たけくらべ (集英社文庫 ひ 11-1)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520446

感想・レビュー・書評

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  • いつからだろう。うまく話せなくなったのは。
    多分、それが恋のはじまりだったのだ。

  • 文体が難しそうで敬遠していたが、読んでみると意外とすんなり読めた。会話のテンポが良く、リズミカルな文章は和歌の素養のせいだろうか。
    物語はどれも深刻なものばかり。
    「たけくらべ」は淡い思いが描かれているとはいえ、美登利と信如は二人ともその後の運命が定まっていることが却って物悲しい。
    「にごりえ」は正にドロドロ。
    「十三夜」の関は、夫のつらい仕打ちに耐えて生きることを
    選ぶ。

  • 最初現代語訳で読んでいたが、ピンとこなかったので、原文で読んだ。大和ことばの美しさに感動した!!

  • 切ない・・・

    本書には、「たけくらべ」、「にごりえ」、「十三夜」の3作品が収録されているが、どれも切ない。

    こどもから大人への変化にとまどう美登利。
    社会の端で逞しく生きながらも、希望を捨てきれないお力。
    嫁いだ先で自分を見失い、全てを捨てようと覚悟するお関。
    それぞれの世界で、世間に馴染みながらも、馴染みきれない女性達。

    結末はどれも、奇跡ではなく、非情な現実。
    そして、いくつかの謎を残し、余韻を残しながら終わっていく。

    物語の続きを創造したくなる作品たち。

  • 1冊目(1-1)

  • 普段勝気な女の子が恋をするととてもかわいい

  • 文語表現で読み込めない。現代語訳版があれば再チャレンジする。

  • 西国立の駅のそば、無門庵に本作品の直筆原稿が所蔵されていると聞いて興味を持って読んでみた1冊。5千円札でしか知らなかったけれど、いざ読んでみると確かに文章のうまさをすごく感じました。テンポや表現にリズムと品がある感じ。取り上げているテーマは華やかなものではないのに、暗くならずに伝えられる文章力。当時からだいぶ日本語が変わってしまった今でも伝わってくるものがありました。内容については、あらたな発見よりも当時に思いを巡らすイメージかなと。24歳と短い人生だったそうだけど、もし話せたなら楽しい会話もできたかな、と思った1冊でした。

  • 表題作他、「にごりえ」「十三夜」も収録。時代的には古典ではないが古文のように一文が長いので慎重に読んだ。どの話も細かい注釈がすぐ下部分に書いてあり、話の流れを切らずに参照できる工夫がしてある。

    「たけくらべ」では男勝りの女の子、美登利が主人公。この子供たちをとりまく環境の描写の鮮やかさ。そして、美登利が信如に抱く恋愛感情の描写が鮮やかで切ない。この時代に少女漫画があったらこんな感じだろうか。信如に対する描写もよいが、初潮を迎えて複雑な心境となる美登利に対する正太の声掛けの描写が実に印象的。美登利が好きだからこそ力になりたい正太と、そういう問題じゃないから今はかかわらないでくれという美登利のすれ違いを描いたものは今でも十分共感を得るのでは。
    「にごりえ」はなんとも後味が悪い最後だが、これが一番きれいな収まり方のような気もする。だがお初が不憫。
    「十三夜」はある意味綺麗な話。一夜だけ語り合って別れ行く中できっと主人公は子の母として生きていく決意も深まったのかもしれない。

  • 廓の街に住む勝気な美少女・美登利はお寺の息子・信如にほのかな想いを抱いている。しかしお互いを意識するにつれ会話はぎこちなくなり…。せつなく不器用な初恋を情緒あふれる文体で描いた一葉の名作「たけくらべ」をはじめ代表作三篇を読みやすい新表記で収録。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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