車輪の下 (集英社文庫 ヘ 5-1)

  • 集英社
3.58
  • (65)
  • (90)
  • (170)
  • (13)
  • (4)
本棚登録 : 1052
感想 : 95
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520217

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あらすじを知らずに読み進めたので第一章の試験からハラハラドキドキした。あれだけ周りに期待されたらプレッシャーがでかい。第一章が鬱屈した感じだったので第二章に入ったときの爽やかさが余計に際立っていた。心理描写や自然の描写が綺麗で読みやすかったし面白かったです。

  • 社会人になって初めて車輪の下を読んだ。

    多感な思春期の少年が、絶え間ない勉学が要求されるエリート学校に入学するもその後上手くやっていく事が出来ずにリタイアしてしまう、、現代の日本にも通ずる物語だと感じた。

  • 僕はこんなに勉強を強いられると流石に出来なくなってしまうと思う。ハンスやハイルナーはよくこの先生たちの厳しさに耐えたなぁと思った。
    校長クソやん

  • 悲劇としては良いと思った。
    神経症は双極性障害か統合失調症の陰性症状に似てるんじゃないか?とか邪推。

    美しい死、という物語にするには出てくる人間の汚い所を書きすぎていて、あえてシニカルにしているのかもしれないと思う。

  • 城山三郎の素直な戦士たちを彷彿とさせられた

  • ヘミングウェイ、カミュに続いて3人目のノーベル文学賞作家を読む。ハンス少年は母が他界し、厳格な父親と祖母に育てられる。彼は無理をしながら難関の神学校合格するが、友人関係のゴタゴタにより勉強に興味をなくし、神学校を退学する。ハンスは他人を蔑むことで精神の安定を得ていたため、退学したことに究極の劣等感を抱く。その後、彼は一度も開花せず人生を終える。厳格な父親の期待に応えることに執着し、また母親の愛情を受けずに育ったハンスの無残な人生には日が当たらず、故に車輪の下での生活という、無力感を突き詰めた作品だった。

  • エリートが破滅する話。「脱落」について。この結末を救いとみるかどうか……。ただ一つ。受験生は読むな!

  • ヘルマンヘッセによる
    教育について批判的に捉えた小説。

    主人公ハンス・ギーベンラートは、
    頭がいいことで街でも有名な少年。

    学業面において、ハンスに肩を並べられるものはおらず
    ハンス自身も勉強をして知識を蓄えることに喜びを感じていた。
    そんな秀才は、州の神学校に合格し、将来も保証され
    安定な人生のレールを踏んで行く。

    親、教師、町全体の期待を一身に受け
    全てを勉強に捧げ、結果を残し続けるハンスは
    優秀な生徒が集まる神学校でも
    頭角を表し、一躍注目を浴びる。

    しかし常に孤独に勉学に向き合ってきたハンスに
    一人の友人ができたところから、
    ハンスの人生は大きく動き出す話。

    「へたばらないようにするんだよ、さもないと車輪の下に圧し潰されてしまうよ」
    常に勉強し、社会の歯車から外れないように、
    努力し続けることこそ、正だと考える社会に
    ハンスがどのように向き合うかが注目となる。

    【学んだこと】
    結論から言うと、ハンスは決して恵まれない。
    ただその原因を考えることが重要である。
    大人が教育を押し付けたから?でもそれは立派な大人になるために必要なこと。
    加えて、ハンス自身勉強は好きであった。
    私は、多くの選択肢をハンスに与えるべきだったと考える。
    勉強は重要で大切だが、それができないから見捨てることは子供のためにならない。
    勉強以外の、友情や愛情や自然の豊かさなど感受性を高める機会をもっと与えられたら、
    ハンスの人生はもっと豊かになったのではないかと思う。

    それは各人の人生にも同じことが言える。
    仕事や受験で結果を残さなければ、
    誰かの期待に応えられる何かにならなければと
    自分を殺して必死になることがある。
    でも本当に大切なことって、
    その周辺にあるのではないかと思う。
    追い詰められた時こそ、支えてくれる人や大切な人に真摯に向き合うことで、少しリラックスできるのかなと思う。
    ハンスは追い詰められていくことが多すぎたのではなかろうか。

  • ストーリーはすっと面白い。
    解説分厚い。
    鑑賞、面白くない自分語りと主人公たちに自分を重ねてジェラシーとか言ってるところがイラっとさせる。(私だけ?)

  • 勉強しかできない(しかも本当の天才と比べれば全然大したことない)陰キャが秀才軍団の集まりで鬱になり、地元に帰り、童貞だから女の扱い方も分からず、地元の陽キャに憧れイキったら酒で酔っ払って死んだ話。

    テーマは色々あるんだろうけどこのストーリーにまとめただけで悲しくなった。ありうる。

全95件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヘルマン・ヘッセの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×