馬は土曜に蒼ざめる (集英社文庫)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087501599

感想・レビュー・書評

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  • 発表から半世紀を超える【筒井康隆】の八つの短編集。50年の時を超えて、作品の独創性と奇抜さをベースにした筒井ワ-ルド・マジックの巧妙さに、巻き付いた舌がほぐれないまま、溜め息つきながら文庫本を閉じる。

  • 筒井は定期的に見たくなってしまうんだよなあ。過激であって文学であって地獄であって円環であって車輪であって銀箔であって焼却炉であって俯瞰であって脳挫傷であります。綺麗な物語構築なのよ。いつになっても飽きないディナーなのよ。

  • 奥付は昭和58年22刷。単行本を本書と『国境線は遠かった』に分冊したとWikiで知った。著者の作品としては比較的初期のものだが、ドタバタSFの作風は安定している。「人類の大不調和」は1970大阪万博を舞台に、不穏な世界情勢への皮肉を込めた作品。「肥満考」は中年の女流作家が壊れていくさまが現実→虚構→現実に推移していく筆致で面白かった。本書最後の表題作も、シュールな落ちだった。

  • 内容紹介
    目が醒めたら馬になっていた。交通事故のため、おれの五体はぐじゃぐじゃ、脳はサラ4歳馬ダイマンガンのものが移植されていたのだ。空想と狂気と笑いで綴るパロディ。

  • 初めて筒井ワールドに触れたので、こんな楽しい小噺があったのかと感動すら覚えた。高橋源一郎のような自由さとも思うし、はたまた、いや手塚治虫の短編マンガを読んでいるような。俗世の面白さを神経質にならずに表現する楽しさ。読書ってもっと気楽で良いのですよね。

  • 最後の最後で爆笑(笑)。思わず「あ〜悔しいわ〜笑っちゃったわ〜」って歯を食いしばりながら喜んじゃいました(笑)。筒井先生、さすがです( ^ω^ )
    長編を読んだ時は、
    「筒井先生やっぱスゴイわ…天才だわ…(ドャァ」
    な感想にしかならないんですが、短編読むと「あれっ、何この人、もしかして変な人じゃね?(褒め言葉)」ってなるのよね〜(笑)
    短編ってもともと感想書きづらいけど、筒井作品はその傾向強くなるなあ。下記の要約も、いつも以上に「???」になってしまた…汗

    それにしても、定期的に筒井作品に触れたくなるこの衝動、何なのかしら〜(O_O)
    常習性は無いけど、末長くお付き合いしたい作家様です( ^ω^ )長生きして下さい〜


    ◎横車の大八…建物を壊すことに長けた大八さんの功績。

    ◎息子は神様…光背を持って生まれ落ちた俺の子供は、果たして本当に神様なのか?

    ◎空想の起源と進化…バーで文壇について自論をぶっていた俺は、マンモス狩りに出かけた男連中に蔑まれながらも、女子供に物語を語り続けた。

    ◎混同夢…サラリーマンとは、かくも家庭を犠牲にしながら、身を粉にして会社に尽くさねばならないのか?

    ◎逃げろや逃げろ…学生運動を見物していた男の喜劇的悲劇。

    ◎肥満考…私は太っている。夫はそんな私をニヤニヤと笑って見るばかりで、外に女を飼っているらしい。そして私は、ライフルに弾を込めた。

    ◎馬は土曜に蒼ざめる…事故で見るも無惨な姿に成り果てた俺が目を覚ますと、なんと馬になっていた。まぐさは美味いし、人間社会に疲れた俺にはちょうど良い塩梅だが、大事なダービーを目前に人間の女に発情してしまったのは、さて困った。

  • こんなに特徴的なタイトルだから読んだ記憶はばっちりあるのに、ほとんど思い出せないなぁ。

  • 2011.6.1(水)。¥100。
    2011.6.6(月)。

    刊行昭和45年、文庫第1刷は昭和53年。短篇集。「横車の大八」「息子は神様」「空想の起源と進化」「混同夢」「逃げろや逃げろ」「人類の大不調和」「肥満考」「馬は土曜に蒼ざめる」。カバー裏著者紹介写真は秋山庄太郎撮影。解説小林信彦。

  • やはり、これもブラックユーモアたっぷりです。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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