- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087508376
感想・レビュー・書評
-
石川淳による伝奇物語の下巻。
上巻はこちら。
https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4087508366
マゴはオシハノミコ(市辺忍歯別命・イチノベノオシハノミコ)の生まれ変わりとしての力を手に入れる。
そんななか地上と地下、それぞれの争いが激化してゆく。
柳商事の社長争いのための陰謀は増すばかり。ヒメはマゴ(つまりオハシノミコ)の力を得て、怨霊、野犬を操る。
終盤はもう地上と地下がごっちゃ混ぜ状態。
鶴巻大吉の屋敷で地上の決戦が行われるのだが、男女入り乱れての艶合戦だとか、戦車並みの車椅子と車との追いかけっ子だとか、その車椅子が男根に変化して天にそびえ立つんだとか、それを野犬の群れが襲撃するだとか、もう頭の映像がついていかない 笑
地下では魔物たちの戦いも始まる。マゴとヒメは大蛇に変化し、地下の悪鬼の霊力を地上に解放して全てをひっくり返さんとする。
地上に戻ったマゴは、生者も死者も一身に従え、この先の千年を幕開けんとするのだった。
いやいや、すごい勢いの伝奇物語。悪こそ花としてこの世をひっくり返そうとする人間の乱れに乱れた絵巻のような話でした。
これってなんというか、最近流行りの「主人公が異世界に行って無双する」の元祖じゃないのかとも思った 笑
やはり描写が演劇調です。登場人物たちのセリフはいかにも大仰だし、場面場面も大道具のよう。
ちょっと投げっぱなしなところや、価値観がさすがにどーーーなのよってところや、社長争い当事者たちが小物っぽかったり、セリフや口調が古いところもありますが、縦横無尽に暴れまわる物語に読者として乗っかることの爽快感を味わえました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文字だけをおって読んでいたのだろうか、細かい所、忘れている。いつか再読できるだろうか。石川氏の短編なども読んだ。