遠野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 613
感想 : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520194

作品紹介・あらすじ

恐ろしいが、しかし時には利益をもたらす神々、ふしぎな能力を持つ山男、空飛ぶ天狗、川にひそむ川童…。わたしたちの忘れかけた怪異な世界の物語を、簡潔な美しい文章でつづった「遠野物語」ほか、「雪国の春」、「清光館哀史」など、日本人の文化を考える柳田民俗学のエッセンスを収録。

感想・レビュー・書評

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  • 解釈じゃなく、後生に参照させるべくただ記録を残す、そのための民俗学、そこが大事というスタンスだったのだろうなと想像するんだけれど、それでも、ついつい解釈を挟んでしまう、というか、そこにどういう意味があるかを求めずにただ記録だけするという事自体が、いかに人間にとって苦しいことかということかも。
    遠野物語本体は、結構、がんばって、解釈なしに記録することができている(完全ではありませんけど)のかな。
    アイヌ語という言い訳が結構でてくるのだけれど、そう言い切って良い物かと思う点もあるし、逆に、アイヌ語でそういう音なのでは?というアプローチを欠いたが故に変な解釈になるという点もある。とかく、東北という地は、重層的でモザイク的な文化が残っていて、それを理解するためには、時間的、空間的にさまざまなプレーヤーが何をしてきたかを考える必要があります。それは、現代に至って漸く到達できた視点なんでしょうし、柳田民俗学というのは、そういう視点が一切なかった時代に、嚆矢として、このような文章を認めたということなのでしょう。

  • 夏休みに読もうと思い購入。カバーのハチがかわいい。

  • 遠野物語、思った以上に難解。
    天狗に河童などなどの不思議な存在たちが、居たのかもと思わせてくれる物語でした。
    もしかしたら、現在にだって居るのかもしれないですが、科学が発達し便利さ溢れる現在に生きる私たちにはそのもの達の息づきを感じ取ることは難しいでしょうね。
    エッセイでは『酒の飲みようの変遷』が興味深かったです。
    それにしても、民俗学とは面白いことを考察する学問だなと。

  • 「遠野物語」
    文体がむずかしく、えらく時間がかかった。
    ザシキワラシ・天狗・川童。出てきたのは解ったが、文章的に、物語と言うより、口伝の走り書きの様で、盛り上がりはない。京極夏彦のremixに挑戦&期待。
    他は、「女の咲顔」「木綿以前の事」「酒の飲みようの変遷」が良かった。

  • 夏休みの課題図書をこなしたみたいな気分になった。読んでいなかったのが恥ずかしい一冊。

    『遠野物語』
    「この書を外国に在る人びとに呈す」という有名な巻頭の言葉。「ガツン」とやられた。
    知っているようで知らない、私たち遺伝子の底にあるルーツ。
    懐かしくも、素朴な辿ってきた道。「ザシキワラシ」が背後から覗いているのではないかと思われた。

    『女の咲顔(えがお)』
    『涕泣史談』
    「笑いと泣き」字句の解釈と言葉の変遷。当時(1940年頃)でさえ少なくなってきたと言うなら、現在は無いにも等しいのか。だから精神的に追い詰められたりするのか。

    『雪国の春』
    長い日本列島、季節はそれぞれに巡るのが当たり前、こよみが同じなのはおかしい話。そうだよね、ブログを読んでそう思う。

    『清光館哀史』
    なかなか情緒たっぷりな旅日記。今じゃ盆踊りは子どもと年寄りの遊びだけれど、昔は艶っぽかったんだよね。

    『木綿以前の事』
    『酒の飲みようの変遷』
    木綿がいつから着られるようになったのかだとか、酒の普及とかこんな身近なことをこつこつ述べる柳田先生、見習いたい。私のような者のブログにぴったりの話題なり。

  • ずっと読みたかった遠野物語。
    東北地方の怪異な伝承を、あたかも調査のメモ書きとして淡々と簡潔な文章で記録したような印象です。読むまではもっと物語性がある作品だろうと勝手に想像していました。
    多くの伝承に類似性が明らかにあるにも関わらず、殆どなんの考察も加えずに記録するのみというところに、後の研究者が好奇心を刺激されたのでしょうか。
    明治から大正に変わる寸前の日本には、まだこんなお伽話のような世界が残っていたのですね。
    時間をおいて、また読み返してみよう。

  • 岩手の遠野に伝わる怪奇集。昔話は結構残酷なこともしれっと書くな。

  • 表紙のデザインと内容がマッチしていない。

  • 「これを語りて平地人を戦慄せしめよ」というフレーズを知って読みたくなり購入。でも遠野の不思議な話がそのまま載っているだけで、意味を分析しているわけでないのが物足りなかった。普通の日本昔話と変わらない。遠野物語はなぜもてはやされているんだろ。
     
    それに出版社は表紙の絵をもう少しまともにできなかったのか。安っぽすぎる。よほど他社のにしようと思ったが、収録されているエッセイも読みたかったので仕方無く選んだ。
     
    その6編のエッセイはおもしろく、選択は正解だった。特に「酒の飲みようの変遷」は知っておいて良かった。「この古今の移り替りを一通り承知した上でないと、各人はまだ自由に、酒を飲んでよろしいか悪いかを、判断することができないのである」

  • もっと早く読めばよかった。でも、いま読んでよかったとも言える。地名の成り立ちにいちばん興味をおぼえた。

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著者プロフィール

1875年兵庫県生まれ。農商務省勤務、貴族院書記官長を経て、1930年代以降は民俗学の著作に専念し、研究会や雑誌を主宰した。おもな著書に、『遠野物語』『木綿以前の事』『海上の道』など。1962年没。

「2021年 『葬送習俗事典 死穢の民俗学手帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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