檸檬 (集英社文庫 か 14-1)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520132

感想・レビュー・書評

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  • 好き。
    繊細さ。
    心がねじきれそうになる。

  • これ読んだ後に池袋のジュンク堂書店行ったら檸檬型のマスクケースが売っててニヤけてしまった

  • 檸檬買って本屋に置いてきただけなのに!

  • 途中で挫折…

  • 教科書にKの昇天が載っていたのと、国語科の先生にお薦めの本をお聞きしたときに薦めていただいたのとで読んでみました。
    私にはまだ難しい部分も多かったのですが、それでもある程度は楽しめました。
    特に表題作「檸檬」と、「愛撫」が好きです。

  • 胸を病み憂鬱な心をかかえて街を浮浪していた「私」は、ふと足を停めた果物屋で檸檬を買った。その冷たさと香りは、突然「私」を幸福感で満たし…。自らも病に苦しみながら、透明感あふれる珠玉の作品を遺した著者の、代表作「檸檬」ほか12編を収録。

  • 古典ですね。高校の授業で「近代の作家と作品名をセットで覚えなさい」みたいな授業の時に名前が出てくることが多いので、作品名ぐらいは聞いたことのある方が多いんじゃないかと。んで、自分も含め、作品名は知ってるけど、どんな作品なのかは知らない人も多いんじゃないか、と。

    実は表題になっている『檸檬』は、かなり短い作品です。行間が広くあいてるにも関わらず、10ページぐらいで終わっちゃう。んで、それ以外に12編の短編が一緒になって、ようやく文庫一冊分になっている、という状態。

    作品世界としては、31歳で病没した作者の背景を色濃く受け、基本的には作者本人か、あるいは作者が投影された主人公かが、病に臥せながら過ごす中で見聞した風景や観察した物事について、朴訥に描くというものが多いです。多いというか、ほとんどそんな作品ばっかりと言っても好いでしょう。
    そうした短編ばかりでありながら、「これは前に読んだやつと同じだな」と感じさせないのは、それぞれの短編で捉えられている風景や生物、事象がしっかりと異なっているからでしょう。

    恐らくですが、この本はそれなりの「読書体力」がついてないと、そもそも何の本だろうということ自体が分からないと思います。かく言う自分も、最初の5編ぐらいまでは、何が何だか分からない状態でした。

    この文庫に収められている作品は、短いものではせいぜい6ページぐらいしかないです。その短い作品世界で「病と闘う中で観ている風景」をベースにしつつ、さらに何を作者は見出し、表現しているか。
    その辺を掴もうと思うなら、本の厚さからは考えられないぐらいの時間と体力を要します。じっくり向き合うべき作品と言えるでしょう。

  •  気分を変える意味で、久しぶりの日本文学。下の娘が高校の教材として買っていた本です。短編集としては読んだことがなかったので手にとってみました。
     採録されているのは、代表作の「檸檬」をはじめとした13の作品。ただ、卓越した作者の表現力にも関わらず、私小説的な作品は、予想どおりではありますがどうも私には馴染めませんでした。
     自らの病を素地とし、その不安定な苦悩の心情の吐露でもあるこれらの作品に共感するには、読者側の繊細な感受性が必要とされるのでしょうが、私には、その感性が決定的に欠如しているからです。

  • 大学1年で読んだときはこの本のよさがよくわからなかったけど、卒業を目前に控えて読み直したら、檸檬が鮮明にイメージ出来てとても素敵な文章だなと思え、印象深くなった作品。

  • 病気により未来に希望を失った人の冷ややかな荒廃と耽美が伝わる名文ですが、その荒廃ののち、どう感じ、考え、思い生きてくのか?考えたけど、わかりません。冷めた荒廃の中、生きてくような、、、。この作品の後、結核を抱え約6年生きた筆者の晩年(といっても若いけど)の作を読んだら多少ヒントがあるのかな?

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著者プロフィール

明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『檸檬』(梶井基次郎+げみ)がある。

「2021年 『Kの昇天』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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