凪の光景 上 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087497762

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  • 作家としての立ち位置と自己認識を示した作品。彼女が具象化した時代的テーマの数々。
    長男謙一夫婦の、キャリアーウーマンと不倫。ファミコン世代の子供達。パラサイト的若者像。極め付けは熟年離婚だ。
    佐藤愛子は「小説の基本は、人間について考えることです」と語っている。まさに昔気質の作家だ。遠藤周作は「学校を出て彼女は軍人の妻となり、そのご主人に死なれ、数々の苦労をしたらしいが、戦中派の女性はみんな、そんな辛い人生を味わってきたのである」と評している。
    そんな彼女が書く作品は、中年女性に人気があるのかベストセラーを出し続けている。

  • 教育への信念、情熱だけを生き甲斐にしてきた
    元小学校校長の丈太郎。

    戦後の苦しい時代に夫に黙って忍従することが
    妻の務めだと思ってきた妻、信子。

    民主主義社会の中で、自己の主張を抑え
    優しい夫を演じる、息子の謙一と
    教育熱心でキャリアウーマンな妻、美保夫婦が2世帯住宅で同居しています。

    物語は、信子が戦時中に夫の為に忍んで失った青春の日々を
    今から取り戻すと決意するところから始まります。

    これからは自分のために、楽しい余生を送るのよという妻、
    家族から時代が違うんだからとその熱血さを疎まれる、夫。

    熟年夫婦の葛藤が、和やかなタッチで描かれています。


    特にこれと言って読みたい本が無い人、
    サスペンスとかミステリーは飽きてしまって
    ちょっと心穏やかに小説をのんびり楽しみたい人にお勧めです。

  • ある家族のドラマ。これはいい本

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著者プロフィール

佐藤 愛子(さとう あいこ)
1923(大正12)年、大阪に生まれる。甲南高女卒。
1969(昭和44)年、『戦いすんで日が暮れて』で第61回直木賞、1979(昭和54)年、『幸福の絵』で第18回女流文学賞、2000(平成12)年、『血脈』で第48回菊池寛賞、2015(平成27)年、『晩鐘』で第25回紫式部文学賞を受賞。2017(平成29)年、旭日小綬章を授賞。ユーモアあふれる世相風刺と人生の哀歓を描く小説およびエッセイは多くの読者の心をつかむ。
著書に『九十歳。何がめでたい』(小学館)、『私の遺言』(新潮文庫)、『晩鐘』『血脈』『わが孫育て』『我が老後』シリーズ――『我が老後』『なんでこうなるの』『だからこうなるの』『そして、こうなった』『それからどうなる』『まだ生きている』(以上、文春文庫)、『ああ面白かったと言って死にたい――佐藤愛子の箴言集』『幸福とは何ぞや―佐藤愛子の箴言』『そもそもこの世を生きるとは―佐藤愛子の箴言集2』(以上、海竜社)ほか、著書多数。

「2019年 『ガムシャラ人間の心得』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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