたのしみ』(宮脇俊三著 角川文庫)


    高松駅も一世代旧く

    連絡船に乗るために、専用の通路が駅から設けられていた。


    「通路を走らないで下さい」というお決まりのアナウンスが

    いつも流れていたが、

    列車を降りた乗客たちは 我先にと走っていった。


    「宇高連絡船は何回乗っても楽しい。」

    まったく同感だ。

    所要時間は一時間ばかり。


    お決まりのようにデッキに並んで「うどん」を買い、景色を眺めながら食べる。

    食べ終わった食器を元に戻し

    ちょっとゆっくりしたかと思えば、もう高松が見える。


    「もうちょっと乗っていたいと思ううちに、高松港に入ってしまう。」


    そんな思い出多い宇高連絡船が廃止されたのが 1988年。

    その後高松駅も四代目として、新しく生まれ変わった。


    今の高松駅には、当時の面影は見られない。

    宇高連絡船が無くなる少し前に書かれた「高松駅」を読むと

    懐かしさがよみがえってくる。

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著者プロフィール

宮脇俊三
一九二六年埼玉県生まれ。四五年、東京帝国大学理学部地質学科に入学。五一年、東京大学文学部西洋史学科卒業、中央公論社入社。『中央公論』『婦人公論』編集長などを歴任。七八年、中央公論社を退職、『時刻表2万キロ』で作家デビュー。八五年、『殺意の風景』で第十三回泉鏡花文学賞受賞。九九年、第四十七回菊池寛賞受賞。二〇〇三年、死去。戒名は「鉄道院周遊俊妙居士」。

「2023年 『時刻表昭和史 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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