ふしぎの国のアリス (集英社文庫)

制作 : Lewis Carroll  北村 太郎 
  • 集英社
3.43
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本棚登録 : 437
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520231

感想・レビュー・書評

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  • 「2009年クリスマス限定・チェックのカバーで大人買い」3/3(笑)。赤のチェックが華やかな、北村太郎訳・2006.6.6第10刷です。

    実は私、ディズニーのアニメ映画版を見た記憶があるものの、今まで原作は読んでいませんでした(そんな作品、多すぎ:笑)。3月うさぎやチェシャ猫、トランプの国のイメージは確かに鮮烈…でも、すごく小理屈っぽくてよくわからなかったな、というのが当時の記憶。

    ひとつずつエピソードを追っていくと、楽しいというか、文字どおり「ふしぎ」なお話。アリスのサイズが大きくなったり、小さくなったりというのはどうでもいいんだけど(笑)、ビンの薬の味がとても美味しそうに描かれていたり、鳥たちの話し合いの議長が、今は絶滅してしまったドードーだったり(しかも挿画が結構リアル)と、ディテールに「ほー、そうだったんだ」と感心の連続でした。

    ジョン・テニエルの「これぞ」な挿画もたくさん楽しめました。こっちのほうが収穫かも。青虫の図が強烈!カエル従僕と魚従僕、結構コワい〜。チェシャ猫は挿画のほうが風情があるし、お茶会のヤマネがキュート!でも、最後のあしらわれかた、すごすぎ(笑)。

    訳は、おおかたの「アリス」のイメージとは違う(と思う)テイストに仕上げられていて、最初「えっ?」と意表を突かれたものの、キャロル自身が知人のお嬢さんに聞かせていたお話、という背景を正確にとらえれば、ポップな感じがこれでいいようにも思います。ストーリーテリングがどう、というよりも、イメージを楽しむ物語ですね。かくいう私も、アリス柄(シルエット)のブックカバー、持ってます(笑)。しかもT.バートン×J.デップで映画化なんだ!

  • 「アリス殺し」を読む前にいっとくか、と。
    ディズニーアニメもそうなんだけど、やっぱりアリスの世界は狂ってる…。苦手意識は変わらず。
    そもそも日本人には理解できない内容なんだと思う、ナンセンスとか。原作で読めてあちらの文化もわかっていれば、ちゃんと楽しめる・・・・はずだ、きっと。わからなくていいんだ、たぶん。雰囲気だけ味わうに限る。

  • とっても有名な不思議な国のアリスの翻訳。地の文が口語調でアリスの語り口が生意気な少女っぽいのが特徴です
    ナンセンスな話がだいすきなので楽しく読めましたが、言葉遊びのページやその注釈、「英語」といった単語が出るたびに夢から覚めるようで、翻訳を意識せざるを得ず、その点がナンセンス小説を楽しむ足かせになりました。
    上品さを故意に打ち消し子供向けの口語体は読みやすく作品にマッチしているのですが、上記の点がざんねんでした。
    他の訳も読んでみたい。

  • 所在:紀三井寺館1F 請求記号:Browsing
    和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=85510

    ある退屈な昼下がり、しゃべるウサギを追いかけて、アリスが穴にとびこんだら、そこは・・・

    不思議の国のアリスはもともと、ルイス・キャロルことドジソン教授が、夏の日のピクニックで学寮長リデル博士の三人の娘にせがまれ、次女アリスを主人公に即興で語り聞かせたお話がもとになっています。

    キャロルはこの物語を手書きの本に仕立て、アリス・リデルにクリスマスプレゼントとして贈ります。タイトルは”地下の国のアリス”。この時は、挿絵もキャロルが自分で描いているのです。

    その後、友人であるジョージ・マクドナルドのすすめもあり、ロンドンのマクミラン社から、テニエルの挿絵を付して世に出たのが不思議の国のアリス、大ベストセラーとなりました。

    三月ウサギと帽子屋のティーパーティー、木の上で笑うチェシャ猫、知ってるけど読んだことない人は、ディズニーの「アリス・イン・ワンダーランド」を観る前に、原案本も読んでみては?

