- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087494372
感想・レビュー・書評
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北洋船団に初めて女船医として乗り込んだ麻酔科医師の航海記。とにかくパワフル、好奇心いっぱいの元気な船医が1000人以上の男達の中で紅一点、専門知識と経験を存分に活かして船酔いにもかからずに日々働く様子が生き生きと描き出されていた。荒っぽいけれどシャイで誠実な海の男達のただ中にたった一人で乗り込んでいくその度胸。成り行き任せとも言うけれど、海に憧れ、航海を満喫して精一杯働いているところが好感が持てた。何事もパイオニアという人は凄いエネルギーを持ってるなあ。続編の「捕鯨船団 女ドクター南氷洋を行く」も読んでみようかな。
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図書館で。円紫さんシリーズで紹介されていたので読んでみました。面白かったです。
閉鎖空間で、まるきり畑の違う人が乗り込んでくるのは大変だろうなぁと思うし、女性の方が基本的には社交性が高いからその辺り上手く行くだろうな、なんて思いました。勿論、本人の性格にもよると思いますけれども。正直、ドクトルまんぼうよりも頼りになりそうなドクターだ(笑)
そして傷病の初期手当に痛みの緩和が不可欠という事であれば確かに麻酔医は最適だったのかも、なんて読んでいて思いました。本格的な治療は陸に上がってからするとしたら、患者に取って一番助けてもらいたいのは痛みをどうにかしてもらいたいって事ですものねぇ。
自分が最近ニュースで知ったアナフラキーショックなんかも医学的にはずっと知られていた事なんだなぁというのも新鮮な驚きでした。
この後、捕鯨船にも乗り込んだみたいなので借りて読んでみようかな、と思いました。面白かったです。 -
夜の蝉作中にて出てきた。
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麻酔科の女性医師が北洋船団に船医として乗り組む。男性ばかりの遠洋漁業船団に初めて女性が乗り組むとのことで、いろいろ大変なのかなーと思いきや、船酔いも寒さも海の荒くれ男?たちも好奇心いっぱいでおしゃべりなおばちゃん(失礼!)の前にはたじたじ。
このあと南氷洋の捕鯨船にも乗り組んでるらしいので、そちらもぜひ読みたいと思いました。 -
椎名誠さんが推薦されている本、ということで読みました。昭和57年の話ですからかなり古い時代のことになってしまっていますが、北洋に漁に出る船団の船医として三ヶ月を過ごした女医さんのエッセイです。船団には医師がいないと出航できないという事実。(そりゃそうだよね、と思いつつも、それは大変だ。。。とも。)田村ドクターは専門は麻酔医。ホントに元気な方で、船の中でもあっちに行ったりこっちに行ったり、海の男たちとたちまち仲良くなり、素人の目から見た船の生活の新鮮な驚きを読者に伝えてくれます。また、あまり馴染みのない麻酔医という分野についても詳しく述べられていて、なるほどぉ〜〜と。船の中では内科・外科の治療の他に専門を生かして、痛みそのものを軽減する「ペイン・クリニック」を施し、それはどんなに船員に感謝されたかと思います。田村さんはこの航海の後、南氷洋捕鯨船団の船医としても勤務されその際のエッセイも出版されているとか。南極での活躍もどんなだったのか、ぜひ読んでみたいです。(#^.^#)