優しくって少しばか (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087495362

感想・レビュー・書評

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  • 『優しくって少し ばか』では男っていうのはほんとにばかで愛しい生きものだと思った。庄司薫をちょっと思い出した。もちろんDVとかもあるみたいだからすべての男ってわけじゃないんだろうけど、基本的に弱くてやわらかくて壊れやすい女の子にはやさしくするようにプログラムされているんだと思う。そういう意味ではもともと男女は平等じゃないのかもね。
    同じ異性の人を長きにわたって愛し続けるっていうのはかなり難易度が高いと思う。だって、男女の考え方ってほんとに違うもの。恋人や夫婦の関係であっても、それぞれの性の素を出したら上手くいかないんじゃないかな。男は好きな女性の前ではカッコよくありたい、女性は好きな男の前では可愛くありたい、って頑張るからいい恋愛が保てるんじゃないかっていうのがオイラの持論だ。いくら長く連れ添っても、馴れ合いになって互いにそういう努力ができなくなったらいい関係を保てなくなると思う。長く一緒にいたら自分のことを何でもわかってくれるなんて都合のいい考え方なんだよな。というわけでやっぱり「例のパン屋さん」の主人みたいな人がホッとするのである。

  • 表題作がなかなか独特な文体ながら、じつにこの…あまーくぬるーい、男女の生々しい感じがすごい。明るい外の光を閉ざして薄暗い部屋で貪るむやみやたらな幸福感というか。風邪をひいて部屋で二人、というのがいいんだろうな。
    表題作もよかったけど、個人的には「ポール・ニザンを残して」が一番好きかもしれない。シャレオツ。

  • 表題作は慣れるとあの文体も味があるように感じられる。表題作以外はどれも結構不気味。そして出てくる男性も女性もほんと愚か。

  • 懐かしいなあ。一生懸命だった自分。

  • 短編集。
    優しくって少し ばか
    題名がいい。話もいい。
    一部の人にだけウケる映画みたい。


    男性側から見た女性と男性の違い。
    その違いがわかるけど理解できない。
    そんな短編集。
    怖いわホント。

  • 初めて原田宗典を読んだ。覚せい剤かなんかでつかまったけども。題名買いで失敗。いやーな感じのする本だった。男の書く文!ってかんじ。男女の話の短編集だが、男女どちらにも共感できなくてイライラする。うんん。題名は好き。優しくって少しばかなら、生きるの楽しそう。

  • 話の内容はあまり好きじゃなかったけど、表現や描写が好き。

  • 作者のナイーヴな性格がそのまま表れたような作品。

    余談だが、ブクログの本作『みんなのレビュー』がすごく的を得ていて、こういう人たちが読むのか!と思って感慨深かった。

  • 読書録「優しくって少しばか」2

    著者 原田宗典
    出版 集英社

    P31より引用
    “どこで仕入れてくるのか知らないけど彼女お得意の“世界的傾
    向”や“社会現象”というのはどうも、
    胡散臭い。”

     コピーライター、小説家、エッセイスト、劇作家と多方面で活
    躍する著者による、短編小説集。
     表題作から気になる噂の女の話まで、穏やかな日常やそう見え
    るだけな話が収録されています。

     上記の引用は、とある男と女の会話に対する一文。
    流行というのはまぁ大体胡散臭いものを含んでいるものだと思い
    ます、楽しく現象や傾向を受け入れている人の邪魔はしないよう
    にとは思いますが。胡散臭いとわかっていて、それを踏まえて楽
    しんでいるのかもしれませんし。
     二話目の林檎煮の話は、その他の話とはなんだかまったく雰囲
    気が違っていて、飛び抜けて怖いです。その他の作品も少しずつ
    不気味なところはありますが、この話だけ入れる本を間違えたの
    かと思いました。

    ーーーーー

  • 本全体が、優しくって少しばか、ってかんじ。この優しくって少しばかを大事にしたいって書いてる本ってこの世にものすごくたくさんある気がするから、みんな心の底ではこういうの求めてるのかなあ。危うい揺れ動きが面白い場面設定で描かれているものが六短編。全部ひやっとするかんじなんだけれども、これはたぶん本としての本質的なひやっとではなく、筋としての脚本的なひやっとかな、と思う。女のひとがかく男女の揺れ動きは時々ありえないほどの寄り添いの波が押し寄せて、それがすきなんだけれども、男のひとがかく男女の揺れ動きはそれはそれでとても興味深い。一線かくしているし、女のひとの観察がすごくて、はっとさせられた。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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