双面の天使 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087494723

感想・レビュー・書評

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  • 再読だと思うけど内容は覚えてなかった。30年ほど前の小池さんの短編集。インパクトはないなぁ。さらさら読めて良かったけど。

  • 4編のサイコスリラー。
    特に表題作は面白かった!
    この作者の文章には色彩を感じます。

  • 表題作「双面の天使」と「薔薇の木の下」が面白かった。特に「双面の天使」は秀逸!子供の残酷さと大人の愚鈍さを描いた作品はとても好み。和歌子があまり好きになれないタイプの女だったのも良い。

  • 共犯関係 / 眼 / 薔薇の木の下 / 双面の天使 4編を収録。
    「眼」以外は初読み。

    「共犯関係」、猫を可愛がる男の話。ある面、粋なラスト、予想外だった。
    一番面白かったのは「双面の天使」
    無邪気であり残酷でもある資産家の子ども2人と後妻の話。子どもは恐ろしい。

  • もう20年以上も前に一度だけ読んだことのある本。
    4話のサスペンス調の話からなる短編集ですが、もちろん、詳しい内容は忘れていて、覚えていたのはタイトルの「双面の天使」に登場する兄妹-子供があまりに小憎たらしかった!という事だけ。
    小池真理子さんの本としてはそれほどいいとは思わないし印象にも残らなかった本。
    今回、ホント久々に読み返して、読んでいる最中ホッとしている自分がいました。
    やはり内容も文章もキチンとしている。
    今更ながら良質のサスペンスだな~と思いました。
    それと同時にこういうちょっと地味目でキチッとした小説が減っている・・・と改めて思いました。

    4話の短編はどれも皮肉で登場人物は悲劇にみまわれるものが多い。
    そして、そのどれもが自分の考えや予想を気持ちいいくらいに裏切ってくれる。

    最初の「共犯関係」は同居する女性よりも亡き妻の面影を残す飼い猫を溺愛する男の話。
    男はやがて邪魔になってきた恋人を殺そうと計画するが・・・。

    これを読んでいて、まあ、何てナンセンスなんだろう。
    そんなに邪魔なら殺すよりも別れりゃいい話なのに・・・と思ったけれど、結末は見事にその思いを逆手に取ったもの。
    あ~、出し抜かれた、という気になった。

    「眼」は金欲しさに強盗に押し入った宝石店で、そこの女店員を計らずも殺してしまう男二人組の話。
    しかも逃亡の際、男たちは別の女店員に顔をはっきりと見られてしまう。
    すぐにでも警察につかまると思い怯える二人だったが、翌日の新聞には全く見当ハズレの犯人像が載っていた。

    これも「多分、こういう事なんでしょう。そして結末は・・・」と勝手に予想していたところ、それをまあ、気持ちいいくらいに裏切ってくれた。

    「薔薇の木の下」は、人妻と不倫関係にある若い植木職人がそれをネタに人妻の妹に脅迫される。
    そして彼女を殺して薔薇の木の下に埋める。
    完全犯罪を成し遂げたと思った若者だったが・・・という話。

    結構ありがちな話だけど、よく出来ていると思う。
    最初に全く関係ない人物が出てきて、それがどうもこの話の重要なキーマンであると匂わせ、じわじわと不安な気持ちに読んでいる方も追い込まれていく感じ。
    さすが、うまいな~と思った。

    そして、タイトルの「双面の天使」は、気に食わない継母を陥れ、追い出す兄妹の話。
    留守番を頼まれた小学5年生の兄とその妹。
    所が、腹違いの弟である赤ん坊を誤って殺してしまう。
    その責任を兄は継母になすりつけるため嘘をつく。

    まんまと子供の浅知恵に陥れられた継母。
    いくら聡明な子供といってもやはりそこはまだ子供。
    おかしい所や不自然な点が多いのに、彼女はそれに気づかない。
    愚かだと悪知恵の働く子供にまでしてやられるのか・・・。

    タイトルの「双面の天使」は兄と妹、二人だから・・・と以前は単純に思っていたけど、「天使の顔をもつ悪魔」という二つの顔を意味してるのかもな・・・と今回読み返して思った。

    どの話もつっこみ所もあれば矛盾してる、と思う点がある。
    でもそれが、何もかもが計算されてた話運びで、キチッときれいにエンディングを迎える話よりも、より現実的だと思えた。

    この本を読んで、これからもまた、昔読んだ本を読み返す機会が増えそうだな、と思った。

  • あやし~雰囲気ただよう4遍を収録。

    表題の双面の天使が一番良かった。

    その純粋さ、これっぽちの疑い、後悔が ないのが怖い、
    怖すぎる。

  • サイコスリラー短編集。全4話。この頃の小池真理子さんのサスペンス、ホラーはどれも最高です。はずれなしと言っても過言ではない。

  • 短編集。
    「共犯関係」「眼」「薔薇の木の下」「双面の天使」収録。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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