岳物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1865
レビュー : 205
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087494907

感想・レビュー・書評

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  • 男親と男の子の成長譚.確かに親と子だけれど,お互いに一人の人として認識した上での関係というのは,決して真似ができない.

  •  いつものように新御茶ノ水で千代田線に乗りかえ、自宅のある綾瀬を目指す。さて、電車は西日暮里駅へ到着した。そして乗り込む三人の男子中学生たち。西日暮里から乗り込む中学生といえば、そう、あの中学校の生徒たちである。まだ、制服も馴染んでおらず、体つきもどこか幼さを残す。おそらく一年生だと思われた。その中学生たちのうち、一人は文庫本に読みふけっており、その友人たちがちょっかいをかける。
    「おい、何読んでるんだよー」
     強制的にめくられたブックカバーの奥からは、その書名が飛び出してきた。その書名こそ『岳物語』であった。
    「今更『岳物語』読んでるのかよ。僕はもう小学生のときに読んじゃってるよ」
     なるほど、どうやらあの中学校に通うほどの子になると、小学生のうちに『岳物語』くらいは嗜んでいるらしい。中一で読むのすら「今更」すぎるようなのだ。成人してもなお、『岳物語』を嗜んだことのない僕は、人知れず、己の無教養を恥じていた。そうして、綾瀬駅で下車した後、急いで駅前の書店で『岳物語』を購入するのであった。

     本書の中に、決してスリルはない。もちろんサスペンスもない。そこにあるのは、少しの独特さを残した親子の姿である。流行の小説と比べれば「タイクツ」な本なのかもしれない。しかし、そこにあるのは決して無視のできない「大切な何か」なのである。
     小学生のうちに本書を読むことと、あの中学校に通えることの因果関係はわからない。だが、本書を小学生のうちから「面白い」と感じる子には、間違いなく、魅力を感じさせる一つの要素があると思う。


    【目次】
    きんもくせい
    アゲハチョウ
    インドのラッパ
    タンポポ
    ムロアジ大作戦
    鷲と豚
    三十年
    ハゼ釣り
    二日間のプレゼント
    あとがき
    解説 斎藤茂太

  • 息子とのこういう親子関係、いいですね〜。

    [03.5.22]

  • 中学の頃、本気ではまった本。

    岳少年と父・椎名誠のオモシロイ話盛りだくさん。

    なんとも素朴なところが好きです。

  • 小学時代に母親が読んでいた。
    高校か大学の頃自分で読んだ。
    その時はその親子関係がうらやましいと思った。

    結婚し長男が生まれた。
    岳少年のような子供になって欲しいと思っている。

    自分の理想の親子関係モデル

  • 小学生の時に読んで大好きだった小説です。

    椎名誠、大好きでした!

  • 著者「おとう」と息子「岳」の野性的親子関係を描いた私小説。有名な冒険家で作家の父を持つ少年はこんな風に育つのか。子を弄んでいるように見える父子関係だが、子を思う父親の気持ちがところどころ挿入されていて、ホロリとさせられる。小学生である息子に対して、著者は常に一人の人間として接しているのが気持ちいい。

    こんな風に子供と接することができたら、幸せだ。子育てについて、勇気がわいてくる。

    ところで、私には双子の娘がいる。当然だが、常に2人いるので、育児の手間も2倍だ。著者のように一人の子にとことん付き合ってやる余裕がないときも多い。この本を読んでいる途中、双子じゃなければ著者のような子育てをしたい、と思うこともあった。が、それは育てる側がラクをしたいという勝手な欲望だ。

    娘たちはまだ2歳前。岳物語の「岳」と同じ年齢には達していない。しかし、やがて「岳」と同じように成長し、私と会話したり、一緒に趣味の時間を共有したりするのだろう。果たして、私は娘の名前を入れた「○○物語」を作ることができるのだろうか。できるならば、それぞれ2つの物語を作りたい。

  • 何回読んでも、岳くんが少し羨ましい。今、こんなにはつらつとした自由な小学生はどれくらいいるんだろう?

  • カヌー犬ではなく、椎名誠の息子・岳の愉快な成長記。ギョーザが食べたくなる。

  • わたしがはじめて出会った椎名作品。
    読んだ当時は「こんなおとうが欲しいなぁ」と思い、お年頃には「シーナさんのような男性とケッコンしたい!」と思い、今は岳くんと自分の息子たちを重ねあわせながら読んでいる。

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著者プロフィール

椎名誠(しいな まこと)
1944年、東京生まれの作家。「本の雑誌」初代編集長で、写真家、映画監督としても活躍。『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞を、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。近著に『あやしい探検隊 台湾ニワトリ島乱入』『あやしい探検隊 済州島乱入』『そらをみてますないてます』『国境越え』『にっぽん全国 百年食堂』『三匹のかいじゅう』『ぼくがいま、死について思うこと』『おれたちを笑え! わしらは怪しい雑魚釣り隊』『雨の匂いのする夜に』『おなかがすいたハラペコだ』など多数。
映画監督としては、映画『あひるのうたがきこえてくるよ』で第10回山路ふみ子映画文化賞受賞。映画『白い馬』で日本映画批評家大賞最優秀監督賞、95年度JRA賞馬事文化賞、フランス・ボーヴェ映画祭グランプリ受賞、ポーランド子ども映画祭特別賞をそれぞれ受賞している。

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