ヤング・スタンダード 斜陽 (集英社文庫 た 26-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520538

感想・レビュー・書評

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  • 少女の日記から始まる。
    貧しい
    直治は帰ってこない、母は貧乏になり体調崩す
    伊豆で生きる意味はない

    恋と書いたら書けなくなった?

    自分に余裕がない、家事を起こす

    蛇とマムシの対比。マムシ、悪意の象徴

    他者はかずこが女中以外できない事を察している。当人だけ気付いてない

    帰ってきた直治は別人、オオカミ少年のような行動。自殺をしても誰も興味を示してくれないだろう
    上原さんは未知をかずこに教える
    直治は直治で苦しんでいるのだ。
    M.Cは上原さん?最初は押しかけしている事を認識している
    マイチェホフ 私の小説家 ロシア人
    ストーカーに近い
    どうして赤ちゃんがほしいのか
    私はあなたを理解している
    マイチャイルド 作家に恋してる訳ではない
    上原二郎様、M.C様、M.C
    母が亡くなった事自体気付いてない(幻想)
    手が腫れてる、死が近い
    庭に居た蛇の怨念
    生きていくための恋
    戦闘開始2回、敵、敵意。
    私の虹、生き甲斐。にくい人、ずるい人
    大人の恋愛。キスされても屈辱
    直治と上原は似ている
    誰しも生きるのに疲れている
    みなで一つの命
    かずこと直治は同じことをしていた
    直治の性格は演じていた
    貴族は貴族のまま死ぬ
    私の革命に上原は必要ではない
    自分の不幸に周りを巻き込むのが自分に出来ること
    敵である上原の妻に浮気を認めさせる。
    M.C マイコメディアン
    私の手の元に支配され操り人形に成り果てた惨めな喜劇俳優よ
    嘲笑の意。

  • つらい。読んでいてどうにもつらくて苦しくて、終盤はぽろぽろ泣いた。

    主要人物がもれなく爆弾級の苦しみをそれぞれ抱えていて、もがき苦しみながらそれと闘っているところを覗き見しているような気になるお話。

    暗い物語の中でも太宰治の言葉選びの上手さがお星様みたいにぴかぴか光っていて、手帳に書き留めたくなる文がたくさんあった。私の中に素敵な語彙が増えた気がする。

    斧で胸を抉られ、放置されて刺さったまま幾年…みたいな読後感なのでしばらくは消えないな…

  • 文量多いのに読みやすい
    太宰ワールド難しい
    心の拠り所だった母の死をきっかけに壊れる家族
    いや、そんなことある!?!?って感じ

  • 戦後、没落していく華族の様子。

    お金が少なくなってきたために東京の家を手放し、伊豆で暮らすことになったが、それでも上品な貴婦人として振る舞う母。
    戦争から帰ってきた弟、直治は東京か伊豆のどちらかで酒を飲んでいて、荒れた生活を送る。
    十年前に父は他界している。
    「私」は直治にクスリや酒などの悪い遊びを教えた札付きの不良、上原二郎に恋い焦がれている。

    ---------------------------------------

    母親は結核に罹り他界し、弟は自意識に苦しんで自殺。
    「私」は上原二郎との子を孕み(不倫)、シングルマザーとして生きていくことを決意。

    金持ち華族として生きてきたひとが、子どもを育てながら働いて、どうにかシングルマザーをこなせるかといったら相当に厳しいと思う。未来に明るくない。
    元華族の三人がそれぞれの生き方(死に方)で、それぞれの道徳を表現したってことなのかな。うーん、残酷。

    上原二郎はどんな気分だったんだろう。
    自分を慕っているはずの直治は心を開き切らないし、その姉(「私」)は何年も前にちょっかい出したことを今さら引っ張り出してきて、強烈なラブレターを送ってくる。相当困惑したんじゃないだろうか。
    その後、直治は自殺(上原の奥さんに恋していた?)するし、姉は自分の子を妊娠するし(これは上原もおかしい)で、もう何がなんだかわかんなくなったと思う。


    華族というアイデンティティを持って生きてきたひとが、お金が無くなって落ちぶれた後はどのように生きていくのか。
    元華族として貴婦人のまま堂々と死んでいく。飲んだくれても華族であることは忘れられない哀れな自分に苦悩して自殺する。恋に恋した挙句に不倫してシングルマザーとして生きていく。
    三人の選んだ選択肢、その全てがバッドエンドだと思う。
    だけど、そんなこと関係ない。どう生きるかじゃなくて、どう死ぬか。それが彼らの言うところの道徳なんじゃないか。

  • 「傑作を書きます。大傑作を書きます。日本の『桜の園』を書くつもりです。没落階級の悲劇です。もう題名は決めてある。『斜陽』。斜めの陽。『斜陽』です。どうです、いい題名でしょう。」

    この言葉の通り、『斜陽』は大傑作となり「斜陽族」という流行語を生み、太宰治は一躍流行作家になりました。美しい滅亡に向けたかず子、お母さま、直治、上原二郎4人の力強くもはかない物語。気持ち悪いほど完成された作品のように思います。発表されて60年以上たった今でもまったく色褪せません。

  • 教科書に載っている太宰作品以外で、通読したのは、実はこれが始めて。太田静子さんの日記を元にしているという先入観があったためか、太田作品として読んでしまい、純粋に太宰作品としては受け止められなかった。
    「貴族」としてのプライドを捨てきれず、行くべき道を見失ってしまった弟と捨て切る覚悟を持った姉。戦後には、この狭間で道を模索した人たちも多くいたに違いない。

  • 自分からおこす行動を大切にしようと思う

  • すっごく好き。文章が美しい。
    さらさらと読めてしまうので、その文が言わんとしていることを都度捉えて丁寧に咀嚼せんとする意志がないと、あっというまに読み終えてしまう。

    弟が己が己であることを諦めるまでのじたばたが、とても共感できて、好きです

  • 子供を産むことが革命につながるっていうのがよくわからなかった。直感的には、恋愛対象は近しい母となら誰でもよくて、幻の中の男を愛してたのかな?愛で泣く恋ってかんじ

  • とても悲しい。けれど、文章が綺麗で心が落ち着く作品であると感じました。
    ところどころ、映画の『人間失格』が思い出され、太宰治の世界に引き込まれました。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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