幸福論 (集英社文庫)

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本棚登録 : 970
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520378

作品紹介・あらすじ

「幸福だから笑うわけではない。むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい」人間の心は外的条件に大きく左右される。とすれば正しい判断には意志が必要である。微笑んでみてごらん-幸福の本質が見えるから。ドイツ的観念哲学ではなく実践的な幸福論として、夫婦、死、仕事etc…を説くフランス哲学者アランの優しさあふれる語録。

感想・レビュー・書評

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  • 三大「幸福論」と言われるように、アラン、ヒルティ、ラッセルという3人の著名な哲学者が「幸福論」を書いている。

    すべてを未読だった自分は、まずアランの「幸福論」を読んでみることにした。

    アランが楽観主義の達人であったことをどこか別のところで聴いたことがあり、「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」という言葉は、強いインパクトのために、本書を読み始める前まで記憶に残っていた。

    この言葉がどこかで登場するのだろうかと、期待を秘めながら読み進めていた。

    本書はエッセイ集のようでもある。一つひとつの話の塊を断章(プロポ)と呼ぶのだそうで、「名馬ブケファロス」から「誓うべし」まで93のプロポで構成されている(数えてみたがその通りであった)。

    「幸福論」というタイトルであるのに、初めから「恐怖」「苛立ち」「悲しい気持ち」について述べられ、「神経衰弱」とか「ふさぎの虫」などというタイトルが続く。

    明らかに心のマイナスの状態についての話から始まり、そのようなマイナスの心の状態を改善し、克服するにはどう対処すればよいのかというようなことが述べられている。

    つまりはアランにとっての幸福とは、心がマイナスの状態でないことと捉えているようでもある。

    プロポの前段は、先へ読み進めていくための前提となる考えが述べられており、読み進むにつれて考えが深められたり、解決のヒントが提供されたりしているように思う。

    最後の最後、「誓うべし」のプロポに至って、期待していた「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」という言葉が登場した!

    ここに述べられたアランの哲学は、端的に言えばこの言葉に集約されるように感じる。けれども、個々のプロポの中にもまた読者を楽観へ導いてくれるような言葉がいくつも紹介されている。

    「運命というものは、気まぐれだ。指のひとはじきで新しい世界ができあがる。どんな小さい努力でも、限りない結果を生ずる」とか・・・。

    「未来にはひとりでにできる未来と、自分でつくる未来との二つがある」とか、、、。

  • なに、これ?

  • 初めての哲学本。
    咀嚼するのに時間がかかった。
    引用数は多い。

  • 初めて読んだ時は何じゃこりゃ、と思ったけど、何ども読み返すとしみじみした味わいがくせになる、かも。
    特に50番の「仕事」が好き。思い悩むよりやってみよう!って励まされます (σ・ω・)σ

  • どこまでも実直。甘美な響きや派手さはない。だからこそ、辛い時に心に寄り添う、幸福論。地に足をつけて、もう少しだけ踏ん張って。哲学って、嫌いじゃないけど、必要だとも思わない、と思っていたけど、学ぶ意味を知りました。どうしようもない苦境を乗り切る幸福論なんてない。でも、ちょっとした困難を乗り切るための幸福論ならあるかもよ?そしてそれができれば人生の大概は幸せでいられるなって。これからもずっと一緒にいたい本。

  • この本を推薦してくれた母に感謝(^人^)

    いままで読み漁った百冊あまりの自己啓発本や、毎週通っているカウンセラーのアドバイスが全て書かれてあった。長い時間とそれなりのお金をかけて学び、それでも理解し難い問題が「コレ、いいわよ」のひと言と共に手渡された本書により総復習し、納得することができた。

    専門的すぎて小難しかったり、時代によって片寄りのある思想により敬遠していた【哲学書】だが、本書は身近な物事や経験を取り入れ大変理解しやすく、すぐでも生活に浸透できる内容であった。また、アランが尊敬したスピノザ、プラトン、デカルトの言葉を多く引用しているため、著名な哲学者の思想も改めて興味を持つことができた。

    さらに【語録】がアランによって誕生したという思わぬ情報を得ることが出来たのも面白かった。

    来年は、デカルト『情念論』、ジョルジュ・サンド『コンシュエロ』、ギリシャ神話などを読んでみよう!!

  • 落ち込んだり、些細なことが気になったりしているときは、自分が疲れてたり、緊張してたり…と意外と単純な理由なのかもしれない。この本を読んで、もっとのびのびしようと思った。心も体も。

  • 人間の心は外的条件に大きく左右される。とすれば正しい判断には意志が必要である。

  • ヒトは、とおの昔から、こんな風に、深い知恵を持っているのにネ。

  • アランの晩年の写真を見てください。

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著者プロフィール

1868-1951。本名Emile Auguste Chartier。ノルマンディーに生れ、ミシュレのリセ時代に哲学者J・ラニョーの講義を通して、スピノザ、プラトン、デカルト、カント、ヘーゲル等を学ぶ。エコール・ノルマル卒業後、ルーアン、アンリ4世校などのリセで65歳まで教育に携る。ルーアン時代に「ラ・デペーシュ・ド・ルーアン」紙に「日曜日のプロポ」を書きはじめたのが、彼のプロポ(語録)形式の初めである。アランの人と著書については、アンドレ・モーロワの『アラン』(佐貫健訳、みすず書房、1964)に詳しい。邦訳されたものとして、『定義集』(森有正訳、1988)、『デカルト』(桑原武夫・野田又夫訳、1971)『プロポ』1・2(山崎庸一郎訳、2000、2003)『アラン 芸術について』(山崎庸一郎編訳、2004)『小さな哲学史』(橋本由美子訳、2008、いずれもみすず書房)などがある。

「2019年 『定義集 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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