地獄変 (集英社文庫)

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本棚登録 : 1043
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520118

感想・レビュー・書評

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  • (久保帯人さん画の表紙で読みましたが、小畑さん画の表紙でという方も数人いらっしゃったので、小畑さん画もあるのでしょうか。)『大川の水』や『奉教人の死』など未読のものが幾つかありましたが、未読の中では登場人物の心情や情景が想像しやすいからでしょうか、『蜜柑』が一番印象的でした。『秋』は珍しくメロドラマっぽい?

  • 青空文庫でよみました。
    なんともどう解釈したらいいのかわからんのですよ。

    元々殿様に仕えている人という、フェアな立場ではない語り手の言う事をどうしても鵜呑みに出来なくて、何度読み返しても殿様が一番酷いと思うんですよね。。
    懲らしめるためにって言ったって、娘に火をつけたのは殿様なのですから。

    殿様を立てなければならない立場でありながら、ところどころこっそり殿様への不信を忍ばせているようなところもあるんですよね。
    はっきりとは書いてないけど、車を燃やそうとした御所では妹が化けて出る噂があると、そんな化けて出るような死に方をしたということを暗に示唆していたり。
    まるで遠まわしに断罪しているようだなと思うのです。

    でもそうなると良秀が夢の中で娘が地獄に行く事を知っていたのはなんだったんだろうなと。
    そんな罪をあの娘が負っていたのかと。それを父親が知っていたのかと。
    もしくは父親が関わっていたのかと。

    娘があの夜、会っていたのが誰ととるかで、この話は変わるのよね。
    殿様か。父親か。はたまた第三の男か。

    とまあ、こうやってぐるぐる考えられるのが面白いってことなのかな。間違いなく名作だと思います。

  • 私が買ったのは、小畑健の表紙だったのですが。同じ「地獄変」でも随分と雰囲気の違うイラストでした。
    久々の文学ものでしたが、やっぱり流石、の一言に尽きると思います。12編の小品が納められていますが、中でも特に心に残ったものたちの感想をば。
    「芋粥」読んでいて、悲しくなりました。涙が出るほど、という意味ではなくて、ただただ「哀れ」とはこういうことなのか、と。
    「地獄変」お殿様の口の端からこぼれていた涎が、ぱっと見えるほどに、業火と呼ぶにふさわしい火の熱さを感じるほどに、生々しいお話でした。終わり方も素晴らしい。
    「蜜柑」ここまでの短編で、これほどまでに鮮やかに日常の一瞬を切り取って、なおかつ普遍的なものと絡めながらも不安定な色を残してのけるのは、やっぱり芥川龍之介が文豪だからなのでしょう。ははーと頭を垂れたくなるくらいに、立派な作品だと思います。
    「秋」信子の感じた「残酷な喜び」がすべてを物語っていると思います。多くは語らず、でも目を背けたくなるようなことから目を背けず、善と悪のどちらかに傾きたくても傾けない人間の業のようなものを感じました。
    「舞踏会」「われわれの生(ヴィ)のような花火のことを」こんなにも悲しくも美しい、儚くもしぶとい言葉に、長い間触れていなかった気がします。
    純文学は、たまに触れると精神をゆさぶられて、とても気持ちが良いです。現代作家の中では、数十年後、数世紀後、誰が「純文学」のカテゴリーに名を連ねるのだろうと思ったりもしました。

  • 「秋」と「蜜柑」が読みたくて購入 好きだわぁ

  • *

  • 高僧なのに鼻を気にする矛盾というか。

  • 藪の中やっと読めた。

    結局誰が犯人なのか、それを考えること自体が無意味なのか、あれこれ考えたら面倒臭くなって、結局考えることをやめた。

  •  芥川の短編「大川の水」、「羅生門」、「鼻」、「芋粥」、「地獄変」、「蜘蛛の糸」、「奉教人の死」、「蜜柑」、「舞踏会」、「秋」、「藪の中」、「トロッコ」が入っている。
     芥川なんて最後に読んだのは何でいつというのも分からない。たぶん「トロッコ」は中学校くらいの教科書かなんかで読んだのか、でも話の内容はなんだったのか、ひとつも覚えていない。けど、あるきっかけがあって、読んでみた。タイトルは知っていても、「羅生門」と「蜘蛛の糸」以外は全然内容を知らなかった。実はこの本はもう3週間以上前に読み終わった本だが、今でも面白いと思うものはどれだろう。やっぱり「地獄変」だろうけど、サル好きのおれとしては「地獄変」のサルがやっぱり印象に残っている。サルが最後飛び込んでいくなんて、なんて可哀そうな話なんだ、と思った。後は、どれも面白いけど、改めてどれと言われると正直よくわかんない。そんなことよりも、キリシタンの話から舞踏会や秋みたいな現代的?な話から、藪の中とか蜘蛛の糸や地獄変みたいな話まで、文体の幅がすごいということに驚いた。(18/05)

  • 知り合いから引き受けた数箱の古本処理の中にあったのが本書。ちゃんと読んだことないな…を出発点として手に取ったもののそうこうしているうちに積もった身の回りのチリも相当なものになっていることに改めて気づく。

    黒澤明監督作品「羅生門」(1950) がむしろ原作と呼ぶべきなのは「藪の中」であったりすることはもう百も承知、石井岳龍監督作品「蜜のあわれ」(2016) を通してその室生犀星の原作にも触れ、その中に現れる芥川龍之介を眺めてぼうっとした気分になったのもここ数年のこと。そして最後はつい最近読了した内田百閒。共に漱石門下であったというつながりまでも芋づる式に出てきてしまった。今回こうして短編十二編というのお得な詰め合わせにめぐり逢えたのは幸せ。これからもあちらこちらにチラチラと表出はしてくるのであろう。

    ひきつづき「くるもの拒まず。」の精神でいこう。

  • 「地獄変」おぞましいの一言 狂気の世界 良秀=芥川か?
    「蜜柑」浪曲、浪花節の世界 チトほろり

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著者プロフィール

小説家(1892-1927)。東京帝国大学文科大学英文学科卒業。創作に励むかたわら、大阪毎日新聞社入社。「鼻」「蜘蛛の糸」など数多くの短編小説の傑作を残した。1927年、服毒自殺。

「2019年 『羅生門・鼻・蜘蛛の糸 芥川龍之介短編集 Rashomon, The Nose, The Spider Thread and Other Stories』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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