熱帯安楽椅子 (集英社文庫)

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  • 集英社 (1990年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784087495928

感想・レビュー・書評

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  • 10代後半から20代の頃、一時期、山田詠美ワールドにはまっていた時があり、たしか、この作品は一番最初に手にしたもの。彼女の作品の個人的なイメージは熱気。ふつふつと立ち込める熱気の中にたたずむ感じ。閉じ込められた熱気を煽ったあとは気持ちの良いスコールシャワーで全身を解放する。まさに五感が生き返るみたいな。。
    今作はバリ島を舞台にした恋愛小説ですが、行ったことのない南国の海、空、雨、夜、朝、太陽、匂い立つ空気まで、感覚で楽しむ小説です。小説の世界に恋い焦がれたのはこれが最初だったかもしれません。一気に読めます。

  • もうね、大好き‼‼

    邪道かもしれないけど、正直ストーリーとかどうでもいい。
    何より注目していただきたいのは、熱帯特有のエロさ切なさ寛容さを文章でとてもリアルに表現している事。

    ある一節で、バリの地元のオバちゃんから民族衣装を着せてもらい乳首に紅塗って首元に練り香水につけてもらうシーンがあるんだけど、これがもうっ!!
    読んだ時にね、フワッと甘い香りがして、背筋からお尻にかけて撫でられた様になって、濡れた。
    文章に愛撫された事なんて、今まで無かった。

    後ね、市場で買った蜂入りの蜂蜜。巣から出ている蜂のお尻は蜜で濡れていて、後部座席で新聞をじっとり湿らせる。ってシーンなんてエロ過ぎ‼
    南国特有の暑さと甘い香り合わさった時どれだけエロい気分になるのかを、さすが!よく知っていらっしゃる!
    ウェイターを口説き落とそうと紅い口紅をつけたけど、白いカップについた自分の跡を見て、この国に似合わない無粋な事をしたと思うシーンとか、すごい好き!

    そして、始まりは身体なりゆきは心。
    すごいよね。素晴らしく現実的だよ。

    だってさ、恋愛感情って基本性欲じゃん。好きな男できたら触りたいしKissしたいし寝たいでしょ?
    手が好きとか、目が好きとか、声がイイとか、まぁ理由は色々だけどさ、結局は欲しいんじゃん。
    じゃなきゃ付き合う意味ないし。

    でもね、ちゃんと心から始まる恋愛もあると分かってるから言えるセリフだよね。そんな恋愛の方が本当は辛くて淫靡だよね。

    この本読むなら、是非そういう所に注目していただきたい!
    そして語り合おうよ‼

    • りるさん
      感想の速さとクオリティにびびった。
      ちょっと自己反省する。。。(^_^;)
      読みたくなったよ!よむね!
      感想の速さとクオリティにびびった。
      ちょっと自己反省する。。。(^_^;)
      読みたくなったよ!よむね!
      2012/02/14
    • りるさん
      今借りてよんでるよ^^
      今借りてよんでるよ^^
      2012/03/03
  • インドネシア、バリ島でのお話。本人の体験談も含まれるのでは、と言われています。

    私はバリへ何度も訪れ、長期滞在もしていますが、バリの描写が凄く上手だなと、読む度思います。
    あのねっとりした暑さとバリ人の雰囲気、祭りの時期や普段の生活の様子、自然など、日本にいる時に読んでバリに浸っています。

    内容自体は、ほぼ官能小説なんですが笑

  • バリから帰国後、読み始めて読了。

    何と表現していいのかずっと言葉にしあぐねていた、バリの空気や人々の、感情を含まず受け入れるというような感覚を、この小説の空気を濡らす水分やスパイスの匂いや空に溶ける太陽の赤のように漂う言葉は、あまりにもしっくりと伝えてきて、浸み込んでしまう。

    当地の空気を実際に感じてきた後に読んで良かった。
    そして今年最初の本としても。

  • 初めてこの著者の書いた小説を読みました。
    確かに、性的な描写に対する耐性が無いと気持ち悪く感じるのかも。人を選ぶのでしょう。
    私は、美しい描写だなぁ、と。足首の鎖が印象深かった。きっとまた読みます。

  • 最後の一文がよい。

  • 5P目で文章から醸し出される自己陶酔に酔った。電車内で読み始めたので初めは電車に酔ったのかと思くらい眩暈や吐き気を感じさせた。古い本をBOOK○FFで購入したためか、独特のスタンプされたような書面と茶色の紙、という構成だったのも陶酔感を強くさせていたと思う。

    山田詠美さんの作品は何冊か読んでいますが、どれも作品への陶酔が凄まじく何冊も連続で読む気はしない。でも時々読んだら新しい世界が開けたような興味深さがある。
    すごく甘くて変な色のお菓子で身体に悪いし正直美味しくないんだけど、どうしてか全然やめられないとまらないからパクパク全部食べたあとの状態。もういらない!と思うけど時々思い出して食べたくなる。

    バリにはいったことがないですが、暑い地域や季節にしかない独特の物悲しさは感じたことがある。それが文中から伝わってきた。
    何度も読まなくても、記憶に残り時々思い出しそうな作品でした。

