山月記・李陵 (集英社文庫)

  • 集英社 (1993年4月15日発売)
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本 ・本 (292ページ) / ISBN・EAN: 9784087520392

作品紹介・あらすじ

詩人をめざしながら、その尊大な性格のために自らの才能を磨くことを怠った李徴は、月に咆哮する虎と化す…。「山月記」他、品格あふれる文体で綴った6編。(解説・新保祐司/鑑賞・林 望)

感想・レビュー・書評

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  • 読むだけで漢文の勉強になる本。文章力だけでなく内容も詰まっていて面白い。

  • 文章が難しいと思い読めるかと心配したが、わずか11ページ。
    李徴の心は誰しもが持っているのでは。
    とても良い、考えさせられた本だった。

  • 木乃伊、文字禍、名人伝あたりは短いからサクサク読めるし面白い!
    漢文調のイメージが強かったから、エジプトが舞台になっていてびびった…
    入れ子構造なあたりとか、文字に囚われていくあたりとか、結構引き込まれる。


    李陵、弟子は脚注が多すぎて面倒だったから、脚注を読まずに粘って斜め読み。
    ほんとはもうちょい味わって読むべきだとは思った。訳分からないけれど面白く読めるところも多かったから。
    もうしばらく寝かせてから再チャレンジしよう。

    斗南先生も、中島敦の内面が見えるところだから、もうちょいしっかり読んでも良かったとは思う…
    そう思うと、学校の授業でやってくれると強制的に脚注も理解するから、読む分には楽だったのかも。


    解説者曰く、李陵、弟子が傑作、山月記は代表作、らしい。
    私小説と違い山月記は、敦が自己の内面を他者に託して書くことができたのが画期的だったらしい。なるほど。

  • 中島敦が亡くなったのは、三十三歳の若さでした。「やはり、中島は、中島の全てを実は書いてしまったのである。書いてしまったからこそ、死が来たのである。」と、解説で新保祐司は語ります。誰にも追いつけない最高速度の文章がありました。

  • 気持ちよく読める名文だと感じました。

  • 図書館で。
    この間中島敦賞の本を読んだのでそういえば山月記読んでないなあ〜と借りて読みました。色々な意味でずん、と来る本でした。

    それにしても昔の人って普通に漢文を読めて漢詩とか作れたんだなあと思うとカルチャーショックです。今の若者が英語で詩とか書くような感覚なのかなあ?故事も大体は中国の逸話だしすごい国なんだなあと思います。そしてこれからだってあれだけの人口が存在する国なんだからやっぱりすごい伸びると思うんですよね。人口って国力ですよね。
    …話が逸れましたが。33歳で亡くなられたとかお若いですがその年までにこの作品を書かれたのか…とか思うと…

    そういえば本を返しに行ったら予約が入ってました。そんなに今話題の本なのかしら?ちょっとびっくり。

  • 短編集。読みにくい。
    山月記は高校の教科書にもあったので、懐かしく読み返せた。
    収録されている話はどれも筆者の心情を映したかのように陰鬱なものである。
    確かに名文だとは思うが、現代に生きる我々には読みづらいのは否めない。

  • 硬派で括約筋の締まった文章。教科書でお馴染みの『山月記』を始め、『李陵』や『弟子』『名人伝』『木乃伊』『斗南先生』も収録されているため、中島敦の作品を一気に味わうことができた
    もちろん難しい単語は多かったが、解説含め、読んでよかった。
    その他、『文字禍』も収録

  • 山月記以外も意外に面白かった

  • 『文字禍』が特に好きです。

  • 文章というものは、斯く在るべき也。

    美しい日本語とはまさにこれ。
    平家物語の冒頭も良いセンいっているけれど、あれは漢詩だから次点。
    もう今やこういう見て美しい文章を書ける「名人」はいない。

  • 高校の授業で、「山月記」を始めて読み、
    その独特な世界が心に残った。

    今回、七つの短編・中編小説を集めたこの小説集を読んでみて、
    シビアな現実と夢のように不思議な物語展開が両立していて、
    ようやく「人間的な心情」を取り戻したのに、
    その取り戻したものをいずれ喪うであろうことが予期される、
    哀切なラストが印象的な「山月記」も
    相変わらず好きな作品だと思ったし、
    初めて読んだ「李陵」も、登場人物達の数奇な運命が、
    時に激しく、時に静かに、
    うねりのある筆で描かれていて、引き込まれたけれど、
    一番心に残った作品は「弟子」だった。

    まさしく「愚直」という言葉がふさわしいような、
    不器用でまっすぐな男、子路の
    師匠である孔子への一途なまでの忠実さや、
    その一方で時より彼の考えに対して抱く疑問や反発、
    そして壮絶な人生の物語は、自分の心を打った。
    師匠である孔子が、彼の揺れる心の内や長所を理解し、
    彼のそのまっすぐさを愛しているところも良かった。
    子路が師匠を思う分、孔子もまた子路の、
    一見欠点ともいえる不器用さを愛しているところに
    救いを感じる。

    読んでいる途中も、また読み終えた後も、
    ただ切なくて、何か熱いもので胸を締め付けられ、
    どうしていいかわからないけれど、泣きたくなってしまう作品。

  • 山月記:悲しい話。 木乃伊:ラストが気持ち悪い。 文字禍:ギャグ?面白い。 名人伝:名人なのか?!  弟子:子路の最期が残酷過ぎる…。

  • この硬派さが好き

  • 生き方の指標の一つ。
    やっぱりまずは山月記。

  • 衝撃

  • 山月記、非常に好きな作品ですv

  • 国語の教科書に載っている奴です。
    この方の作品の蝋燭の火を吹き消したような余韻が好きです。言葉の並びというか運びというか言い表しきれないけど素晴らしすぎる。

  • 座右の一冊。

  • 国語の教科書で"山月記"を読んだ。狂いそうになった。私もいつか虎になるのかもしれない。

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著者プロフィール

東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。

「2021年 『かめれおん日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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