  •  そこら辺にあった長い穴を抜けるとふしぎの国だった。
     不朽の名作、数多の国で愛される児童文学の代表作。少女アリスの冒険ファンタジーの第一作。
     中学生の頃、『鏡の国のアリス』を読もうとして挫折したが、この作品は最後まで読むことができた。『ふしぎの国のアリス』を読むには、ナンセンスを受け入れる度量が必要だ。「訳が分からねぇ」と投げ出すのではなく、「訳が分からないままで良いんだ」と受け入れなければならない。ただこのナンセンスがどれほど面白いのかは十全には理解できない。『ボボボーボ・ボーボボ』のナンセンスギャグは、子どもの頃見ておかし過ぎて笑った記憶があるが、大人になった今では狂気の側面を強く感じ取ってしまう。アニメ化された『ボボボーボ・ボーボボ』は、原作よりも流血描写を抑え公衆向けに制作されておきながら、「見ていると頭がおかしくなる」という苦情が来たという。『ふしぎの国のアリス』はそこまでギャグに特化していないが、笑いどころは似たようなものなのだろう。
     ナンセンスの領域に関しては向き不向き合う合わないがあるが、それでも多くの人々にこの作品が愛されるのには、偏にキャラクター性の高さにあると言える。主人公のアリスを筆頭に白ウサギやチェシャ猫、いかれ帽子屋、ハートの女王などキャラクター的にもビジュアル的にも鮮烈なキャラクターがたくさん登場する。『ラブライブ!』や『ハートの国のアリス』、『幸福グラフィティ』のOPや『SHUFFLE!』のEDなど様々な作品でモチーフとなったり、パロディの対象となったりすることから、登場人物のキャラクター性もまた、『ふしぎの国のアリス』の魅力であることは疑い得ない。今年のハロウィンでもアリスの仮装をした者は少なくないだろう。
     ストーリーに関しては伏線やどんでん返しの類はない。この物語はアリスのモデルとなった実在したアリスとアリスの姉妹を楽しませることを主眼においたものなので、エンターテイメント性の方向が一般とは異なるのだ。だから「夢オチ」も許される。
     世界観は言うことなしに素晴らしい。奇想天外かつ摩訶不思議で更に魅力的である。また空想的かつ独創的であるように見えるものの現実に即したものもあり、アリスの大きさが変わるシーンなどは、作者であるキャロル自身も患っていた懼れのある、後に『不思議の国のアリス症候群』と呼ばれる症状に由来しているという。この症状に関しては自分も経験がある。一番記憶に残っているのは高校時代に教師に説教された際に教師の像が非常に遠くに感じられたことだ。大抵、対話する相手と緊張した時に発生していた気がする。キャロルは大人になっても症状を覚えていたのか、それとも比較的頻繁に症状が出ていたのかは不明だが、後者だとしたらなかなか辛い人生だったと思う。キャロルは他にも吃音のハンディキャップがあり、運動も苦手。勉強は非常にできたそうだが、一般人に比べ、お世辞にも順風満帆な人生とは言えなかっただろう。だからこそのアリスなのかも知れないけれど。
     テーマはナンセンス。訳の分からない会話の多くはこのテーマに由来する。だがこの訳の分からなさに付き合えるのは子ども特有だ。大人になれば大抵「関わらない方が良い」と自己防衛本能が働く。大した自分でもないのに。――というのは冗談で、物語が「夢の中の世界」を舞台としている以上、訳の分からない会話にも妙なリアリティがある。実際にこんな夢を見たことはないが、「1+1=3」が真理となっている世界の夢を見たことがある。
     文章はナンセンスの詩や原文の言語のセンスなども含め考えると、非常に高い。だが喩えは悪いがキャロルは英国の西尾維新のようなものなので、翻訳するとどうしても面白味が減ってしまう。そういう意味では文章はどの国でも通じるとは言えない。これはどんな小説であれ抱える問題ではあるのだけれど。
     台詞は前述の通り訳が分からない。訳が分からないが偶に真理を突いたことを言う。そういう点では子どもの発言と似ている。
     総合的見て、普遍的に愛されるファンタジーに相応しいクオリティだった。珍妙な世界を形成しつつも、どこか「こんなことあったな」と人生の記憶を思い出させるノスタルジィがある。エンターテイメントというよりも文学に位置する作品だが、キャラクター性によって不朽の人気を築くなど、娯楽としての価値も高い。

    キャラクター:☆☆☆☆☆
    ストーリー :☆☆
    世界観   :☆☆☆☆☆
    テーマ   :☆☆☆☆☆
    文章    :☆☆☆☆
    台詞    :☆☆☆☆☆

  • あえての鏡のほう。いや、両方好きなんですが。ちなみにアリスは訳者違いで取り揃えておりますよ。

  • 原本で読まなければ、おそらくこの本当の面白さは分からないのではないかなー。いや、原本で読んでみたところで、この本の面白さには到底近づけない。分からないもの(見えないもの)に近づけないというのもおかしな話だけど、これは感覚の問題で。言葉遊びによる言語学的なアプローチや、哲学的問答に着目した分析なども興味あるので、それはそれとして読んでみたい。ルイスキャロルは乱暴な言い方すれば変態。現代で言うロリコン。純粋な少女愛と称されてもやっていることを現代の物差しで計れば完全にアウトです。そういう経歴も込み込みで読んでも面白いのか?北村太郎さんの少しでも原版の面白さというか趣を他言語で再現しようと試みている訳はあっぱれです。いやー読む力がなさすぎるなー。

  • キャロルの人生もこんな感じだったのかな。何事も変てこに感じる事が多かったのだろうな。理系男子にはありがちな。ダジャレ好きだし。
    物語はすごいカオス。でも現実に世界はカオス。切り取り方次第でどんな風にでも見えるトリックアートのように。
    実際世の中は変てこな事ばかりで「不思議の国…」であるのは当たり前のように思います。

  • ちゃんと読んだ記憶が無かったので読んでみた。
    ストーリー性がなくてイラついたけど、
    それを求めたらダメなんだろうな、と思ってやめた。
    (でも、やっぱり理解し難い。)

    言葉遊びがふんだんに入ってたから、原文読んだら面白いかな。
    他の訳も読んでみたい。

  • 物語としては、読みづらい。
    訳が云々以前に、そもそもの物語が理解しづらい。

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著者プロフィール

1832年、イギリスのチェシャ州に生まれる。オックスフォード大学を卒業、同大学の数学および論理学の教授に。独特のユーモア感覚と幻想的イメージに溢れた童話『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』は、イギリスはもちろん、世界中で支持されている。

「2017年 『わがままアリスとおくびょうな白ウサギ 不思議の国のアリス 鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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