  • 小説書きが失恋してバリに行き、そこで愛をするお話。
    (これは著者自身のことを書いてるのかなぁ~。)

    短く言えばそうなんだけど、これはもーっと奥の深い小説。
    愛すること愛を感じることを南国の島で実感するのよ。

    いつもこの人の作品を読んで思うんだ~。
    体を合わせるシーンが何度もでてくるのに厭らしくなく、それで官能小説のように安っぽくない。
    この人の表現力ってすごいな~。って思う。
    今まで何百冊も読んできたのに、この人の文で表現する力ってダントツだと思う。
    どんな生き方をしてどんな考え方をしたら、こんな表現力が生まれてくるのか不思議で仕方ない。

    今まで何冊か山田詠美の本を読んできたけど、この本が一番好き。
    読んでて関心するほどの表現力に、南国のきれいな景色、そして二つの相反する愛が織り込まれて、読み終わった後、泣きそうに胸にこみ上げてくるものがあった。

  • 図書館から借りました


     現代物。インドネシア・バリ島が舞台で、主人公は日本人の女(彼女の一人称)

     恋愛小説ではない。どちらかというと、性愛小説だが、ポルノではない。
     ・・・・・・ジャンルが難しい。
      不倫して、男にのめり込みすぎて、愛しているために疲れた「私」は男友達(寝る関係)に勧められて熱帯の国へゆく。滞在費とかは全部男友達のおごり。(羨ましいね

     そこで、現地の男をつまみ食いしてまわるうちに、ワヤンというホテルの給仕と関係を持って、彼とだけするようになる。
     ワヤンの友人で、白人(男)の愛人をしている青年と、その弟に出会う。
     弟のトニは耳が聞こえず、喋れない。ただ、彼女を見つめる。


     これは無夜にとっては「マヨネーズをのせた卵かけご飯」みたいなものかなー。
     他人にとっては美味しいのでしょうが、なんか気持ち悪いのです。

     男は美味しい。男は甘い。汗の味がどうたらこうたら~。

     胃が受け付けないので、ごめんなさい。
     元気なときは食べられるかも。
     美味しく天ぷらが食べられる人と、天ぷらってぎとっとしているから嫌っていう人といるから。
     そう、これ。
     こってりとしていて、疲れるのです。。 

  • これは衝撃的作品だ。
    数々の賞を取っているのを知りながらも、山田 詠美という人は、私の中では、文豪の肩書きに収めるには、少し浮いた存在だった。
    奇才、とも違う。
    じゃあなんなんだと聞かれたら、奔放に自分に正直に生きている女性に、たまたま神様が表現力を授けた結果、こういう小説家が生まれました、としか言いようがない。

    主人公は、女子力なんて鼻で笑い飛ばすほどの、徹底的に女たる女であり、
    甘える事のプロフェッショナルであり、
    同時に欲望と怠惰に忠実で、打算をつきつめすぎて正直で無垢な女である。
    つまり、おいしく食べやすいように加工されたワガママな女である。

    物語は、彼女が恋人に唾を吐きかける事からはじまる。
    男は汚いものとして唾をぬぐった。それをみて彼女は恋の終わりを知る。
    彼女は重大な過ちに気がつく。
    男を一人だけ選んで愛してしまった事は、間違いだったのだと。
    再び自分を甘やかすために、彼女は熱帯のバリへ、リゾートにでる。

    彼女は決して美しくはない。
    しかし確固たる自信に溢れている。皆が私を好きなのだと言い張る。
    皆が娼婦だと指さしても、どうして皆がそれをしないのかと首をかしげる。

    四行に一度くらいの割合で「!?」と驚かされる。
    台詞に、感性に、展開に、そして文才に。

    自身の作品について、山田詠美は幸福の吐瀉物と表している。
    そしてその吐瀉物はお金を稼ぎすぎてしまった、と。
    山田詠美がまったく謙遜と無縁の人物だと仮定して。
    いやいや。作品は出産レベルですよ。
    この人にとっての普通が、世間的には希少な感性であり、
    それを不快感薄く、ただし深く伝えられる文才を兼ね備えていて、
    当人の自覚以上にこの作品には価値があると、私はおもいますよ。

    所々、えwそれはさすがに勘違いじゃね?と思ってしまう説得力のなさと、
    本人の写真が余計だったので☆をひいて☆4。

    この本のしおり紐が、南国を思わせる草のような素材だったのは、
    私が手にとった本だけたまたま?
    仕様だったら素敵だなー。

  • まさかの少年…だと…

  • バリの話だ!というだけで★5つつけちゃう単純なわたし。くらくて暑いバリ。体温も気温もすごくつたわってきてこれすき。

  • こりゃ良かった。

  • 高校を卒業した年の春に読んだ一冊。センター試験の過去問で山田詠美の作品が出てきたことから購入したが、どうやらまだ早かったようだ。
    旅先で出会った男性と恋人になる話はあまり高尚なものに思えなかったし、心情に共感することもできなかった。さらに、女というものの弱さを見せつけられたようで、イライラした。
    10年後に読めばまた違う見方ができるかもしれないので、その時に期待してみたいと思う。

