スパイ武士道 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087500349

感想・レビュー・書評

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  • 摩訶不思議な読み口のエンタメ時代小説。

    序盤でとてつもない任を帯びる虎之助。北陸の小藩に本当にそんな秘密が?一体どうなるのか!
    加賀ッ原の戦いのアクションでいや期待は高まる…のだが、その後手掛かりがなくどんどん年月が経ち、藩政の腐敗は進み、色に溺れる虎之助。

    義か利かの狭間で揺れた結果の大立ち回りは爽快なのだが、そこに至るまでのひとつの物語としてはやや緊張感を損なっているような。

    特に鍵となる「八万両」の結末については本当にがっかり。


    51刷
    2021.5.22

  • 江戸幕府開府という時代構成からして
    おお、そこか…!
    と思い、図書館で借りた本。
    やたら主人公が人間らしい欲のある人物。
    そこがあえていい感じ。

  • 日本海に面した10万石の筒井藩に潜入し、一子相伝で幕府隠密の秘密を守ってきた弓家。9代目の虎之助の代にあっても忍びの修行怠りなく、公儀の密命に当たれるというのがワクワクさせる。本筋は、公儀が筒井藩の埋蔵金に目を付けたことから始まった騒動の中、筒井理右衛門老中も良い味を出していた。堀口左近老中の妹の豹変ぶりは、著者の、というよりその時代の女性観の現れであろうが、今読むと少し引いてしまうな~

  • 筒井藩士でありながら、その実は幕府から派遣された隠密として、スパイ活動をする主人公虎之助の活躍と苦悩。正江のキャラがはっきりしない。

  • 代代駐藩幕府隱密弓虎之助奉命刺探藩內所藏黃金八萬兩,在過程中獲得左近的賞識步步高升,但是身不由己地捲入酒井老中想讓分家取代本家的陰謀....
    這本書還是寫得很池波,小細節也寫得相當不錯,只是有點脫戲拖太久的感覺,節奏安排不夠緊湊,這是唯一的缺點。但最後高潮和結尾也都很寫得不錯,只是收了巨額賄賂的酒井老中還算有良心,換成其他國家就絕對不適用了。此外另外一個小主題其實是在寫左近的妹妹正江(池波很喜歡寫女性的變化),這角色其實並不令人討厭,最後堵虎之助比幕府還專業的癡情也不禁令人莞爾。整體來說中段太拖戲的部分有些扣分,還有解說佐藤的性別歧視發言令人不悅,是部還不錯的小品。

  • 池波正太郎の作品は歴史小説、忍者小説、人物伝、江戸の女たち、エッセイ等いくつかの系列があるが、そんな数多い小説のなかでも見逃すことのできない作品がこの忍者物である。また、池波氏の作品は一度目は夢中で読んでしまうが、再読三読してみると奥行きが深くなり読むたびに新しい何かを発見する。それにしても男と女の愛を描ききるのは至極である。

  • 池波正太郎らしい時代物。
    筒井藩士でありながら、その実は幕府から派遣された隠密として、スパイ活動をする主人公虎之助の活躍は読んでいて、胸が高鳴った。
    また、それだけではなく、藩の情報を得るために、筒井藩家老に接近して行き、やがては気に入られて、立身出世していくサクセスストーリーとしても面白い。
    ただ、ヒロイン正江の魅力が無いのが残念。ただの考えなしの色情狂にしか見えない…。

  • 現代のスパイさながらの、武士の話です。

    渋い。。

  • 出版社/著者からの内容紹介
    徳川幕府が諸藩へ潜入させた隠密群があった。その1人である筒井藩の弓虎之助に、藩の遺金8万両探索の密命がくだった…。幕府と藩の間に立って苦悩する隠し隠密の生きざま。(解説・佐藤隆介)

  • 池波先生の話は戦闘シーンがかっこいいです。藩政に関わることなのに政治関係のことが分かりやすく書かれてますし、ラストはちょっと微妙ですけど、読みやすい作品でした。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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