マイナス・ゼロ (集英社文庫)

  • 集英社 (1982年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784087504910

みんなの感想まとめ

タイムトラベルをテーマにしたこの作品は、1965年に発表された日本SF小説の名作であり、主人公が昭和七年の「大東京市」に取り残される様子が詳細に描かれています。豊かな風景描写は、まるでその時代にタイム...

感想・レビュー・書評

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  • 日本SF小説聡明期の1965年、SF小説専門誌『宇宙塵』に著者初の長編として発表されタイムトラベル物で非常に高い完成度と好評を得るも、1970まで実に5年もの間、単行本化される事のなかった不遇の名作。主人公がタイムマシンで取り残されてしまう昭和七年に誕生した「大東京市」の風景描写は実に丹念に描き込まれており、発表当初の読者に取っては読む事でタイムスリップしたかのような擬似体験が出来た事だろう。終盤のタイムパラドックスは綿密な考証がされており、物語のオチは今見では強引に映る向きもあるが、まとめ方は実にお見事!

  • 2013/8/19読了。
    タイムトラベルSFの名作と名高いが今まで未読だった。コニー・ウィリスの『ブラックアウト』三部作を読んだ後、引き続き時間テーマSFを攻めようと最近の若い人が書いた作品を読んだのだがこれが酷い出来で、口直しに評価が定まっている名作を読まねばと積読の山の中から引っ張り出してきた。口直しにはもったいない名作だった。
    タイムパラドックスのルールとしては最近のSFに比べれば甘いだろうが、その甘さがちょうどいい。その甘さ故の数奇な物語が展開する。
    素晴らしかったのが昭和七年の銀座の描写だ。YouTubeにちょうどその頃の銀座の映像が上がっているが、本書の描写はそれを凌ぐ臨場感。言葉で描くということの力を見せつけてくれる。
    あとがきで著者がこう書いている。「小説にするにあたっては、過去の資料を調べることが必要だった。」思い付きを理屈で固めるだけでは小説にならない。豊かな肉付けが必要だ。本書は『ブラックアウト』に勝るとも劣らない肉の厚い小説であった。

  • 同僚に勧められて手に取った一冊。人に勧めたくなる気持ちがよく分かる良本だった。

    SFと聞いていて、序盤からタイムマシンが登場するのでハードSFかな?と思ったが、実際は昭和への懐古と哀愁が滲む、義理と人情の物語。タイムトラベルはあくまで舞台装置で、描かれているのは人の縁と時代の空気だった。

    何より感心したのはプロットの巧みさ。伏線の張り方と回収が見事で、読み終えて最初に浮かんだのは「上手に小説をまとめるなあ」という素直な感嘆だった。

    SF小説として勧めることはなさそうだけど、心に響く一冊。

  • 随分と昔のSF小説ですが、めちゃくちゃ面白かったです。
    なんとなく話しはよめてしまいますが、最後の方は複雑過ぎてこんがらがってしまいます。
    でもこんなSF作品がやっぱり私にはいいです。
    わかりやすくてスッキリする。
    最高の読書体験でした。

  • 過去に行った時の文章は、少し細かくマニアックに感じて、長く思える部分もあったけれど、全体のストーリーはとても面白い。後半に進むほど引き込まれていき、最後まで一気に読ませてくれるので、ぜひ最後まで読んでほしい。

  • ライターのこと考えると眠れなくなっちゃう。

  • タイムトラベルを扱った、日本SFの傑作。

  • 図書館福袋三冊目♪これは大当たりだぁ♪ヽ(´▽`)/この本を選んで福袋に入れてくれた人ありがとう!タイムトラベルに昭和初期の雰囲気、モロ好みです(*´ω`*)最後の真相が解るシーンはゾクゾクした(゜o゜;)現代の作家さんの新作を追いかけるのに必死で、自分が生まれる前に書かれた話はなかなか手が出せなかったんだけど、これからは読まなきゃ‼

  • 二度目の読了。
    時間の収斂作用?で、クライマックスに話がまとまっていく様は爽快。
    軽快な語り口だけど、奥が深い物語の構造。

  • 久しぶりの名作。自分が生まれる前の作品をこんなに楽しめるなんて、素晴らしい作品の価値は不変だなぁと思いました。

  • タイムマシン系の話は大好きです。

    過去や未来で自分に会ってはいけない!みたいなパラドックス
    はないのかな。そこだけ気になったけど、あとはちゃんと
    ツジツマが合っているように思う。

    ふとしたことでタイムマシンに出会い、動作テストを兼ねて過去
    に行ったはいいが、ちょっとした事故で未来に戻れなくなった
    主人公がどう生活してゆき、そしてどう未来につながっていく
    のか、感動的なほどストーリーがうまく練られていると思う。

    すぐに再読してもまた面白いだろうし、新たな発見がありそうな、
    そんな本だと思う。

  •  戦争中に行方不明になっていた近所のお姉さんが、18年後にタイムマシンに乗って再び現れる。大人になった主人公と良い感じになったところで、今度は主人公だけが31年前に飛ばされてしまう……というはなし。

     1932年と1945年と1963年を行き来する話なんだけど、21世紀人の僕から見たらどれも大昔なのが面白い。"現代"の描写に100円札が出てきたりとか。

     昭和初期の資料をかなり調べてあるらしく、街並みとかかなり丹念に書かれてる。飛ばされた主人公が物価の違いに悩んだりとか、過去描写がすごくリアルな感じ。

     最後、親殺しどころじゃないパラドクスがさらっと起きて、わくわく感が盛り上がってきたところでサッと終わるのがクール。

  • ストーリー○
    表現力 軽妙なタッチと言いたいが、ちょっと拙い感じ。味なのか?

  • う~ん。
    簡単に言ってしまうとハインラインの夏の扉を日本風にしてみた、と言ってしまうと見も蓋もないかなあ。
    ハインラインの方が面白い、とか言ってしまうともうなんともいえない。

    ノスタルジイはわからなくもないのですが登場人物達が微妙に存在感がない気がする。あまりきちんと生きている感じがしないような…?

    自分は夏の扉と梶尾さんの方が好きだなあ、うん。

  • 4月クールの月9「プローポーズ大作戦」を見て、思い出した。
    タイムマシンで過去の行動を変えられたら……という話は多いと思うけど、結局変えに行った自分込みでの過去だったとしたら?

    矛盾を生みがちなジャンルにあって、ここまでしっかり楽しめる作品は今のところ出合ってないかなぁ。
    最初に読んだ後、もう一度読みたくなると思う。
    同じ話で2度おいしいというところもいいのよね。

  • ★昭和初期の銀座の描写が細かい。当時を知る人は懐かしいだろう。

  • いっきに読んだ

  • この本人気があるみたいでいつも貸し出し中。
    そして読み終わってないのに返さねばならなくなってしまった。

  • 私の大好きな「時間もの」のSF。
    主人公の少年時代に戻るつもりがもっと昔に戻ってしまったことから予想外の展開になってしまう。
    ただ納得いかないのは自分がもう一人存在するということ。
    結局パラレルワールドになっているのだが、本来の自分はいったいどれなんだろう?
    そして、初恋のケイコも意外な人物だったりするのだ。
    でも、31年前の情景が懐かしく描かれている。
    私も過去に戻ってやり直しできたらなあといつも思っているからかな?

  • 戦前の東京の描写が巧みでそこにいるような気分になります。面白かったけど、やはりタイムパラドックスがあるような気が…

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