風立ちぬ (集英社文庫)

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  • 集英社
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本棚登録 : 194
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520156

感想・レビュー・書評

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  • 3度目です。
    前回は角川文庫、前々回は新潮文庫、そして今回集英社文庫で読んでみたが、氷室冴子氏の解説が良かった。
    氷室さんも私と同じ中学生の頃この本を最初に手にして嵌ってしまったんだとか。私は読んではみたもののちんぷんかんぷん。中学生で堀辰雄を理解出来る感性に軽く嫉妬を覚える。

    言葉遣いがとても綺麗で、お互いを合う労わり合う二人の姿がいじらしい。
    一歩一歩死に近づいて行く彼女とそれを見守る恋人、辛くないはずはないのだけれど…二人だけの事を考えて、二人だけで生きる。実は少し贅沢な事なんじゃないかな…なんて思えた。

  • サウンド文学館・パルナス 小説1(日本文学)「風立ちぬ(第三章「風立ちぬ」のみ収録)」 朗読:金内吉男

    なるほど、こういうのがサナトリウム文学っていうのか。「マルテの手記」もサナトリウム文学だっけ?療養先でのお話だった気がする。よし読もう。

    今に集中しようにも心が千々にちぎれてどうすることもできない。これは時代や場所を越えた悲しみだ。

    「僕たちほど幸せな二人はほかにいない」
    ヴァージニア・ウルフも遺書の中で同じ言葉を遺していたな。

  • 「風立ちぬ」の二人は、一見具体的な「生きがい」を明示しないまま、サナトリウムでの日々を過ごしていたように見えるが、よく読みこむと、具体的な何かでなく、二人で他者の介入のない、心を通い合わせる濃密な時間を、静で豊かな自然環境の中で最後の刻まで過ごしたということは、精神性において最高の「死の創り方」ではなかったろうか。

  • 「風立ちぬ」と他三篇を収録。「風立ちぬ」が収録されたものは他にも105円で売っていたけど、これを選んだのは「曠野」が載っていたから。あと、色々おまけ的なものも附いてます。"Le vent se l?ve, il faut tenter de vivre."を、堀辰雄はこう訳した。「風立ちぬ、いざ生きめやも」「やも」って何だ? 辞書を引くと詠嘆または反語、疑問の助詞で、上代語って書いてある。なんでそんな古い言葉わざわざ使うんだ・・・ 辞書を引いてもいまいちよく分からなかったので、春休みに入って初めてのフランス語の勉強をしてみることに。その結果出来上がった僕の訳文は、「風が立つ、生きてみなければ」。なんのこっちゃという感じですが、忠実に訳したつもりです。前半はフランス語だと現在形なのに、「ぬ」は完了だったりするけど、やっぱり「風立ちぬ」だとなんかしっくりくるような。元々詩の一節なので、韻を踏むために「やも」を使ったりしたのかも。感想は、誰でも引用しそうな所だけど、「皆がもう行き止まりだと思っているところから始まっているようなこの生の愉しさ」。確かに、死の影が付きまといながらも、なるべく普通に、平穏に生活しようとしていて、それで満足していたような感じでした。それで良いのかな、とも思うのですが、良いのでしょう。「曠野」は芥川龍之介の真似みたいのだけど、ちょっと違う感じ。「曠野」のことは確か阿刀田高のエッセイで知って、その元になった話は昔から有名だったのかは知らないけど、予備校の古文の授業でもやった。他に「窓」、「麦藁帽子」収録。鑑賞・年譜は 池内輝雄。解説は氷室冴子。松岡正剛には「風立ちぬ」関する奇妙な思い出が。http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0641.html

  • スタジオジブリ「風立ちぬ」原作
    愛と死と生をテーマとした、悲しくも美しい物語

  • サナトリウム文学。
    純愛。

  • 曠野。最後の王朝物。原典として今昔の中務大輔娘成近江郡司婢。
    同じ場面をそれぞれの視点から書く。同じ夕月、同じ蜘蛛の網といったわかりやすいアイテムを出すことで、同じ時間、同じ場所にいながら会えなかった残念感、運命の切なさ?(笑)を演出。フーガと表現した論文もある。カッコイイ。
    お互い相手を思いやるあまり相手を遠ざけざるを得なかった。決心して遠ざけたがやはり会いたくてしゃーない、でも窶れた姿で待ってたのを見られたくないから会えない、という面倒臭い女心。女のプライドの高さで説明したらすごく一貫性のある話になる。

  • 日本の『魔の山』だ。
    哲学的遊歩道のそれ道がないだけ、一般にも読み易い作品であろう。

  • 窓、麦藁帽子、風立ちぬ、曠野

  • 代表作「風立ちぬ」のほか3編が収められている。
    「風立ちぬ」については、定義はともかく、これが純文学なんだなと思う。ピュアで、美しく、切ない。余命いくばくもない妻をあんなにも愛せるものか…。

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著者プロフィール

ほり・たつお
1904(明治37年)~1953(昭和28年)、日本の小説家。
代表作に
『風立ちぬ』『美しい村』『菜穂子』『大和路』など多数。

「2017年 『羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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