  • インドネシア、バリ島などを舞台とした作品です。

  • 文章を読んでいて、これが直木賞作家かい?と感じた。
    まずはそこから始まる。
    しかし、このひと、芥川賞候補に数度ノミネートされたのち、
    直木賞を受賞しているわけで、いわゆる両刀遣いなのだろうね。

    文章自体は酷くあっさりしている。
    しかし、淀みなく流れるようにきれいに紡ぎだされている。
    音読すればきっときれいだろうなと感じる語感。
    それでいて、淫靡な単語や表現が繰り返される。
    しかし、それでいてあっさりしている。
    それは著者が淫乱であることに対して、
    潔く、「その通り」とあっさり認めているからに他ならない。

    解説は主に、
    「始まりは肉体である。なりゆきは心である。」
    というフレーズについて語られており、実はその一文は、
    読んでいて一番印象にのこったところでもあったので、
    なるほどなぁと感じる。
    あとがきのひとはどうにも山田詠美擁護に走りすぎていて、
    なんというか、「ブレーン」みたいな感じだった。
    ちょっと偏りすぎてるかなーと。

    しかし、このフレーズ。
    すさまじすぎる。
    たしかにひとつの真理でもある。
    外見でいいなと思って、
    内面でこのひととならやってもいいかなと思いやる。
    とは言っても、この登場人物には、まずやる。
    やって、こころのつながりを感じたらさらにやる、
    という感じになっていくのだろうが、
    (となると、ひたすらやりまくる、ということになる)
    しかし、外見から入る、っていう感じだと、
    的を得ているし、ここまで直裁にこの言葉を、
    ためらいもなくかけるのはやはりすさまじいと感じる。

    ただ、著者も、このあとがきの方もひとつ誤解なされておられる。
    ひとに対する好きになりかたは、なにも、
    「ひとつではない」のである。

    身体から好きになることもあれば、
    心から好きになることもある、
    声から好きになったり、文章から好きになったり、
    そんなものいくらでもあるわけで、
    そして、「自分は身体からー」と決めつけるなんて無意味である。
    なぜなら、結局、人間なんて好きになったひとが好きなのであって、
    どういう理由で好きになるかなんて自分でもわからないのだから。

    しかし、文体としては内田春菊に近いのかな。
    ただ山田詠美はほんとうに滑らかだ。
    しかし、こんなひとは手に負えないだろうな。
    このひとは同時に何人でも平然と愛しちゃうし、
    愛されちゃうから、
    誰のものでもあって、それゆえに、誰か特定のひとのものにはなりえない。

  • 熱を帯びた文章が大好きです。

    また読みたい。

  • 今まで読んだ詠美さんの作品とは違った印象のストーリー。
    恋に疲れた主人公の一人称で書かれている。

    妻子持ち(たぶん・・・)の男性にどっぷり浸かってしまった主人公が、恋に疲れ、バリ島へ行く。そこで出会う現地の人々に癒されていくと言えばありがちがストーリーなのだが、そうはエイミーさんが許しません。現地の人との肉体的な関係によって心の治癒をしてゆくわけです。

    体験談から話を書くことが多い作者なので、これもそうなのかと思ってしまうほど、リアリティがあります。部分的にはそうなんでしょう・・・きっと。

  • 恐らく、山田詠美自身の体験を書いた本。
    男を愛してしまった「私」が、バリで自分を取り戻すというお話。

    私は、バリがとても好きで、何度もバリに行っているが、
    山田詠美のバリ観に非常に共感できる。

    景色の描写も良い。
    特に、トニが見せてくれる夕日の忘れ物は、想像しただけでどきどきしてくる。

    ちょっと今の彼に疲れていたので、

    不在と実在を混合して人を愛すると、ろくなことがない
    とか、
    今目の前にある現実だけを愛する
    とか、
    色々心に響くものがあって、ちょっと気が楽になった。

    孤独な時間にもんもん考えるよりも、「目の前にいる」彼が好きで、楽しく過ごせれば、
    それが一番幸せではないかと。
    (たとえ彼が浮気してたとしても、上記の考えであれば、浮気も許容できると思う)
    人それぞれなので何ともいえないけど・・

    これまでの私は、確かにそう生きてきたし、
    他人が見たら、「体だけ」って思うかもしれない関係にも
    非常に深い心のつながりは生まれていたことを思い出させてくれた本でした。

    バリ行きたい!!

  • 文章がゴテゴテ装飾され過ぎて、骨組みがぼやけてる印象で読みにくい。メッセージが伝わって来なくて、読んだ後に何も残らなかった。山田詠美の本は2冊目で、どっちもすごく期待はずれなのだが、私の趣味に合わないのだろうか…。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。85年「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞、作家デビュー。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、2001年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』『賢者の愛』『珠玉の短編』ほか著書多数。

「2025年 『Amy's Kitchen 山田詠美文学のレシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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