いちご同盟 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 3812
レビュー : 469
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087497571

作品紹介・あらすじ

中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 帰省中に読む本が無くなってしまったので、実家の本棚をあさってなんとなく読んでみた。

    中3の男の子と女の子の、生きることと死ぬこと、夢と現実、恋愛と青春、希望と絶望、喪失と再生、そういうものを描いています。
    甲子園を目指すヒーローと、不治の病の幼馴染の少女と、音楽高校を目指す主人公と
    三角関係であり、友情であり、初恋であり、成長の物語でもある。
    15歳だからいちごってことで、甘酸っぱいストロベリーは特に関係ない。
    どっちかていうと、ラヴェルやベートーベンのピアノソナタのイメージ。

    10代の時に読んでいるんだけど
    あのころより何倍も伝わってきて理解できた、という気がしました。
    その真っただ中だと、青春が青春だとまるでわかってない。

    全然違うが、阪神大震災で亡くなった友人を思い出す。
    あの唐突に本当に突然に、強制終了みたいな終わり方。
    私はもうあのころの倍以上の年になってしまった。
    1月17日だけでなく折に触れて彼女のことを考えるのはとても大事なことだと思う。
    100歳まで生きて100歳まで彼女のことをこうして思い出せるかな。

    • nejidonさん
      tiaraさん、こんにちは♪
      いつもたくさんお気に入りに入れてくださってありがとうございます。
      この本があまりに懐かしいので思わずコメントし...
      tiaraさん、こんにちは♪
      いつもたくさんお気に入りに入れてくださってありがとうございます。
      この本があまりに懐かしいので思わずコメントしています。
      三田さんの本が、流行ったときがあったのですよ。
      10代の頃より何倍も伝わって理解できたという部分に、とても共感しました。
      あの年代をターゲットに書かれたものだと思うのですが、肝心の自分に理解力がなかったということ、よくあります。
      もちろん、当時は分かったつもりでいたんですけどね(笑)

      お友達を震災で亡くされたのですね。私も同じです。
      思い出さなくなったら、もう一度その友達を亡くすことになります。
      なので私も、日に一度は思い出しています。
      100歳まで生きて・・・素敵な言葉ですね。私もそうなりたいです。
      2013/08/09
    • tiaraさん
      nejidonさん
      素敵なメッセージありがとうございます♪

      この本、懐かしいですよねー。
      当時でもそれなりに共感して、感じるものはあったん...
      nejidonさん
      素敵なメッセージありがとうございます♪

      この本、懐かしいですよねー。
      当時でもそれなりに共感して、感じるものはあったんだけど、今になって深く分かることってありますよね。
      やっぱり視野や世界が狭かったのかな、という気がします。

      >思い出さなくなったら、もう一度その友達を亡くすことになります。
      本当にその通りですね。
      この本の中で、少年二人が100歳まで生きて100歳まで彼女のことを覚えていようと約束するのです。
      私たちも、覚えていましょうね。
      2013/08/09
  • ・つらくてもいいから、生きていたい…。でも、どうしようもないのよ。私には選ぶ権利がない。ドラマが始まったのに、山場も来ないうちに、チャンネルを変えられてしまう。残酷な仕打ちだと思わない? でも、私は運命を恨むわけにはいかない。運命が、あなたを私の前につれてきたのよ。だからあたしは、この運命を、喜んで受け入れようと思うのp190

  • 15歳の男子2人と女子1人の甘酸っぱい青春を描いた作品読んだのは20代中盤だった。物語は単純だが心に刺さり、胸に詰まる感覚が忘れられない。小説ほどドラマチックではないが自身の経験を重ね合わせるところがあるのだと思う。社会に出、家庭を持った大人に読んでほしい!

  • 中学三年生の良一は、高校受験や
    自分の将来に悩み、死さえ考えたー。
    同級生の野球部のエース・徹也を通じて、
    重症の腫瘍で入院中の少女・直美と出会うー。


    良一が小学5年生の時、近所のアパートで、
    小学5年生の少年が飛び降り自殺をした。
    ピアノを弾いて無口だが、自分の世界を持ってる良一。
    受験や将来に悩み、少年が自殺し場所に何度も足を運ぶ。
    自殺に憧れているー。
    その少年の気持ちがわかるような気がしていた…。
    ある日、野球部のエース・徹也に撮影を頼まれた事がきっかけで、
    徹也の幼馴染の直美と知り合う。
    直美は、重症の腫瘍で入院中だった。
    野球の試合に全力を尽くして直美を力づけてる徹也。
    良一も、直美の見舞いに行き話し相手となる。
    いつしか、惹かれあう良一と直美。

