雨やどり (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 135
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087495669

作品紹介・あらすじ

舞台は新宿裏通りのバー街。「ルヰ」のバーテンダー仙田を主人公に、彼の前を通り過ぎて行く、いろいろな男と女の哀歓漂う人間模様を描き出す連作。直木賞受賞の表題作をはじめ、「おさせ伝説」「ふたり」「新宿の名人」など八篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿歌舞伎町の夜の世界を、連作短編で描く。
    1990年に文庫化されているので、古き良き時代?
    人情や仲間意識が強く、何かあると皆が集まる。
    バーのオーナーやバーテンダー、ホステス。
    みんな何かと訳ありである。
    そんな一昔前の夜の世界を垣間見ることができる。

    2019.10.10

  • 昭和の時代の隙間から新宿の夜の街に流れ着いてきた人たちが、人情で繋がっている。かつてこういう時代があったのだなぁと思ったが、今も形を変えて息づいているのかもしれないな。
    新宿の夜の街という舞台がみんなの逃げ場所であるようにも思えるし、結果的にただ少し時間を潰しただけの人もいれば、次第に浸かりきってしまう人もいるのだろう。どちらにしても夜の世界のこと、男と女の駆け引きはよく分からないことだらけだ。

  • 直木賞作品の表題作を含む8編の連絡短編集。第1話の「おさせ伝説」を読むと、さすが「戦国自衛隊」の作者だけあってSF的作品が連なるのかと思いきや、残りは昭和の古き良き新宿を舞台にした酒と人情の世界を描いた作品ばかり。

    どの短編にも登場するのがベテランバーテンの仙田。彼が主人公や狂言回しとなり、様々な新宿の夜の顔を紹介する。

    ちなみに、作者曰くバーやクラブ、キャバレー、スナックに違いはないとのこと。その店が名乗れば、それはバーとなり、スナックとなる。こうした境界のない混沌した世界を、住民たちは堪能する。

  • 新宿をバーを舞台に展開する物語。
    短編集だが、けっこうそれぞれにつながりがあったりする。

  • 『新宿馬鹿物語』
    おさせ伝説
    ふたり
    新宿の名人
    新宿の男
    かえり唄
    雨やどり
    昔ごっこ
    愚者の街

  • この本、何冊かったかわらない。ふらりと入ったときわ書房で平積みされていたから思わず購入。何回読んでもこの世界観いいなぁ。

  • 新宿。Bar。男女の間で揺れ動く心の機微。
    都会の喧騒の中で、実は人情深い登場人物たち。
    飲食提供店の内部事情も見え隠れしていて、興味深い。

    この作品が直木賞を受賞したのは、40年以上前だが、今も尚、面白い。
    舞台となっている1970年代の新宿。
    その人情風情が、現在も残っていることを願う。

  • 半村良さんといえば伝奇ものが有名だけど、こういう人情物が捨てがたい。
    「忘れ傘」と本作「雨やどり」が一体となっている気がする。
    新宿のBarを舞台に繰り広げられる人間模様、エアコンが程よく効いているのに湿度が感じられる作品、何度読んでも飽きない。

  • 粋な味

  • なんだかしみじみとした昭和歌謡が聞こえてきそうな、そんな雰囲気が全般的に漂っていまして。

    だがそれがいいんですよね。理屈とかより、人情先行の湿っぽいお話が。

    治安も良くなくて危うさをはらんでいるけれど、温もりが残っているような世界観。昨今、絶滅危惧種状態のそんな界隈が、体験したこともないのに何故かノスタルジックに感じられるんですよね、この本。

    活字だけでその雰囲気を味わわせてくれる本作。それは作者の技量故なんでしょうかねぇ。ちょいと新宿の馴染みの店に行きたくなってきちゃいました。

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