人間失格 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 6076
レビュー : 840
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520019

感想・レビュー・書評

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  • 太宰治、自身の自堕落的な生涯から
    何となく今まで読むことがありませんでした。

    多くを感じるが過ぎる故に、酒や女性、薬に溺れていく
    読んでいると、自分の本質を突かれているよう痛い。

  • こんなバカバカしいことで悩むのは人間くらいだ。彼の人間らしさが好きだ。

  • 言わずと知れた大宰の代表作。中学時代に初めて読んで、人間の転落を知った。
    思考が内面へ向かい過ぎる人間は世の中を生きにくい。
    定期的に取り出して、鬱屈とした心理描写に共感、自己陶酔してしまう、そんな本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「自己陶酔してしまう」
      んーーーーー陶酔しても良いけど、なぞっちゃ駄目だよ。
      「自己陶酔してしまう」
      んーーーーー陶酔しても良いけど、なぞっちゃ駄目だよ。
      2013/05/02
  • 自己批評し続ける主人公の半生。
    主人公の自己批評は、全編を通して冗談に感じるほど厳しい。自分と他人の関係性、行動、内面を深く分析し続け、多くのことに気がついていく。
    しかし、自分を暗く卑怯な人間だと思いこんでいる主人公は、いくら自己批評をしても自分の良い部分に全く気が付かない。他人を笑わせていることは、他人から見ればとっても素晴らしい魅力的な特技なのだけど、主人公にとっては、他人を騙し見下す自分の欠点に見えている。
    本の冒頭はしがきにて、3枚の写真に写った人物の描写はとても印象的だった。「どんな狂人?おばけ?の話だろう」と思ったが、そんな表面的な恐ろしさの話ではなく、人間自身の鈍く重く恐ろしい部分を深く見つめ、それを味わう話だった。
    自分の悪い面ばかり見つめ、それを味わうなんてこと精神的に良くないことは客観的にみればすぐにわかる。本の外から主人公を見て、視野が狭くて馬鹿な人だと思う。けれど、悩み続ける主人公は憎めないし、馬鹿にしたいとも思わない。

  • 人間失格。太宰治先生の著書。文字通り自分勝手で自由気ままに放蕩の限りを尽くしてきた人間失格者が薬物中毒になって脳病院、今で言うところの精神病院へ入院させられるまでの過程がテンポよく描かれています。人間の見栄や欲望、欲深さ、心の弱さ、精神的苦痛などが描かれた名作。太宰治先生は知っていても、太宰治先生の作品は読んだことがない人は意外と多いと思う。人間失格を読むだけで太宰治先生の偉大さと太宰治先生の作品の魅力が感じられるはずです。

  • <u><b>人間失格</b></u>

    誰もが本の名前くらいは聞いたことのあるであろう太宰治の名著である。

    かく言う私も、30歳になって初めてこの本を開く事になったのだが、何故か主人公の葉蔵に肩入れせずには居られないのである。

    主人公の葉蔵は、自分の本性をひた隠し道化に徹する事でしか人とコミュニケーションがとれない、女にだらしがない、最後にはヤク中になってしまう本当に駄目な奴である。

    けれどもそこにこの本の面白さと言うか真理があるのだと思う。

    そう、生きていくということは、廃人や狂人になる事、人間失格の烙印を押される事と紙一重なんだと…
    何かがきっかけで堕ちてしまう人間の脆さ、それを考えると自分の日々の生活が如何に薄氷を踏むような事なのかと言う気がしてならない。

    この様に書くと生きてくこと自体が悲観的に捉えていると思われるかもしれないが、物語の最後の言葉に救われる。

    ”ただ、一さいは過ぎて行きます。”

    幸せや不幸な事も、喉元過ぎれば何とやらで、残るのは結局今を生きるという現実と、まだ見ぬ未来なのである。
    自分の駄目な部分やコンプレックスを乗り越えて力強く生きて行こうというメッセージが込めらていると僕は感じたのだ。

    ただ残念ながら、この作品を最後に太宰は自らの手でこの世を去る訳だが…

    <blockquote><b><内容紹介> -Amazonより-</b>
    「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂をくり返しながら薬物におぼれていくその姿。「人間失格」はまさに太宰治の自伝であり遺書であった。作品完成の1か月後、彼は自らの命を断つ。 </blockquote>

  • 最近***に食傷気味で、水を欲するように純文学を手に取った。
    太宰治の自伝小説とも言われる本作。内面を口に出さない葛藤を仮面で隠して振る舞う不器用さが心に響く。酒にクスリに溺れ、行き着いた先が精神病棟。狂人・癈人、人間、失格と自分で刻印を打つ。
    太宰の年譜を見るに「人間失格」に当たらずも遠からずの人生を歩んでいるわけだが、自分を客観視してこの小説を書いている。狂っているように見えつつ冷静でもある二面性が心を打つ。
    集英社文庫版だけなのかもしれないが鑑賞を太宰の実の娘が筆を取り、"『人間失格』は、決して暗い小説ではありませんでした。"、"太宰治の『人間失格』は、何よりも私に「父性」について教えてくれた作品です。"と書いている。
    久しぶりに現実世界を忘れさせてくれる約200頁でした。

  •  会社の先輩と青空文庫のことについて話しているとき、「太宰治の話も読んでみたいのですが、暗そうなので元気なときにチャレンジしようと思ってるんです。」と話していると、向かいの席の別の先輩が唐突に「はい。」と文庫本を差し出してきました。開いてみると、それは太宰治の代表作「人間失格」。私が特に暗いという印象の元になっている作品でした。(その先輩は偶然、その日の朝に読み終わったところだったようです。)
     南極。というくだらなさ満載の本を読んでいるところで、元気は元気なモチベーションだったので早速読んでみました。
     想像と違いました。
     暗いというより、主人公の心がとてもきれいな、きれいすぎるくらいの人の物語でした。嫌悪感は全くなく、むしろ好感を持ちました。共感できるところもありましたが、それより何より、ああ、良い人だなと思いました。(暗さや陰鬱さなら、京極堂シリーズの関口君のほうが断然上でした。)

     <以下引用>
     日陰者、という言葉があります。人間の世において、みじめな、敗者、悪徳者を指差していう言葉のようですが、自分は自分を生まれたときから日陰者のような気がしていて、世間からあれは日陰者だと指差されているほどのひとと逢うと、自分は、必ず優しい心になるのです。(p.55~p.56)

     この一文はとても印象に残りました。自分にも覚えがある感情だからかもしれません。
     でもそんな自分でも私は好きだよ。
     

  • はじめは人間を思い切れず、人間であることを諦めていないのに、最後はその希望のようなものが全く失われていて心がギュっとなる。
    生まれた時からの日陰者という感覚は消し去りようがない。みんながごく普通に出来る人間的なことが出来ないのは苦しみでしかない。
    葉蔵が内に思っていることを少しでも外に出してみたら、また状況は変わったかもしれないと思う。逃げることしかできず幸せに立ち向かえない人間で、自分が幸せになることが分からない。でも幸せの存在を信じない者にそれは訪れない。
    あとがき、を読んだら本当にドキドキした。マダムの言葉に胸が締め付けられる。自分から見た自分は人間失格でしかなかったのだろう。でも周りの人から見たらどうだったのだろうと、もう一度読み直したくなった。

  • 何度も読むうちに核心を理解できているような気がしますが、それでもまだまだ奥が深いなあと感じさせらます。

著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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