    ガラス細工の様に繊細な良一の心にヒリヒリ。
    自分の命はもう長くないと悟っている直美も切ない。
    人気者で優しく明るく振る舞っているが、
    繊細な感情を持ってる徹也も切ない。
    良一と徹也の友情も美しかったし、直美の心も美しかった。
    良一は直美を通して「死」を真正面から感じる。
    そして、それは同時に「生」を考える事だった。

    中学生の危うく繊細な心を平坦に美しく描いていました。
    15歳で読みたい作品でした。

  • 2015年だし、2015年らしい作品を…ということで、一五にかけて読んでみた一冊。この作品を読まなければわかるようにならなかっただろう、両親のことがひとつありました。そんなこともあるんだなと。夫婦の間に子どもができると、確かに見えていた景色が変わりそうだと思えた一冊です。興味のある方は2015年中にぜひw

  • 教科書に載せれるほど、素直な文章で読みやすかった。
    せひ夏休みに読む指定図書にして欲しい。
    すでになってそうだけど。
    生と死について悩む十代のアンバランスさ。
    子供から大人へと様々な人を会して成長して行くことを
    少年ならではのもどかしさと共に描いている。

  • ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が好きだったことをきっかけに読みました。この本を読んでから、この曲を聴くといつも良一と直美を思い出します。

    わたしもピアノを割と真剣に習っていたので、良一の表現力が一皮剥けていく感覚に、自分の経験を重ねたりもしました。

    初めて読んだときから6年が経ちましたが、何度読んでも、どうしてだか分からないけど涙が出てきます。この気持ちは何なんだろうか…。

  • この作品をなぜ読もうと思ったのかといいますと、君嘘の作中にでてくる本なのです。マンガを読んだあとにしったのですがこの作品は、新川先生が君嘘を描くにあたってオマージュしたであろうということが伺えた作品でした。主人公はピアノを弾く男の子。死に魅了された男の子の話でした。そこに普段あまりかかわりが無い野球部のエースの同級生が主人公に自分の試合風景をビデオで撮影してくれと、これは人と命に関わることだと。わからないまま、約束をする主人公。ビデオは入院してる少女に見せる為のものだった。憧れるように死を見つけていた少年が、死から逃れられない少女とであって・・・揺れ動く繊細な心がその少女によって傷つけられたり、嬉しくなったり、心の成長物語だと思いました。もし君嘘を読んでいてこちらを読んだことがなかったらぜひ読んでみてください。あの場面この場面でのセリフが、このいちご同盟に繋がってることがわかって、更に涙を誘うことでしょう。これはネタバレかもですが 題のいちごは、苺だと思ってましたがちがってました。ある約束をするのですが、そのときの同盟名なのです。切なくなりました。この約束を守ることは心の枷になってしまうのではないかと・・・ふとしたことで罪悪感にさいなまれることになるのではないかと・・・純粋な頃の約束・・・守って欲しいよな、守ってほしくないような。

  • ピアノを弾く夢を見た事を思い出しました。
    暫く触れられることを忘れられていたそれは、完全に調律が狂い、殆どの音が出ない。
    重かった。鍵盤1つ1つの重みに、それまで生きてきた自分の人生を重ね合わせて、静かに蓋をしたのでした。
    理想と現実が違うだけで、そんなにも死を選ぶほど人間は脆い生き物なのでしょうか。
    一方で、何も持たなくとも、必死に命と向き合う少女がいる。傷付けたって、罵ったって、どれだけ困らせたっていいじゃない。
    生きていれば!いいじゃない。
    私には耐えられない...。だから貴女は果てしなく強い。
    進路、虐め、自殺、病気...終盤ふと気付いた。彼等はまだ子供だということに。
    一五同盟、それはこの先きっと、彼等が大人になっていく上で、死にたいほどの山にぶつかろうとも、その約束と少女の魂が支えてくれる。彼等は必ず、生きていくのでしょう。

  • 読みたいリストより
    悲しかったが、
    しぬほどすき はすごい

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著者プロフィール

1948年大阪生まれ。早稲田大学卒業。1977年『僕って何』を「文藝」に発表し、芥川賞受賞。以後、小説、評論、エッセイと幅広く活躍している。著書に、『いちご同盟』『空海』『西行 月に恋する』他多数。

「2017年 『白村江の戦い 天智天皇の野望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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