人間失格 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.62
  • (558)
  • (682)
  • (1091)
  • (160)
  • (33)
本棚登録 : 6036
レビュー : 838
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520019

作品紹介・あらすじ

「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂をくり返しながら薬物におぼれていくその姿。「人間失格」はまさに太宰治の自伝であり遺書であった。作品完成の1か月後、彼は自らの命を断つ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 2018.10.02 再読
    小さな頃から道化を演じてきた葉蔵は、たぶん人というものをとてもよく理解していたと思う。自分を卑下するように見せながら、人を見下し、自分自身の本当の弱さには気付いていなかったのでは。

    最後のマダムの言葉は、そんな葉蔵の本質を見抜いた上での同情の言葉に思えたのだけど…うーん、難しい。

    自分だけがこんなことを考えているんじゃないか。自分だけがなんでこんな目に合うのか。
    そうやって、自分や自分を取り巻く環境を特別だと思ってしまうことがある。でも本当はそんなことなんてなくて、案外みんな同じようなものなんだと思う。


    ~2001 読了

  • 太宰治、自身の自堕落的な生涯から
    何となく今まで読むことがありませんでした。

    多くを感じるが過ぎる故に、酒や女性、薬に溺れていく
    読んでいると、自分の本質を突かれているよう痛い。

  • 全然、「人間失格」じゃないじゃん~って思うんですよね。主人公、人間してるじゃん。かなり頑張ってるじゃん。だけど人間ってなんだろう? って考えると、よくわからない。
    私達は当たり前に人間しているような気でいるけど、それに疑問を持ってしまうとこの主人公みたいに泥沼になっちゃうのかもね。人間であることに気づかなきゃ人間合格を目指さなくてもよかったのに。自分が知らぬ間に「人間」を演技していることに気づくのは、カミュの「異邦人」にも似た感じかも。

  • こんなバカバカしいことで悩むのは人間くらいだ。彼の人間らしさが好きだ。

  • こんなかわいそうな俺がこんな辛い目をしてそれでも生きてきたという風に読んでる人が多いんです。
    僕はそうじゃなくて、人間がそれぞれ持ってる痛みについての話しだと思っていて、すごく純粋で真っ当に生きている少女の歯の痛みは同情する けど、悪人の歯の痛みは自業自得だと言う。
    僕たちは自分の悩みなどがあるときに、もっと大変な人がいると悩むことすら許されないということがよくある。でも、そういう人が多くいるからといって自分の痛みをなかったことにしなきゃいけないのかということについて書かれているじゃないかと思った。

    何度も繰り返しこの本を読んだ又吉がある番組でこう言っていたのを見て、もう一度読み直して見ようと思った

  • カール・マルクス曰く「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」。『人間失格』は度々鬱本の代表格として挙げられるが、改めて読了すると『人間失格』は喜劇であると思う。

    主人公が道化と卑下し母性に押し流される裏側に強すぎる自己愛を感じさせ、常に責任転嫁を正当化し、自己陶酔する様が文章から滲み出る。そこには太宰治自身が抱える脆さや繊細さが文体に反映される。第一の手記までが悲劇とすれば、作中で堀木との喜劇悲劇ゲームが興じる如く、悲劇過ぎる悲劇は転じて喜劇になるのであろう。

    太宰は脱稿直後に入水自殺を遂げたが、ひとつの文学作品として捉えると『斜陽』は悲劇だが『人間失格』は純文学的喜劇作品なのである。

  • 言わずと知れた大宰の代表作。中学時代に初めて読んで、人間の転落を知った。
    思考が内面へ向かい過ぎる人間は世の中を生きにくい。
    定期的に取り出して、鬱屈とした心理描写に共感、自己陶酔してしまう、そんな本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「自己陶酔してしまう」
      んーーーーー陶酔しても良いけど、なぞっちゃ駄目だよ。
      「自己陶酔してしまう」
      んーーーーー陶酔しても良いけど、なぞっちゃ駄目だよ。
      2013/05/02
  • 自己批評し続ける主人公の半生。
    主人公の自己批評は、全編を通して冗談に感じるほど厳しい。自分と他人の関係性、行動、内面を深く分析し続け、多くのことに気がついていく。
    しかし、自分を暗く卑怯な人間だと思いこんでいる主人公は、いくら自己批評をしても自分の良い部分に全く気が付かない。他人を笑わせていることは、他人から見ればとっても素晴らしい魅力的な特技なのだけど、主人公にとっては、他人を騙し見下す自分の欠点に見えている。
    本の冒頭はしがきにて、3枚の写真に写った人物の描写はとても印象的だった。「どんな狂人?おばけ?の話だろう」と思ったが、そんな表面的な恐ろしさの話ではなく、人間自身の鈍く重く恐ろしい部分を深く見つめ、それを味わう話だった。
    自分の悪い面ばかり見つめ、それを味わうなんてこと精神的に良くないことは客観的にみればすぐにわかる。本の外から主人公を見て、視野が狭くて馬鹿な人だと思う。けれど、悩み続ける主人公は憎めないし、馬鹿にしたいとも思わない。

  • 太宰治の世界観に衝撃を受けた。
    また時間をおいてもう一度読みたい。

  • 人間失格。太宰治先生の著書。文字通り自分勝手で自由気ままに放蕩の限りを尽くしてきた人間失格者が薬物中毒になって脳病院、今で言うところの精神病院へ入院させられるまでの過程がテンポよく描かれています。人間の見栄や欲望、欲深さ、心の弱さ、精神的苦痛などが描かれた名作。太宰治先生は知っていても、太宰治先生の作品は読んだことがない人は意外と多いと思う。人間失格を読むだけで太宰治先生の偉大さと太宰治先生の作品の魅力が感じられるはずです。

全838件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

人間失格 (集英社文庫)のその他の作品

人間失格 (青空文庫POD(シニア版)) オンデマンド (ペーパーバック) 人間失格 (青空文庫POD(シニア版)) 太宰治
人間失格 (青空文庫POD(ポケット版)) オンデマンド (ペーパーバック) 人間失格 (青空文庫POD(ポケット版)) 太宰治

太宰治の作品

人間失格 (集英社文庫)に関連する談話室の質問

人間失格 (集英社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする