生れ出づる悩み (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 179
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520545

感想・レビュー・書評

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  • 情景描写がとても美しい。ラストの君の自殺未遂の場面は、北の凍てついた冬の夜の美しさに圧倒されます。過酷な漁師生活を強いられながらも絵に焦がれる様は、生きなければならない現実の厳しさと同時に、芸術への熱い執着を感じました。他の漁師たちは毎日を疑問を感じずに生きているというのに、なぜ俺はこうなのだという孤独感や苛立ちがひしひしと伝わってきます。最後の文章は、君に希望を持たせるものではなく、ただ幸せを願う、と書かれています。そこから筆者もまた、君と同じように芸術に苦悩していたのだなあ、と思いました。とことん思い悩むのもまた、ひとつの道なのだと思います。

  • 木田金次郎

  • ついつい表紙の岡田くんに惹かれて。
    あまりなじみのない作家でよく内容も知らないで読んだが、よかった。
    文章がきれい。読みやすかった。
    生活か、己の夢か。
    ここまで必死な感じはないけど、現代にも同じように悩んでいる人はたくさんいると思う。
    これは若いうちに読むべき!
    10年前の自分が読んだ感想を知りたい。
    やりたいことがあるということは幸せだけど、苦しいこともたくさんあるのだね。
    それでもやりたいことがある人の方が、幸せだと思います。

  • 昔若いときに読み、今又半世紀以上を経た晩年になり
    読み返してみて新たな感動を覚えた。
    言葉が美しい、「冬が老いる」 「感力」etc・・・
    言葉を新鮮に感じた。
    荒れ狂う海の描写のなんと迫力のあることよ!
    漁師でもある若い画家を思いやる「私」の優しさ、真摯に生きることを考える「私」。
    たくさんの若い人に読んで欲しいと願う。

  • 初めて読んだ有島武郎の本。この方の書かれる文章は、情景描写がきれいでとても好きです。特に興味深かったことは、作中に書かれている有島武郎自信の死生観に関してです。私自身、この本を読むまで触れることのなかった考え方で、とても興味深く読むことができました。作品の内容自体は、自分自身が大学生で悩み多き時ということから、共感できる点は多くありました。社会に出て、子供ができ、子供が悩む時期になったころにもう一度自分自身で読み返してみたい本です。

  • 100413(a 100419)

  • 結論から言うと期待はずれだった。夢を追いかけている人は、同時にどこかに将来に対する不安を抱えて生きている。
    自分もそうなので、共感や、その立場の人々の思いに対して、なんらかの形や、教訓の様なものを示してくれるものだと思ったのだが…全く何もなかった。

    基本的な登場人物は二人になるのだが、そのうちの一人が「もう一人はこう考えているに違いない」 と言う想像をしていると言う内容が半分を締めている。
    これ、なんて言ったらいいんだ?夢オチっていうのは当てはまらないし…。でも、とにかくなんやそれって思った。実験的にやってみたのだろうか。少なくとも、夢か現実かで悩む、劇中の登場人物と同じ立場の俺には全く共感できないと言うか、しようがなかった。名作…なのか?俺は全くそうは思わなかった。文章は上手いと思ったけど。とにかくガッカリした。

  • 私はまず追う夢を見つけたいな。

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