蒼い時 (集英社文庫)

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レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087510560

感想・レビュー・書評

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  • 引退して30年以上たち、週刊誌に朝のゴミ出し中のぶっくり太った姿が晒されてもなお復活を望まれる人ってどんな人なんだろう、ただのアイドルじゃあるまい、という興味から、彼女が自分自身について綴ったこの本に食いついたのでした。

    引退後、第二の百恵を狙ったアイドルはいっぱいいたと思う。でも結果的に彼女たちが近づけば近づこうほうとするほど百恵のレベルの高さを際立たせるだけでした。本音を殺し仮面をつけて必死に大衆に媚びるアイドル達は健気さが評価されることが多い。でも百恵という人は大衆に対し真摯な態度であっても媚びてはいなかった。不良っぽさと清潔感という異なる要素を問題なく完璧に両立させることができた稀有な人。既に人生哲学が完成されていたのかもしれない。この本で彼女のぶれない生き方に触れると、小手先ではマネできない彼女の色気は生き方そのもだったとわかります。

    本の中で今の旦那さんに対する想いがすごく丁寧に語られていますが、一人の男性に対する真面目で素直な態度がかわいらしい。でも二十歳そこそこの彼女の決意は女性としてというより人としてのレベルが高い。めちゃくちゃ大人です。同じ年齢だった自分を思い出すと幼すぎてガッカリすることといったら。今の自分でさえまだまだ当時の彼女が大人に見えるなんて、、。

    百恵も最強だけど、彼女が惚れた三浦友和って実はもっとすごい人だったのかもしれません。

  • 21才だったのですね。引退した歳。

  • 山口百恵さんがこのような本を書いていたとは、全く知らなかった。

    21歳かぁ…、若さを感じながら、多感な女性だったのだなと感じつつ、21歳にもなれば、真剣に自分の人生を振り返ればこのような思いが誰しもあるのかもな、とか思ったりした。

    とにかく、一冊丸ごとポエムのような文章に、妙に惹かれた。

    山口百恵さんが引退した頃、わたしはまだ生を受けておらず、そんなわたしでもリアルタイムに知っているような伝説感を持った人。
    実家が山口百恵さんのご自宅と同じ場所にあり、駅を通るたびにふと頭を過ぎった。それだけの存在感のある人。

    この本を書いたというのは、『自分を切り捨てる作業』だと。
    結婚を前に、記憶を確認するとともに、過去を切り捨てていく作業をし、新しい運命を生きると。
    そしてそれは、苦痛を伴う作業だった、自分が最も知りたくなかった自分の醜さをも、自らの手で暴くことだった、と振り返っている。

    人は、ある人にはあるのだろう、そんな時期が。
    今、わたしが向き合おうとしているのが、同じような作業であるだけに、運命めいたものを感じてしまった。
    ブックオフでざっと見をしていて、ふと手に取っただけなのに…

    しばらく、本棚にいてもらおうと思っています。

  • いや、これはとても面白いのだけれど、なんていうか「自分で書いたの?」と聞きたくなる内容だった。タレント本にそういうものを求める私が浅はかなのかもしれないが。なんというか、端々に出てくる感情表現などが、やたらオーバーで自分の感性に酔っていて、う~ん、これ、自分で自分のことを表現するときには書かないのでは?と思った。どちらかと言うと、百恵ちゃんを神聖視していたり、キャラクターを創造しようとしている人が行う表現のような……
    しかし、とても興味深い部分もいっぱいあって、私はぐいぐい読んでしまった。まずその運命の特殊さ。出生から芸能界に入り、どんどん糸が複雑に絡まりあって、その中から一人の男を見つけるドラマチックさ。フィクションのような内容である。私の年齢のときにはもう全てを終えて結婚していたかと思うと、私の人生の薄さに眩暈がしてくる。

  • この「蒼い時」を、僕も体験したことがある。夜が明けて日がまだ顔を覗かせる前のわずかな時間、景色が青い光を浴びるのだ。これをいつか小説を書いて重要なシーンに使おうと思っていたが、こうして活字にしている人がいたなら、別にいいか。

  • 百恵ちゃんの苦悩を後追いで知れて満足。
    菩薩ではなくそれなりに捻くれていらっしゃったのだ。
    満足度7

  • 自分に嘘偽りなく、美化することなく、この生き方がスター。言葉選びや構成力など本当に21歳で書いたのか疑うくらい文才が溢れている。2時間もあれば読める点もオススメ。

  • 今の60歳は昔の40歳だとはよく言うが、逆にいえば昔の21歳は今の41歳ということか、と思わせてくれるくらいの大人の文章だった。山口百恵さんが引退にあたり21年間の半生を振り返ったエッセー。

    山口百恵といえば完全に母親世代のアイドルで、懐メロで聴くヒット曲と人気絶頂で完全引退したという事実しか知らなかった。物心ついたときにはすでに伝説化していたが、今回たまたまこの本を読んで、いやよく耐えたねえと、当時の百恵ちゃんに言ってあげたくなった。父親との関係、有名人の父となったことで悪化し縁を切ることになった経緯、週刊誌の執拗な報道と裁判…これが未成年の子供に対する態度だろうかと当時の周囲の「大人たち」に腹が立つと同時に、その時の感情を冷静に振り返る21歳の筆者の落ち着きに敬意を覚える。もちろん、そういうゴタゴタが原因での引退ではないというのは読んでいてわかるのだが、これだけ色濃い21年間だったら引退するよなあと思ってしまった。

    若い女性アイドルの商品化、搾取はこの時代から変わっていないというか、この時代に確立されたものなのかもしれない。

    週刊誌やスポーツ新聞という存在は、今も昔も芸能人のプライベートに踏み込み続けている印象だが、そのペンで相手をどれだけ傷つけ人生を狂わせるか考えていないものがあまりに多い。プライバシーは人間みなに保証されるもので、芸能人だからといってプライバシーの有無が問われること自体がおかしいと言う筆者の当たり前の言葉が、現状を鑑みるに虚しく響いてしまう。

  • 伝説の人は 私の想像の上をいく
    とても立派な人でした

    マイクを置くシーンのことしか知らなかった
    引退コンサートを初めて観て
    当時21歳ということにも驚いたし
    歌もおしゃべりも全てが完璧で
    昔の21歳って皆あんなに大人だったの??と
    そこから気になって図書館で借りてきました

    すごい
    きっぱり芸能界から引退してしまったことも
    これまでのことをわかりやすく
    文章にされているのも 
    最後の章は直筆なんだけど 達筆で
    あんな方が引退したらそれは伝説になりますよね
    山口百恵さんを尊敬します 素晴らしいです

  • テレビで引退コンサートを見て以来
    いつか読みたいと思ってた本。

    彼女が引退してから40年。
    リアルで見てたけれどまだ小学生やったので
    その間の印象は10つ上の大きなお姉さん
    って感じでした。

    今、この歳になって当時の彼女のことを
    思うとその出時を含め、色んな感情を込めて
    眺めていたと思う。

    この本を読んで山口百恵という女性の
    強さ、弱さ、真面目を初めて知った気がする。

    昭和の大スターが残した記憶は
    歌も本も素晴らしいものでした。

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