高瀬舟 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520286

作品紹介・あらすじ

島送りの罪人を乗せ夜の川を下る高瀬舟。しかし実の弟を殺したその男の顔は晴れやかに、月を仰ぐ目は輝いていた。なぜ…。精美な日本語で鴎外で描く人間の不可思議。これは安楽死をめぐる永遠の矛盾として現代人の中にも生きている。表題作の他「阿部一族」「山椒大夫」「寒山拾得」など後期の代表作を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 感想会のため高瀬舟だけ。京都から大阪に罪人を護送する高瀬舟。罪人の身の上話を聞く同心・庄兵衛と罪人・喜助の話。喜助は弟と貧しく暮らす。弟が病に罹り臥せてしまい生活が一層きつくなる。ある日喜助が仕事から帰ると喉にカミソリが食い込んだ弟を発見。弟は兄の負担を軽くしたいがため自殺企図。弟は喜助に苦痛から解放するため刃を引き抜くように懇願する。喜助はその通りにし、弟は死亡する。それを見ていた者により喜助は殺人罪で捕まる。①家族から殺してくれと言われてできるか?②苦痛から解放した喜助は罪なのか?感想会楽しみ。⑤

  • 森鴎外の文章好きだなぁと思えた一冊。
    文豪と呼ばれる人たちの作品をそれなりに読んできたけど、かなり好きな部類に入ると思う(谷崎には負ける) 
    学生時代に教科書で「最後の一句」と「舞姫」を読んだ記憶はあるけど、その時はそんなこと全然思わなかったのにな。
    何より文章に無駄がないのでずーっと楽に読んでいられる。食べ物に例えるならめちゃくちゃ美味しいお蕎麦。
    無駄なものが一切入っていなくて、そのまま食べても美味しい(実際通の人は最初の一口をつゆにつけたりせず、そのまま頂いたりしますよね)
    それと同じで鴎外の文章は文章そのもので魅せられるんです。おつゆ(=話の内容や展開)はもちろん大事だけど、それがないことで逆に麺のおいしさが際立ったりもする。そういうことを考えたりしながら読みました。

  • とても良かったです。現代にも似たような問題提起のあるストーリー。善悪を一つの面からでは捉えられない事を教えてくれる。短編ながら心に残る小説でした。

  • 有名な本だったので読んでみました!短編だったので内容も頭に入ってきました!深く考えてみると主人公?の決断は正しかったのかな?とあらためて思いました。

  • 「何が正解かよくわからないから、この事実が正解なんだと思い込もう」
    っていう事が既にこの本の終わりに書いてあるからそれでいいんだと私も思い込もう。喜助が幸せだと言っているんだし。本当に、幸せの形なんて人それぞれですしね!

    この時代ゆえの重みがあってこその作品なのに、それが今この時代の私にも伝わるなんて鴎外すごいよ、すきよ。
    悲しいお話なのかもしれないけど、それ以上に優しくて穏やかでなんだかあんまり読んだ後に落ち込んだりはしなかった。もやもやっとは多少したけど。

    最初になんの情報も無く物語が始まって、すっごく不気味な居心地の悪い状態からお話が展開してゆくかんじとかすごく好み。島送りになる舟の中で訥々と話し始めるその雰囲気には、なんとも情緒があります。自分から語りだすんじゃなくて、聞かれてなんでもないことのように告白し始めるって言うのがこの小説のすばらしいところ。

  • 大好きな本

  • 短編で読みやすい作品。
    人生に満足することについて考えさせられた。

  • 芦田愛菜ちゃんの、『まなの本棚』をきっかけに読んだ。難しそうと思ったけど、意外とすんなり読めた。読後は、なんだかスッキリしない。弟の苦しみを考えるとすぐにカミソリを抜かなければならなかった…。
    島流しに合うその間、なぜ喜助は清々しい顔をしていたのだろう。色々考える余地があって面白い。

  • 弟の自殺を手伝ったということで罪にとわれる男の話。安楽死を社会に提起した画期的な文芸作品だと思う。森鴎外は能動的な<死>を受容しているとみた。乃木希典の殉死を「興津弥五右衛門の遺書」という作品で武士道的<死>だと描いている。
    安楽死問題は<死生観>をどう持つかという問題でもある。

  • 安楽死させてあげたら殺人となるのか?
    今でも通用する議論。
    それを議論しようとせず、罪として受け入れる者。
    人の命が軽すぎた時代の話・・・

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著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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