白い手 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087498189

感想・レビュー・書評

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  • 何気ない日常の中に起こる些細な出来事が、小学生の男の子目線で大事件のように語られており面白い。白い手の女の子の話では、男の子の胸につんと沈み込む言い表しようのない感情が伝わってくる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688997

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    親分格のヒロミツ。括約筋の働きが悪い松井。コロッケ屋の息子・神田パッチン。そして思い出しても“しん”とした気持になる〈白い手〉の女の子。海がひかり、風がおどり、森がさわいでいたあの頃。歩いていく先すべての風景が優しくするどく輝き、いつも何かがキラキラしていた少年たちの黄金時代。シーナとその仲間たちがくりひろげる、冒険と試練と友情の物語。

  • 昭和の少年たちを生き生きと描く。
    子どもでも男のプライドにこだわり、ケンカと冒険に明け暮れる少年たちは微笑ましい。
    松井君と白い手のエピソードが柔らかさを与えている。語り手の少年が椎名誠のように思えるが、松井君もまた椎名誠なのだろう。
    昭和の子どもたちのきらめきが目に見える良作。
    でもLGBTの人たちは本当に生き辛かっただろうなと思った。子どもですらこの男女差。自然や冒険が減ってしまったのは残念だけど、多様な生き方ができる今の方がやっぱりいいように思う。

  • 小学校の時に読んで改めて再読。

  • 椎名さんは、さして感慨深くもなさそうに書いているが、松井が引っ越したことはとても寂しく、彼が亡くなってしまう『白い手』の女の子のために毎日ハーモニカを吹いたことに痛く心惹かれていたのだろう。そんな松井をかばいつつも、時にかばいきれなかった切なさがよく伝わってきた。

  • 初めは,「うーん,買わなくてもよかったかも」と思ったけれど
    最後まで読んだら,じんわり沁みた。
    シーナ少年の日記みたいになっていてとても読み易かった。

    世代は違うが,小学生のときの自分の「世界」
    の小ささはまさにこんなふうだった気がする。
    挿絵も,ボールペンでひょいひょいと書いたようなタッチで
    物語によく合っていたと思う。

  • 昭和のこどものお話。
    学校でウンチをするのは男子の沽券にかかわる。わかるなあ。
    こども時代のおばかな自分を思い出します。
    デジャブだな~。

    2012/06/30

  • 初めて読んだ椎名先生の執筆本。
    どこか懐かしさを感じさせる。
    小難しい表現がなく、ゆるゆる読み進めることができる本。

  •  同年代の作家が書く作品、とくに自叙伝やエッセイなどは、共感する部分が多いのはわかります。
     でも椎名さんは私より一回り以上違うお方。

     時代を感じさせる表現は随所にありますが、対象は何であれ何かに興味をもち行動する少年の気持ちは不変なのでしょう。
     私はこういう少年時代を描いた小説は大好きです。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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